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ランクアップ試験⑦ 試験結果

「とにかくこれでお前らのランクアップ試験は終了だ。結果を伝えるから前に並べっ!」


 ガイドロスが整列するように声をかけると、4人は走ってきてガイドロスの前に整列した。


 ティス以外の3人は大口をたたいたにもかかわらずあっさりと敗れてしまったので、皆元気がなかった。


「まずは戦った後の評価だが、タイランドからだ。お前は初見殺しの技に頼りすぎだ。まっすぐなのはいいが、わかりやすい。いきなり使うんじゃなく戦い方を少し組み立てるようにしろ」


「はい。わかりました・・・」


 生意気なタイランドもガイドロスの評価には素直に返事をしていた。


「次はカラリアだ。魔法生成速度も速く、制御、コントロールも上々だが、自分の魔法力に過信しすぎる。対戦相手は何時でも予想外の行動をすると考えておくんだ。魔法師のお前は接近されたら終わりだからな。相手が接近してきたとしたら、そこに何かあると考えておけ」


「はい。心に止めておきます・・・」


 カラリアも真摯に評価を受けとめて、うつむいたまま返事をしていた。


「次は・・・」


「私ね。次は負けないわ」


「ああ、そうだな」


 相変わらずレイリアは話を聞かないことに、ガイドロスは半ばあきらめた感じで返事をしていた。


「一応評価だが、レイリアは魔法師だよな。なら、魔法の威力を上げるようにした方がいい。魔法の力も剣士としての力もどっちつかずの中途半端だ。剣士となるにしても力不足だ。いいか」


「そう、負け惜しみね。次は勝つから見てなさい」


 レイリアは敗れたくせに、腕を組んで仁王立ちでガイドロスの話を聞いていた。


 いや、聞いていたのかどうかよくわからないが・・・。


「ああ、好きにしろ」


 ガイドロスはあきれた感じで聞き流していた。


「えーーービーストテイマーのティスは後で話があるから、あとでギルマスの所にこいよ」


「へっ・・・はい。わっ、わかりました」


 これまで真剣に評価に耳を傾けていた観衆たちは「あれは怒られるやつだ」「説教だな」などとなぞのコメントをつぶやきながら、各所で笑いが沸き起こっていた。


「それからみんな気になる所だろう。結果だがな。せっかくなんで上手に言ってやりたいが・・・・・・あ~めんどくせぇ、つまり、皆合格だ。以上」


「あの~ガイドロスさん。俺とティラノも合格ですか?」


「ああ、合格だ。ギルドカードは受付で変更してもらえるから、これから行ってくるといい。その後はギルマスの所に来いよ」


「ちょっと何でこいつらが合格なんだよ。なんもしてねぇだろうがっ!」


 タイランドはティスとティラノは何もせずに、試験も中止になったのに合格していることに納得がいかないとガイドロスに食いついてきた。


 周囲の初級冒険者たちを含む観客たちもざわざわと騒いでした。


「ああ、あれな。上級魔法を生成していたから中止させただけだ。上級魔法を使える時点でBランク以上になるんだが、まあ、今回どうするかはダンに決めてもらう。それでいいな?」


「こ・・こいつが、B・・・Bランクだと。こんなちっせぇモンスターが・・・信じられねぇ」


 タイランドは合同討伐に参加した時に上級魔法を近くで見たことがあり、ティラノの生成風も上級レベルだと認めたくはないが肌ではそう感じていた。


 その為、ガイドロスの答えにこれ以上のクレームをつけることが出来なかった。


 それでも、タイランドはティスをにらみつけるととクルッとひるがえって受付のあるギルド会館に向かって歩き出した。


「あ~あ、なんか俺、あいつとは仲良く出来なさそうだな」


 ティスはタイランドとは仲良くなるのは難しいだろうなと思いながら、やつの背中を見ていると、


 ドンッ!


 タイランドは突然その場を吹き飛ばされるようにして倒されていた。


 ははっ!なんか知らんがこけてやがる。

 人の事悪くいうから罰が当たったんだ。


 観客たちのいる中で盛大に転倒したタイランドを見て少し気持ちがスッとした後に、誰かが走ってきた。


 悪い予感がしたが、なんとなく予想がついた。 


 レイリアだ。


「きゃぁぁーーーティラノちゃんすごぉ~い。可愛いのに強いんだね。ティスさんいいな。私にその子くれない!?」


 そんなレイリアは何もなかったように駆け寄ってきて、ティラノの頭をなでなでしながら上目遣いでお願いしてきた。


 うわぁぁ、レイリアは普段はずいぶんと偉そうなのにどうなっているんだ。


 しかも、こんなに綺麗な子が上目遣いをすると慣れてない俺にはクラクラするよ~~。


 ティスは目をそらしながら、

「そんなのだめに決まってるだろう」


「じゃあ。私とパーティ組んでよっ!」


 レイリアは頬を少し赤らめているように見えなくもないが、なぜかいきなり立ち上がって仁王立ちになると、腕を組んで言い放った。


「何をっ!!パーティってそんな簡単に組んでいいものじゃないでしょうにっ!」


 どう答えていいものか迷った為、とにかく否定してみた。


「簡単に言ってないもん・・・・真剣に考えて言ってるもん」


 ”もん””もん”ってそんな風に言えば男がなびくと思っているんだろうなぁ。


 俺もかなりやばい所迄きているように思える・・・・。


 いけないそんな目で見つめられると、なびいてしまいそうだ。


読んでいただきありがとうございます。


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