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最終章 旅立ち

ついに完結しました。

完成版お待たせしました。

 ガルデーニアが本邸に来て一カ月後位で嘉華の元から脱走しようとしたその日の晩、暗闇に紛れて昔と同じ様に二人で旅をしようと言いながら窓の冊子に足をかけた時、外から眩しすぎる光が二人を映した。


「なっ…何?」


「!…兄さん、下って…」


 嫌な予感が頭を横切る、自分の前にいる兄を背後に周らせこれから来るだろう戦闘に備える。光の中から三つのシルエットが二人の前に迫ってきた。ガルデーニアはそれに警戒しつつもどこか違和感を感じていた。


「そろそろ行動に移すと思っていたら本当に実行しちゃうんだもの…笑えちゃうわ。」


 そう身長に似合わず高笑いする女と身長の高い二人、ガルデーニアはこの三人を知っていた。いや、ガルデーニアだけじゃない、ヴィーシニャももちろん知っている。


「嘉華様、あまり騒がれると旦那様達が起きてしまいますよ…」


「狐、残念だったな。」


「丈二海さん、哉雅さんそれにお嬢様…これは、茶番なのか?」


 三人が…なぜこんな夜遅くに外にいるのかとかなぜ計画がばれたのかとか、そんなものはこの際、どうでもよかった。ただ、草陰、物陰に潜んでいる同僚達の持っている物の説明が欲しかった。


「もしこれが茶番劇だったのならお前は光輝達が持っている物を何だと思う?」


「茶番でもそうでなくても、光輝達は実弾以外持ち合わせてないでしょ…」


 笑顔で聞かれることに対して苦笑して答える。もっともガルデーニアが出した答えが本当の答えというわけではない。間違っているかもしれないし、合っているかもしれない。テストを受け答えに自信があっても他の人と回答が違って、自分が間違いでないことを祈る学生の様な気持ちがガルデーニアの額に汗となって滲み出てくる。 それもそうだね。と片手を高く上げ、小さく一回天を仰いだ。


「っ…!」


 それが合図だったかのように、誰かが引き金を引いた。弾丸はガルデーニアの頬をかすり室内の床へと着弾した。傷口から薄く出てくる血は頬を下って顎で留まる。


「これでいい?オモチャじゃあないよ実弾。もちろん全部、ね。」


「そのようで…」


 血を拭きながらユックリ足を半歩下げる。それだけでも何故か心が安心した気がした。それとは反対に、周囲の殺気は高まった。


「ガルデーニア…」


 心配そうに後ろから服の裾を掴んでいるヴィーシニャが緊張に満ちたガルデーニアに呼び掛ける。それに振り返らず、何?と声だけで応対する。今、後ろを振り返ったらきっとハチの巣にされてしまう…緊迫した空気の中ヴィーシニャは口を開く。


「9112222-444-0」

 そういうとヴィーシニャは壁や扉がある奥の方へと歩き始めた。ただの数字を言われて嘉華達は頭の中に渦を巻く疑問に一瞬囚われた。その隙にガルデーニアはあらかじめ作っておいた床下の抜け道から脱出した。抜け出した穴から屋敷まではそんなに遠くはないが、身を隠すのにはもってこいだった。


「こんなのいつの間に作ったの?」


 嘉華が悔しがって騒いでいる時、丈二海は哉雅に何やら真剣に話をしていた。


「俺はこれで出る。世話になったな。お嬢様にもそう言っておいてくれ。」


「本当に、今日行くのか?……まだ時間はあるぞ?」


 哉雅に背を向け一人闇に紛れて姿を消す。再び嘉華が振り返った時にはもう丈二海の姿はなかった。


「丈二海は?」


「さぁ?眠くて帰ったんじゃないんですか?アイツ、睡眠にはうるさいので。」


 適当な事を言ってその場を凌ぐが、嘉華は何故か判ってしまった『彼は自分の元から出て行ってしまった』と、数キロメートル先に嘉華が所有する私有トンネルがあるそこの中に丈二海は入って行った。その後を一つの黒い影がコソコソとついて行くが、開通していないトンネルは当然行き止まりになっている。そこに未だ道があるかのように歩いている丈二海は何かを思い出したように足を止めた。地面を三・四回強く蹴り、それだけで地面に何故か穴ができた。


「ココか…」


 当たりくじを引いた様に無表情のまま固まっていた筋肉を緩ませる。巨大なアリの巣を潰しているような気持ちで地面を踏みながら来た道を戻っていく。そして、出入り口付近で小さな苦痛に呻く声が聞こえたのでもう一回さっきよりも強く地面を踏んでみると中から人が…いや、逃走したはずのガルデーニアが砂まみれになって出てきた。


