時間と単位
のんびりしていたら2ヶ月以上過ぎてました。
次こそ1ヶ月以内に。
(守護霊side)
「お前さんには、ヴァッサーラントの常識を教えねばならんのぅ、時間の単位とか度量衡とか。」
「あぁ、言葉は通じていますし、、文字や地理はおいおいでも行けますけど、その辺の摺り合わせは必要ですね。」
「この世界での常識を知らねば、マリーメイアに非常識なことを教えかねないわね。」
「その前に、1つお伺いしたいのですが・・・、このヴァッサーラントの数の数え方は何進法でしょうか?」
とソウマは両手の指を伸ばしてジェームスの前で手を開き、指折りながら数を数える。
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11・・・、地球ではこんな感じで10進法だったのですけど、ヴァッサーラントでは?」
おもむろにジェームスがソウマの前で手を開いてみせる。
「ソウマさんや、ワシの指は何本かの?」
「えっと、片手5本ずつの左右合計10本ですね。」
「左様、ヴァッサーラントでも基本は10進法じゃ。
もちろん、いくつか例外はあって、2進法・8進法・16進法を使う場面もあるし、時間は60進法と24進法の組み合わせじゃ。
そうじゃの・・・、あの壁に掛けてある円形のものが何か判るかの?」
「時計・・・、でしょうか、元の世界の時計とほぼ同じように見えます。」
「違いはあるかの?」
「そうですね、動きが見える針の速度は地球と変わりないように見えます。
ただ、地球では短針の円周上に目盛は無くて、外周に60目盛と5目盛ごとに時間を表すようになっていて、短針は1日2周してしました。」
「短針が1日に2周じゃと?外の光が来ない場所じゃと昼夜逆転しそうじゃな。
そうじゃな、動きが見える針が秒針で1周60秒で長針が1分進み、60分で1刻、短針が1周して24刻で1日、365日で1年じゃが4年に1度暦を調整するために1日増える。」
「そこも同じです。
もしかして、30日くらいで12分割されているとかありませんか?」
「そのとおりじゃ、衛星・・・、儂らは「月」と呼んでおるがほぼ30日で1周するでの、1ヶ月は基本30日、1月から9月までの奇数月が31日と4年に1度11月も31日になるんじゃよ。」
「何というか、微妙に同じような違うような、という感じですねぇ。」
(現世side)
私、マリーメイア・ヤンセンは5歳になりました。
実は、産まれる前のこと、何度も生まれ変わった記憶があったりします。
昨年から魔力学校幼年部で色々教わっていますけど、前世の記憶と比べながらやっているのでなかなか憶えきれません。
長さの単位はメーター、前世の単位に直すと3尺3寸くらい?
1/100メーターが1センター、たぶん3センターで1寸?
重さの単位は、縦横高さ1センターずつの水の重さが1メーグラー。
15メーグラーで4匁くらい?
1メーグラーの水の体積が1ミリッターで1000ミリッターで1メーリッター。
5合よりちょっと多いかな?
こんな感じで昔の単位と比べてしまうので、なかなか憶えられないのです。
でも文字がなんと、遠い前世で使っていた日本語とほぼ同じなんです。
漢字みたいな皇国文字、カタカナみたいな帝国文字、平仮名みたいな王国文字、そして他の大陸から伝わってきたアルフ文字。
アルフ文字は、前世の異国の文字みたい・・・。
「はい、よそ見をしているマリーメイアさん、この問題を前に出てきて解いてご覧なさい。」
「はぅっ、ごめんなさいミトーショ先生・・・・・、これでどうでしょうか?」
「はい、いいわよ、正解よ、予習はしっかりとしていたみたいね。
でも、予習で解っていて退屈だからって、よそ見しちゃダメよ。」
笑いに包まれる教室内。
実は、初めておうちで本を見たときに字が読めたので、お母様にせがんでいろんな本を読ませて貰っていたのです。
おかげで、入学前にお父様から「知識だけなら魔力学校高等部卒業者並み。」と太鼓判をいただいていたのですけど、飛び級試験には体力テストと魔力制御テストもあるので、どちらも足りない私は受けられなかったりするのです。
「はい、では皆さん、次は魔力を使う時間ですから、制御を着けている人は外して・・・、あぁ、マリーメイアさんは5つ着けているうちの2つだけね。」
2つ外しての魔力制御がうまくいったら普段5つ着けている制御を1つ減らしていいとお父様に言われているので頑張らなくちゃ。
ダメでした、次こそ!
どう見てもまだプロローグのような・・・?