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愚者とふるちん  作者: 虹色水晶
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よくぞ参った。勇者ふるちんよっ!!

 そして俺は国王の前に引き出され、裁判を受ける事になった。椅子に縛り付けられ、ふるちんのまま。


「さて。其方はこの国に多大な貢献をしたガラ・プラキディア家に婦女暴行目的で押し入ったとある。これに相違ないな?」


 国王陛下様はお尋ねなさった。さて。何と答えよう?


「何か異があるのが申してよいぞ?」


「王様!この男は私の家の洋服ダンスの中からいきなり現れたんです!ふるちんで!!」


「なんと!其方はももかんの家の洋服ダンスの中からいきなり現れたとな?しかもふるちんで!!」


「はい。その通りです」


 しょうがないんで俺は正直に答えた。


「して、其方はどうしてももかんの家の洋服ダンスの中から現れたのだ?しかもふるちんで?」


 なんて答える?俺は少しだけ考えた。


「質問いーすか王様?」


「なんじゃふるちんよ?」


「その、ガラ・プラキディアってのはなんなんですか?」


「おお。実はわが国には一千年をの時を経て蘇るという、魔王マイルズの脅威に脅かされていたのだ。しかし我が息子クロイソスが家臣の兵士を率いて魔王の脅威を見事取り払った。その協力者の一人がプラキディアであり、そこにおるももかんはプラキディアの娘なのじゃ!!」


 はい。俺死刑決定。あがいても無駄である。もはや手遅れって奴だ。


「それで、お主はなぜプラキディアの家の洋服ダンスの中に」


「あー俺実は異世界の勇者なんすっよー世界を救う為にこの世界にやってきました」


 俺はもう考える事を放棄した。


「なんと!それは真であるかっ!!儂は大変うれしいぞ!!!」


 おい。真に受けんな。ボケ老人。


「お待ちください国王陛下!この者が異世界からの勇者などと!!きっと私の家に忍び込んだ罪を逃れる為の口から出まかせに決まっております!!」


 魔法使いの少女。ももかんという名前らしい。彼女は激しく抗議したが。


「いや。ふるちんは真に異世界からの勇者であるぞ」


「そんな!ふるちんが異世界からの勇者だったんて!何か証拠でもあるのですか!?」


 そうだ。こんなふるちんやろうが勇者なわけないだろ。悲しい事に。


「魔王は千年前に倒され、千年後に復活する。伝承にそうあるが本来は今年がその千年目なのだ。しかし我が息子はちょっと早めに魔王の宮殿に奇襲攻撃を仕掛けたため、簡単に倒せてしまった。それが十三年前なのだ。つまり本来勇者であるふるちんが来るのは当然なのだ。ともあれ其方こそまことの勇者」


「勇者ふるちん様バンザーイ!!」


「ようこそおいでくさいました!!勇者ふるちんさま!!」


 兵士達は椅子に縛り付けられたふるちん男を勇者として歓迎した。

 そして、現在に至る。

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