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ティラノ 2回目の鑑定をする

 ティラノはあれから、10日間毎日のように戦闘訓練を行った。

 戦闘訓練といっても、日に日に強くなり、ゴブリン、コボルトとの戦闘も軽くこなすようになり、今日は岩トカゲ討伐に来ていた。


「ティラノいいか。岩トカゲは体の硬さだけでなく、その尻尾の打撃の強さが強力だ。だから尻尾の攻撃を避けながら、牙で少しづつダメージを与えて行けば大丈夫だ。よし、わかったなら行くんだ」


 キャオッキャオッ!


 あれから、ティラノに急成長は来なかった。

 日々強くなっているのは間違いないので、色々と成長しているはずなのに。

 体の大きさは何時まで経っても変わらないままだった。


 そして、今日も岩トカゲの攻撃をギリギリで何度もかわすと、

 強力な顎で岩トカゲに少しづつダメージを与えていった。


 岩トカゲの皮は初級冒険者用の防具として使用される為、出来るだけ傷を付けずに討伐を推奨されるが、

 ティラノはその強力な牙と顎でガジガジと噛みついて攻撃を加える為に、素材としては、全く役に立たない状態での討伐になった。


「素材としては役に立たないが、ティラノの食事になるから、我慢するか・・・」


 2回目の急成長の後に様子を見ていたが、ティラノに急成長の兆しはまったくと言ってこなかった。

 ティラノの不思議成長を考えると、急成長がなくても構わななかった。

 それは、着実に強くなっていたのは、目に見えてわかったからだ。


 それと、不思議なのは初めて見るモンスターに対する戦いを知っているように見えたのだ。

 もちろん、俺が説明はするんだが、言葉が通じているとは到底思えなかった。


 今日の岩トカゲの討伐が完了したら、昼過ぎに1度冒険者ギルドに戻ろうと考えた。

 それは、お金はかかるが、ティラノをもう一度鑑定してみようと思ったのだ。


 通常2週間足らずで、従魔の鑑定を行うことなんてありえない。

 強さは実際に見ればわかるので、鑑定自体必要ないのだ。


 しかし、あれほど奇妙な急成長がいきなりなくなるのは、

 ティラノに何らかの問題が起きているかもしれない。

 そう考えると、調べなくてはいてもたってもいられなかった。


「やっぱり、可愛いとその愛情のかけ方も違うなぁ」


 自分で言ってれば世話はないのだが・・・。


 ギルド内にサリナがいないかどうかを確かめながら、そそくさと受付に向かった。


「すみません。従魔鑑定をお願いしたいのですが」

「こんにちはティスさん。最近は討伐依頼の達成が軒並み上昇しているじゃないですか?頑張っているんですね。どうしたんですか?」

「ああ、全部、ティラノが戦っているんですよ」

「またまた、そんな愛玩ペットみたいな従魔にコボルトやら岩トカゲなんかは討伐無理でしょう。最近は冗談もうまくなりましたね。そうそう、最近サリナさんと仲がいい様で、噂になっていますよ。でも、気をつけて下さいね。ファンが多いですから!!・・・あっ、準備できたみたいですよ。ではティスさん奥の部屋に向かってくださいね」


 正直に伝えたんだが・・・。

 受付の子は、ティラノがこんなに強くなっているなんて・・・まあ、思わないよな。


 実際に戦っている姿を見ても、そんなに強いとは思えないもんなぁ。

 戦っている姿を見ていない人は信じられないだろう。


「あっ、ここか。すみませ~ん。従魔鑑定をお願いします」

「ああ、新しい従魔を登録したのかい?」

「いいえ、こないだ従魔にしたティラノの鑑定をお願いします」

「はっ、お前は馬鹿か?見た目は全然変わっていないじゃないか。それに、普通、たったの2週間かそこらで従魔のステータスが変わるわけないだろうが、もしも、そんなに急成長しているとしたら、少し戦闘を減らさないと、そうそうにつぶれてしまうぞ。大丈夫か!?」

「まあ、それは気をつけているつもりですので、よろしくお願いします」

「わかっているならいいけどな。そういえば・・・いいか、その子はゆっくりと触らせるんだぞ」


 そう言えば、前回の時に突然光ったからそれをきにしているのかな。

 すこし、鑑定士さんがびくびくしているように見えた。


 しかし、今回は特に何も起こらずに鑑定が出来たようだった。


「それで、鑑定はどうだったんですか?」

「・・・・・・」

「あの・・・鑑定結果は・・・」

「・・・・・・」

「すまない。ちょっと、鑑定結果に驚いてしまってな。すまないが、もう一度やり直してもらっても構わないか?」

「はい、構いませんが・・・」


 そして、鑑定士さんの準備が出来たところで、もう一度ティラノの尻尾を水晶に当てた。

 しかし、状態は先ほどと全く変わらなかった。


「いや、鑑定結果は変わらなかったよ。すまないが、一緒にギルドマスターの所に来てもらってもいいかい?」

「えっ、何かまずいことでも・・・」

「とにかく、一緒にきてくれ。あっ、その子も一緒にな」


 何がなんだかわからないが、鑑定士さんと一緒にギルドマスターのいる部屋に連れていかれた。

読んでいただきありがとうございます。


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