「どうしてここに繋がってるって分かったんすか?」


 右手の手のひらをさすりながら出てきたガルデーニアは警戒心と一緒に好奇心で聞いてみた。その質問をされている最中、丈二海はガルデーニアの目を見ていた。彼の目は、野生の動物が人間を初めて見たときのような目をしていた。そう思うといくらか一年前の目の方がよかったと心の隅で思う。


「そんな目をするなよ、俺は何もしない。っと言っても、狐は信じないだろうけどね。彼は信じてくれるんじゃないかな?」


 トンネルの出入り口の陰にバレないようにヒッソリと息を潜めて二人の行動を見ていたのは光輝だった。気まずそうに二人の目の前に出てくる光輝は、今にも泣きそうな顔をしていた。


「丈二海さん……何で…」


 乾いた唇が言ったのはその一言だった。そこから先は上手く言葉が紡げないのか、息詰まったように苦い顔をした。


「哉雅から聞いてなかったか?俺は自分の好きなときに出て行くと。だから屋敷を出た。」


 呆れたように言い始める丈二海の言葉にはどこかトゲがあった。言葉の一つ一つが光輝の心に刺さっていく、信頼している人から今まで想像もしなかった事を次々言われ彼はどんな気持ちだっただろうか…最後に、丈二海は光輝に屋敷へ帰れと言った。が、彼は俯いたままその場を動こうとしなかった。


「お前は一体何歳になるんだ?聞き分けろ、昔と今じゃ状況が違う事を理解しろ!」


 強い口調でそう言われても光輝は動かずその場にいた。ガルデーニアは自分の出る幕ではないと、その場から消えようとしたが丈二海はそれを許してくれなかった。ガルデーニアが片足を地面から離したとき、銃でその足下を撃った。不愉快なことに体全体から血が引けていくことがわかった。そして何もしないと言ったことは嘘だったと確信した。


「何もしないんじゃなかったのかよ…」


 愚痴を零すように言ったら動くから悪い。と銃を向けられたまま言われた。そして、光輝は何かを決心したように顔を上げ、丈二海の顔を真っ直ぐみた。


「丈二海さんは、これからどこへ行くんですか?」


「俺は面白いモノに惹かれて行動するからな、これからどこへ行くなんて知らない。ただ、俺は狐たちの行動を見て楽しそうだったからな、これからもなんか起きるんじゃないかと思って出てきただけだ。」


 自由人な丈二海の考えていることは大半が理解できないが、今回は全く理解ができない。


「っちょ…っちょっと待て!俺は兄さんと一緒にまた旅に出るけど、丈二海さんはなんで勝手に俺らについてくる予定になってるんだ?つか、丈二海さん好奇心で仕事辞めてきていいんすか?」


「俺、哉雅じゃないからあそこに永久就職する気ないんだよね、まっ後このとは光輝に任せとけばいい計算だったけど……お前がこっちに来たら意味ねぇよ。」


 だから屋敷に帰ろと光輝をこの場から追っ払おうとする。そして、しばらく経ってから光輝が出した答えは、『NO』だった。


「本当にあんたは自己中すぎますよ…でも、俺は戻らないです。俺は丈二海さんの側にいると一番初めの頃言ったから。」


 そんな口約束…と丈二海は笑うが光輝は真剣に言っていた。そこで一つの疑問がガルデーニアの頭に浮かんだ。光輝はガルデーニアに倉庫で会ったとき『嘉華様は渡さんねぇ。』と、これはガルデーニア的には『俺が嘉華様の側にいて守る』と解釈していたからだ。実際に重い空気の中聞いてみたら光輝は笑って答えた。


「それは、間違ってるな、嘉華様の側には哉雅さんがいるからな……桜様もか、とりあえず、陰ながら支えるって言う意味だ。あの言葉にそんなに深い意味はない。それに、いっちゃぁ悪いが俺は今も昔も丈二海さんの側近だ。」


 最後を格好良く決めたのはいいが、その後に丈二海が冷ややかな目で『俺がいつ側近にした』とガルデーニアに疑問をぶつけていた。そんなこことになっているとは露ほども思っていない光輝は満足した目をしていた。


――何やりきった顔してんだよ…つか、根本的なのは何も解決してないじゃん。


 そう思いつつ言葉に出すとまた違う話になりそうなので心の中で留めておく。


「んで、桜様が言っていた『9112222-444-0』って何のことだ?お前なら解ったんだろ?誰よりも桜様のことを解ってあげられる肉親なんだから?」


 丈二海が銃を懐にしまってガルデーニアに近づきながら聞いてきた。どうやら光輝を屋敷に帰すのを諦めたらしい。


「わかんなくもないけど…俺、まだあんたたちのこと信用してないんだけど。」


 一定の距離を保って会話をするガルデーニアに対して、丈二海は青い目を細めてやれやれと両手を肩まで上げた。


「分かった、どうやって証明すればいい?俺らが哉雅たちと縁を切ったということを。」


 そう言われると少し迷う。犯人だとか信用してないとかいくらでも言うことはできるが、どうすれば信用できるのか…そんなこと考えもしなかった。いや、むしろ聞かれるとはこの時のガルデーニアは思ってもみなかった。


