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神官ミレイと猫獣人アイリス

 そういえば、猫獣人のアイリスさんは私の村の近くが地元だった気がする。

 だから、王都では見れないような気のゆるんだ感じがみれるんだ。

 でも、デレてるアイリスさんも可愛いなぁ。


 それと遅れてきた女の子はアイリスさんの友達でしょうか?

 隣の冒険者がサリナさんって言っていたけど・・・あんな美少女だけど、この男に気があるようですね。

 まあ、サンドスネークとの戦いで従魔が強いのはわかるけど、テイマーであるあの男はちょっと察しがわるいかな。


 まあ、見た目は・・・よく見れば、まあまあだけど・・・あんなに鈍感じゃねぇ。

 しかも、あの子がティスって呼んでいたけど・・・・・・。

 そういえば、あのティスもこの辺の村だったかな。

 もう冒険者やめて・・・・・・・・えっ!


 元『ライトニングバレット』の神官ミレイは隣でへらへらしている男の顔をつかんで自分の正面に向けた。


「いたたっ・・痛いよ。ちょっと何するんだよ」


 ティスは隣のフードを被った女の子から無理やり顔を引っ張られて痛がっていた。


「ねえ?あなたはティスなの!?」

「うん、そうだけど、でも、ちょっと痛いから手を放してよ!」

「はっ、ごめんなさい」


 ミレイは慌てて手を放して謝ると、自分のフードを後ろに降ろした。


 うぁぁ~綺麗な人だな。

 サリナも綺麗だけど、何だか大人って感じの美人だぁ。

 神官って言っていたけど、やっぱり、王都の冒険者は違うな。

 なんだか、神官服も光って見えるよ。


 ゆっくりとフードを降ろして、まとめてあった長い髪をほどくと、顔を揺らして整えていた姿をみたティスは正面にいる神官にドキドキしていた。


「私は神官のミレイですが、わかりますか?」

「え~と、ごめんなさい。俺にはあなたみたいに綺麗な神官の知り合いはいないですよ」


 やっぱり同じ名前の人違いだったかも・・・。

 ティスは戦士職でテイマー職はもっていなかったしね。

 それに・・・・テイマー職にはお金がかかるし・・・・やっぱり人違いだったのかも・・・。


「ああ、やっぱりミレイだったニャッ!え~と、『ライトニングバレット』のパーティメンバーだったニャッ!」


 アイリスはティスの側でティラノをなでなでしながら視線も合わせずにつぶやいていた。


「アイリスさんに名前を知られているなんて光栄です」


 それでも、アイリスさんに名前を知ってもらっていることでミレイは満面の笑みを浮かべていた。


「でも、『ライトニングバレット』には最近悪いうわさが多いニャ」


「はい、すみませんパーティーリーダーのシャナトが色々と・・・・」


 神官のミレイは申し訳なさそうに頭をポリポリとかきながら答えていた。


 ミレイは気恥ずかしそうにしながら、何気なくティスの方を向いた。


「ミ・・・ミレイな・・・の!?全然違って・・・・わから・・・・・」


 ティスは突然自分のほほをとめどなくポロポロと落ちてくる涙で最後まで声が出なかった。


 そんなティスの様子をミレイは見つめながら次の言葉が出てこなかった。


「・・・・・・えっと、久しぶりだね。ティス」

「あっ、うん。ゴメン。突然涙が止まらなくて、その・・・・目標にしていた『ライトニングバレット』のシャナトの・・・いや、あのミレイがこんな近くに戻って来ていて、俺なんかと話をしてくれるなんて思わなくて・・・・」

「そのね、シャナトとは色々あってパーティを抜けたの、それで・・・」


 ミレイはパーティを抜けた後にティスにあったら、なんて言おうか色々と考えていた。

 しかし、こんなに突然にティスが目の前に現れてしまった。

 それでもここ一番という時に強きにでることができるミレイは準備していた言葉をティスに伝えようとした。


「ところで、ミレイはティスの恋人だったのかニャ!?」

「えっ」


 ティスは突然目の前のアイリスから予想外の質問を受け頬を赤らめて戸惑っていた。


「ティッ・・・ティスさんの、こっ・・恋人だったの・・・です、ですか!?」


 それを聞いていたサリナはティスの表情を見た。


 そして突然会話に参加してティスにアイリスの言葉の結末を再度たずねていた。


 ティスはあちこちから声をかけられてしまいどこへ返事をしたらいいのか分からなくなってしまった。


 ちょっとどうなっているんだ。

 これまで生きてきて綺麗な女の人と会話するのはギルドの受付嬢くらいだったのに。

 こんなに美女に囲まれて、しかも恋人だったかどうかなんて・・・・。


 ティスは真正面からサリナに見つめられていることに気づくと、すぐに目をそらした。


 よくわからないけど、何故か見つめられてる・・・・。

 とにかく何か答えないと・・・。

 でも、なんて答えればいいのかな!?


「えっと・・・あのーー。サリナさん、そんなに見つめられると答えにくいんですよねぇ」

「あっ、ごめんなさい。どうしても・・・いや、別に大したことないんですけど・・・」


 サリナさんは少し顔を赤らめて、そう言うとうつむいてしまった。


「う~ん、なんだかよくわからニャいナ。まあ、私にはあまり関係がないからいいニャよ。にゃははっ」


 アイリスさんはティラノをなでなでしながらあっさりとしていた。


 ちょっと、アイリスさん。

 あなたが余計な事をいうからこんなにこんがらがってしまったのにぃーーー。

 ちょっとどうにかして下さいよ。

 この空気感をねぇ。

 とにかく事実だけを伝えないと・・・。


「あのーー恋人ではなく、パーティーのメンバーでしたっ!」

「何となくわかっていたニャンっ、にゃはっ!」


 アイリスさんは軽く笑いながら返事をしてくれた。


 サリナさんを見ると目を合わせてくれなくてそらされてしまった。


 あれっ。

 この話題でなんかすごい盛り上がっていたと思っていたけど・・・・。


 ティスはものすごい意識しすぎた為、ものすごいドキドキしたのだが、

 結果は大したことなかったみたいだった。


 いや、しょうがないだろう。

 そんな恋愛とかなれていないんだからねっ。


 一方、ミレイはティスに会ったら伝えることがあった。


 あの時、捨てるようにパーティメンバーから解雇したこと。

 そして、あれはシャナトが勝手にやったこと。

 だけど、自分は何も言わなかったことをどうか許してほしいと。


 ・・・・・でも、なんだか、そんな雰囲気じゃなくなってしまった。







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