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真実

一晩中 必死で いいと思う事 全てやり尽くし 力尽きた......気がつくと 僕は寝てしまっていて 慌てて起き上がると 女は 横に成りながらも

意識は戻っていて 僕に

「......ありがとう」

と、真顔で言ってくれた......そして

「コートの右ポケット......お前に」

「......?」

コートの右ポケットを あさると 何かが手に触れ握った。恐る恐る 出してみると ロケットペンダント......一枚の写真......急に胸の鼓動が 騒ぎ出す

僕は ゆっくりと写真を 目に近づけ......

「......!?」

僕の記憶が 一気に乱れ 過去へとさかのぼる 混乱と動揺で 頭が真っ白に......女が ゆっくりと 口を開いた。

「......お前の父親だ」

まてまて......まず整理しよう......何処かで会った気がする......僕の幼い頃の 映像が頭の中で 回り始めた。あれは......何歳の時だろう

僕の 誕生日に 男の人が来て......プレゼントでグローブとボールを もらった記憶が......母さんは おじさんにお礼を 言いなさいって それから一緒に キャッチボールして......最後に......

頭を撫でてくれた......あの時 何故か 嬉しかったのを 覚えてる......

僕は ロケットペンダントを 開いた そこには 赤ちゃんの時の 僕が入ってた 写真は 僕と母さんとおじさん 三人で写る あの時の 誕生日の写真

急に 込み上げる涙を 抑える事が できない

「なん...なんだよ これは......なんで これを僕に......」

もう 声がでてこない 喉が痛くて 苦しくて

女は 一言

「父親が死んだ時......悲しんでたから」

涙は止まる事なく 流れ 何度も流れ 僕を困らせる......

「僕が......悲しんだと......思って これを

そんな ケガまでして......あんた バカだよ!誰も頼んでないのに......おせっかいで 僕の事はどうでもいいのに......ほんと バカで...」

嬉しくて 悲しくて

この時の 僕は初めて 他人の優しさが こんなにも 心に染みる物 なんだと知った。


そして 父さんが 何故殺されたのか どうして 母さんと僕と 一緒にいられなかったのか 僕にとっての謎になった......

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