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王都2番街

登場人物

【ティス】  Dランク冒険者、『最強のモブ』という二つ名を持つ、才能無しの戦士。引退を考えた岩トカゲの討伐時、不思議な夢でもらった卵を育てる事になる。

【ティラノ】 ティスがもらった卵から出て来た10cm位の小さな二足歩行のトカゲ!?生まれて四日後に突然、むくむくと急成長して15cm位になる。

【ミレイ】  ティスが最初にパーティーを組んだ時の神官。ティスに文句も言わずに回復してきたが、才能のあるシャナトについて行った。

【シャナト】 ティスが最初にパーティーを組んだ時の魔法師。レア属性の雷を操る『ライトニングバレット』のパーティリーダー。ティスの才能を見限って解雇する。

【カーグ】  ティスの解雇の後にシャナトのパーティーに入った寡黙な戦士。

 ここは王都2番街、そこには冒険者ギルドがあり、様々な冒険者達が集う場所である。

 そして、同時に、この2番街は様々な階級の民が行き来する場所でもある。


 それは王都には貴族階級と一般階級があり、その特性上完全に切り離されていた。

 しかし、その中で2番街は、中間階級が集まることで2つの階級を隔てる壁の役割を果たしていた。

 その結果、王都にあって、この2番街で拠点を構えることが出来るということは、ちょっとしたステータスになっていた。

 冒険者が、この2番街で拠点を構える為にはBランク以上である必要があった。


 そして、ティスの最初のパーティで仲間だったシヤナト達は現在Bランクになり『ライトニングバレット』を名乗り、ここで拠点を構えていた。

 今日はBランクのモンスターであるバジリスク討伐の為に宿屋にある1階の食堂に集まっていた。


 ・・・・いや、集まるはずだった。


「ねえ、カーグ。シャナトはいつもの場所から戻ってきてる?」


「まだ戻ってきてないぞ」


「また、あの子と一緒にいるの?」


「たぶんその子は先週別れたといっていたから、今日は別の子じゃないか」


「ねえ、討伐の日までそんなことをしてるの。シャナトはどうなってるのよ」


 神官のミレイはティスの後に戦士としてパーティの仲間になったカーグにシャナトの遅刻を怒っていた。


「そんなことを俺に言われても困るんだが・・・」


「でも、貴方から言わないと誰が言うのよ。せっかくの評判か下がっても構わないって言うの!」


「それは・・・・」


「シャナトが来たら、ちゃんと注意してよっ!」


「ああ」


 2番街て拠点を持つ冒険者として、それなりに名前が売れていることで、若い冒険者を取っ替え引っ換え遊んでいた。


 ミレイはシャナトの女癖が悪くても、このパーティはシャナトのレアな雷属性の才能による所が大きくて我慢していた。

 しかし、いつもいつも遅刻してくるシャナトにかなり嫌気がさしていた。


「いやぁ〜、今日の子がさぁ。行かないでってうるさくてよぉ。俺は言ったんだよ。今日は討伐があるからダメだって。っで、何とか振り切って来たわけよぉ~。いやぁ~ごめんなぁ」


 シャナトは頭をポリポリかきながら、悪びれることなくへらへらとして食堂で待っている二人の前にやってきた。


「なあ、シャナト、プライベートで楽しむのはかまわないが、討伐はチームだからさ。遅刻しないようにしてくれないか」


 シャナトが席に着く前に、ミレイからひじでつつかれたカーグは注意した。


「カーグ・・・・・って、お前かミレイ。カーグに注意させてるんだろう。なんだお前、俺が女の子から言い寄られてくるのが、嫌なのか。はははっ、俺に惚れているんならそう言えばいいのによ。順番で相手してやってもいいんだぞ」


 シャナトはへらへらしたまま、ミレイを小ばかにするように言い放った。


 それを聞いたミレイは顔を真っ赤にしてプルプルと震えていた。


 それを見たカーグは慌てて、


「シャナトそれは言い・・・・・」

「・・・もういいっ」

 バンッ!!

 ミレイは机を両手で思いいきりたたくと、その場で立ち上がった。


「シャナトあなたにはもうついていけない。ティスの時もそうだった。あなたが勝手に決めて、勝手にやめさせたの覚えてる?あの後、さんざん説得したのに才能がないからって・・・」


「ならお前がティスと一緒に行けばよかったじゃないか?でも、それをしなかったのは、ティスに才能がなかったからだろうがっ・・・。そして、それを認めていたから俺と一緒についてきたんだろう。お前も俺と一緒だろうよ。笑わせるな」


「だって・・それは・・・あなたを、説得したかっ・・・た・・・。でも、そうよ・・・認めていたのよ。あなたの才能をね。だから、私もティスを捨ててでも成長したかった。わがままだったわ」


「ははっ、偉そうなこと言っても、何ら俺と変わらないじゃないか!」


「いいえ、でも・・・あなたは変わったわ。王都で偉くなったからって偉そうにして・・・。だから、私は今をもってパーティを抜けます。故郷に帰ってティスに謝るわ。許してくれなくてもいい。もしも、まだ、冒険者をしているなら、私はティスにパーティーに入れてもらう。拒否されても構わないわ」


 ミレイはそう言うと、後ろを向いて去ろうとした。


「ミレイ。今日の討伐はどうするんだ。神官のお前がいないと依頼失敗になるのは確実だ。そんな無責任なことするのか。パーティを抜けるなら抜けるで責任を果たせよ」


「いいわ。責任は果たします。だけど、シャナト、あなたが死にそうになっても回復はしないわよ。それでもいいの?」


「勝手にしろ。恩知らずが・・・」

「勝手にさせてもらうわ。恥知らず」


 食堂の1階は朝食の時間で多くの冒険者や一般階級の人々が集まっていたが静まり返っていた。

読んでいただきありがとうございます。


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