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プロローグ

設定もおおざっぱに気軽に読める内容にしていければと思います。

「お前はやる気があるのか?魔法が使えないなら前衛しかないだろう。それなのに、怪我しまくってお前ばっかり治癒魔法のお世話になって、見ろよ。神官はお前の為にヘトヘトだろう。悪いがティスよ。お前と一緒にパーティは継続できない。すまない」

 このセリフは聞き飽きた。

 何度聞いてきただろう。

 それに、これでパーティーを解雇された数は・・・・もう忘れた。

 30組目までは覚えていたけど、もう数えるのも嫌になり、それ以後覚えていない。


 冒険者ギルドに行っても、何時しか「最強のモブ」というあだ名で呼ばれるようになった。

 なぜだか最強というネーミングがあるせいか、パーティに参加はさせてもらえるが、その意味を知るとすぐに解雇されてしまう。


 こんな俺にも最初はあった。

 俺の名前はティス。

 冒険者になることを夢見ていた少年だ。

 12歳で村を出る時にSクラス冒険者になるといって村を出た。

 親ですら「現実を知りなさい」といって、生まれてからずっと、俺の為に貯めて来たという金貨1枚を軍資金だといって渡された。

 期待されているものと思い、装備をそろえて、冒険者ギルドで登録をした。


 最初はもちろんコツコツと簡単な依頼をこなして、Eランク冒険者になった。

 ここからが本格的なスタートだと同じEランク冒険者同士でパーティを組んだ。

 戦士と魔法師と神官の3名で一般的なパーティだった。


 俺は才能も魔力もほとんどなかったので、戦士としての役割を果たそうとした。

 最初は頑張った。

 仲間も協力的で応援してくれていた。

 しかし、戦士としての才能もなかった俺は仲間からおいて行かれるように、差が開いていった。


 そして、ここで初めて解雇を言い渡された。


「ティス。これまで頑張ってきたけど、俺たちも上を目指したいんだ。わかるだろう。すまない」


 いきなりの解雇におどろきと悲しみがあふれてきたが、それでも冒険者をあきらめなかった。

 そして、ソロで活動を始めて、なんとかDランク冒険者になった。


 Dランクということで、格下の冒険者と一緒にパーティを組んできたが、気がついたら格下からも追い越されるようになり、何時しか解雇の申し出がやってくるのだ。


 最初は「先輩冒険者」と呼ばれていい気になっていたが、影では「使い魔冒険者」といわれるようになっていた。そして、今は「最強のモブ」だ。


 あれから冒険者ランクも上がらず、ずっとDランクのままだ。


 そろそろ、このままうだつの上がらないDランク冒険者を止めて、故郷の村に帰ろうかと思うようになった。

 母さんに「現実を知ったよ」というのがとてもつらい。


 今日は岩トカゲの討伐依頼を受けて討伐に来ている。

 岩トカゲは新人の登竜門として代表的なモンスターである。Dランクになった冒険者が初めて討伐を挑む程度の難易度であった。

 俺はこの討伐を成功させて、故郷に帰る為の資金にしようと考えていた。

 今日の岩トカゲ討伐を冒険者として最後の仕事にするつもりだった。


 正面には瀕死の岩トカゲが横たわっていた。

 俺はあと1撃で冒険者としての人生が終わることに感慨深くなっていた。

 そして、長年使用した長剣を振りかぶって止めを刺した。


 正面の岩トカゲは動きを止めて息を引き取って行った。

 普通にいつもの光景だったはずが、この日に限ってはいつもと違う状況に混乱を隠しきれなかった。

 岩トカゲと一緒に俺の意識も落ちて行ったのだ。


「なんだ。何が起きたんだ!?ここはどこだ!?」

 俺はおい茂った森の中にいた。

 湿気が多くて、蒸し暑かった。

 俺はどうしてこんなところにいるのか理解できずにいた。

 周囲を見渡すと、空にはワイバーンのような生き物が多数大空を飛び交っていた。


 こんなところに長くいると、やばいモンスターに襲われてしまうかもしれんな。

 とにかく、すぐにでも移動した方がいいか。


『人間。そこにいる人間』


「誰だ!?だれか俺の事を呼んでいるのか?」


『そうだ人間。そのまま、まっすぐに歩いてこい』


「なんだ!歩いて来ればいいのか?」


『そうだ。まっすぐに歩いてこい・・・・ちがう、そっちじゃない。まっすぐといっておろう』


「すまない。こっちだな」


『そうだ、そっちだ。その大岩を超えたら我の姿が見えるが、驚くなよ』


「わかった。驚かないよ」


 俺は不思議な会話をする相手の言う通りにした。

 なぜが会話の相手に、違和感もなく、恐怖もなく、どこか懐かしい感じさえしていたのだ。


 しかし、大岩を超えて声の主を見て驚いた。

 そこには、岩トカゲが横たわっていたのだ。


 もしかして、俺が倒した岩トカゲかと思って、思わず謝った。

「俺が止めを刺した岩トカゲなのか?すまないことをした」


『何のことだ!岩トカゲとは何だ。私はTレックスという』


「Tレックスとは何だ?」


『気にするな。今は時間がない。すまないが、お前にこの卵を託したい。任されてくれないか?』


「食べていいのか?」


『お前に任せるが、出来れば育ててやってくれないか?』


「わかった。育てればいいのだな」


『ありがとう。ではよろしく頼む』


 Tレックスはそう言うと、息を引き取った。

 それと同時に、俺は目を覚ました。


「なんだ。夢か。それにしても変な夢だったな。この岩トカゲの精霊でも語り掛けてきたのかもしれないな。はははっ」

 そうして、岩トカゲの討伐証明部位である右手の爪を取ろうと立ち上がった時に、目についたものがあった。


 卵だ。


 それも、夢に出て来た卵がそこに転がっていた。


 夢ではないのか!?

 しかし、育ててほしいと頼まれて返事をしたしなぁ。

 仕方がないか?

 村に帰るのは延期にしよう。


 こうして、Tレックスからもらった!?卵!?をもって、宿屋に帰ることにした。

読んでいただきありがとうございます。


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