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愚者とふるちん  作者: 虹色水晶
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エピローグ

 クロイソス王子とセミラミス女王はジェラルミン兵達がしっかりと北の国まで撤退したのを確認したのち、見張りの兵を残してサルディス王都まで凱旋帰還した。

 王都は祝賀祝いの宴で賑わっていたが、クロイソス王子たちはあいにくそれに興じる段階ではなかった。


「魔王の脅威は去った。だが、今後は人間同士の争いが主になる。というのは十分に理解できた」


 停戦協定の調印文書を前に、羽ペンをクルクル回しながらセミラミス女王は光輝と高貴に満ち溢れた表情を浮かべたまま、サインを拒んでいる。


「内容に何かご不満かな?事前に相談しておいた通りだと思うのだが」


「いや。幾つか付け足したい項目があってな。我が国のラクダは砂漠では無敵だが、草原地帯では普通の騎馬とそうは変わらん。あまり草原では戦争はしたくはない。だが、水や実り豊かな大地は欲しい。しかし此度の北の国のような積極的に戦争を構えるのはしんどい」


「北の国以前に我が国に戰を仕掛けた国があったような気がしますが」


「なんと。可哀そうな。では復興費用を援助しよう。そうだな。条件としては、北の国との国境沿いに新たに砦を造るためのコンクリートやアスファルトなどの建材を我が国は無償提供する。代わりに貴国は我が国の盾となり、北の国と戦う。その他貿易条件は従来通り」


「少々私達の国の方が不利なような気もしますが。まぁいいでしょう」


 クロイソス王子は停戦協定の内容を書き換え、サインした。


「どうぞ」


「確かに」


 セミラミスもまた、調印文書に名前を書いた。


「なぁ、これってどういうことなんだ?」


「日本の幕末で言う、薩長同盟みたいなもんですよ。元々戦争してたけど、江戸幕府倒す為に食料と武器融通しあって協力しあうようなもんです」


「あーなるほど」


「それじゃあふるちんさん。服脱いでもらえますか?」


「え?何言ってるんだお前?」


「いや。楽しい異世界の冒険も一区切りつきましたしね。一度元の世界に戻るんですよ。ふるちんさんはこの世界に来る時全裸でしたからやっぱり全裸でないと戻せません」


「おい。いや別にここでなくてもいいだろ?ほら。お前の家とかさ」


「ほう?中々面白い余興ではないか。やれ」


「何だい?一度元の世界に戻るのかい。まぁ怪我人の手当てとか、形式上の北の国への抗議とかは、そういう雑務は私達異世界人が住むべき雑務だからね。選ばれし勇者である君はそれが済むまで元の世界でゆっくりとしていたまえ」


「あ、いや。だからここ玉座の間っすよね?」


「ほれ。観てやろう?」


「一刻の女王様がふるちんさんのロンギヌスの槍を見たいそうです。是非脱いでください。あ、服は洗濯して五郎さんに返しておきますので」


 俺の初めての異世界冒険譚は。

 ストリップショーで幕を閉じた。

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