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PROLOGUE

初めて書くので駄文かもしれませんがよろしくお願いします。

不定期に続きを書いていきます。


PROLOGUE

全てが、全ての物が穢されてしまった…。


今、目の前にある光景は、逆巻く紅蓮の炎が地を舐め、異臭を放つ黒煙が天を突き、赤い死と黒い闇がすべてを埋め尽くしていく…。

槍に突き刺された人の肉が襤褸布(ぼろぬの)のように引き千切られ一面に血の雨が降り注ぐ。

その肝脳に塗れた大地を軍馬と身を鎧った兵士たちが何の躊躇もなく踏み拉いていく。

人の肉と血がまるで腐臭を放つ汚泥のよう・・・。

それらが私の足に纏わりついてくる・・・。

どこまでもどこまでも――

目に見えるすべての物が穢されている。

昨日まで明るく笑っていた隣人が今日は物言わぬ肉塊と化して転がっている光景――

肉塊…。

そう、それらはすでに死者ではなく、自然界に転がっている獣の死体以下の穢らわしいものとなっていた。


私は、今更になって気付く。

死者が神聖なものだったのは、それを崇める者がいたからだと…。


ふと、私が目を右下に向けると、そこには朝に元気すぎるぐらいだった隣人のおじさんが何も言わない塊と化していた。

これが地獄という光景なのか。

逆にこの光景が地獄でないなら、地獄とは一体何なのか…。

私はそう思わずにはいられなかった。


私は怖くなり走り出した。

目的地は丘の上にそびえたつ教会だ。

そこが一番の安全地帯だろうと思ったからだ。

だが、私は愕然とした。

そこは安全の場所でも、憩いの場所でも、助けを請う場所でもなく、ただ虐殺の場になり変ってしまっていた。

私は絶望した。

ならば、どこに逃げればいいというのだろうか。

呆然と立ち尽くしている私に近づいてくる兵士たち。

何がおもしろいのか、返り血を浴びている顔は笑みで包み込まれていた。


私は走った。

何かに抗うように…。

しかし、炎が道をさえぎり、燃え朽ちた家の柱も、私を嘲笑うかのように逃げ道を閉ざしてしまう。

それでも私は逃げ回る。

途中、誰のものなのか分からない切断された右手を踏みつけ、転びそうになり、血で濡れた石に足を取られて転んだ。

しかしそれでも私は様々な感情を心に抱きながら走った。


怒り。

憎しみ。

恨み。

悲しみ。

恐怖。


負の感情に突き動かされるままに、走る。

肘や膝が擦りむけて、血が出ているが気にしていられなかった。

そのうちに私は川にたどり着いた。

私は膝から崩れるようにして座った。

その時はじめて、川がどす黒くなっていることに気がついた。

私は涙を流していた。

自分でもわからないぐらい涙があふれてくる。

そして誰のものかさっぱりわからないが、目の前にあった内臓を左手に握りしめ、叫んだが声が出なかった。

私の喉は黒煙と、血と焼けた肉の臭いと、のどの渇きによって声が出なかったのだ。

それでも私は声にならない叫びを叫んだ。


「―――――!!!」


その背後から来た人影に、私は気付かずにいた。

気づいた時には、私の体は右肩からざっくりと切り捨てられていた。

私は絶命する間際、この無慈悲な行いをしたすべてを呪ってくれ、破壊してくれ。

そう強く願った…。

だが、それは届かぬ願いだと知りながら…。


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