「分かったよ…諦める。とりあえず、携帯とか発信機とか全部出して。」


 地面を指差してガルデーニアは二人に電気機器を全て出させた。


「銃は良いのか?俺や丈二海さんがこれでお前を殺すかもしれないが…?」


「そんなのどうでもいい、殺そうとした時点で俺はあんたらを殺すから。行動に気を付けてね。」


 懐から出した銃をガルデーニアに見せながら聞いてもガルデーニアは特に二人から取り上げよとはしなかった。電気機器一つ一つに一弾ずつ入れ土の中に埋めた。


「念入りだね。さて、これで例の事、教えてくれるんだろ?」


 丈二海が一番興味があったのはその事だった。光輝もその事に着いてガルデーニアを見た。地に足を着いていたガルデーニアは砂を掃いながら立ちあがり二人をトンネルの奥へと連れて行った。一番奥、つまり行き止まりまで行った後、ユックリと話し始めた。ヴィーシニャが言った暗号の事を。


 ガルデーニアがいなくなった屋敷は以上に静かだった。屋敷内に残ったヴィーシニャの周りの警護は以前にまして増えた。脱走などできない様に…どこに行くにしても必ず数人付いてくるという徹底ぶりだ。夜が開け夜中に起こった事が嘘の様に皆普通の業務に戻っていた。そして彼も…


「桜様、嘉華様、登校のお時間です。」


 いつもの様に二人を車に載せて一緒に登校する哉雅、彼はいつも通り、というかいつも以上にピリピリしていた。休み時間には保健室に行き気まずい雰囲気の中十五分を過ごす。学校に提出する書類を作成していた哉雅の仕事を椅子に座って見ているヴィーシニャが気になったのか、ペンを机に置いてヴィーシニャの方へ向き直った。


「何だ?」


「何もありませんよ…ただ、昨晩から息の詰まる護衛を止めてもらえませんか?」


 内心にある疑問とは別の言葉が彼の口から出た。そんなことに驚きながらも言葉を綴って行く。言い終わった後、それだけか?と溜息を短くついた。


「あれはお嬢様の命令だ、俺じゃない。それに、お嬢様はお前に今出て行かれると酷く悲しまれる。」


「僕が他人に命令されて言う事聞くと思ってるんですか?もしそうだとしたら――」


 侵害…そう続けようとしたらいきなり口元を押さえられた。そしてお互いの息がかかる所まで顔を近づけられ一言。


「『来月、同じ場所で』」


 その言葉を聴いて両目を見開く、信じられない。そんなような眼で哉雅を見ていた。


――なんでコイツがその事を…?


 挙動不審になりながらヴィーシニャは哉雅の手から逃れた。そして、信じられない様に聞き返す。


「なんでその事を知ってる…?」


 眼つきが変わって哉雅を睨みつけるヴィーシニャは獣の様だった。その行動で哉雅は自信を持った。『合っていた。』と。背中に冷たい汗が流れおちて行く。息詰った緊張感…息をするのさえ忘れそうなほどだった。そんな二人の仲を予鈴の音が引き裂く。


「さて、雑談はここまでにして、お前は早くクラスに戻れ。お嬢様もお前の事を待っているはずだ。」


 そう言って保健室を追い出されるヴィーシニャが振り返ると何故か暗い顔をしていた。何か言おうと口を開くが戸はそれを憚る様に閉まって哉雅を視界から消してしまう。


――来月…丈二海も来るかな…?


 仕事が手に着かないわけではない。ただ、何をしていても頭に一向に入ってこない。気晴らしにタバコを吸おうと喫煙場所に行こうと廊下に出ると、そこに入るはずの無い人物達がいた。


「おはようございます。哉雅さん。」


「やっ、一時的に会いに来たぜ」


 昨晩、丈二海について行った光輝と丈二海が黒いスーツ姿で現れたのだ。出入り口で止った哉雅はそのまま中へと二人を連れて戻る。


「いまさら、俺に用があるのか?」


 さっきより一層、機嫌が悪そうに聞いてくる哉雅に話しかけたのは光輝だった。どこか緊張した様子で話すがその口調はどんどん速くなるばかりだった。


「んで、お前らは出て行ったのにまた、俺の前に姿を見せるってどんな神経してるんだ?それとも…狐を差し出して戻ってくるか?」


 苛立ちが止らない様で机をペンで何回も叩く。そのペースも段々速くなっていく。


「お、お嬢様に……卒業式までいれなくてすみませんと。」


「俺にお前の伝言係になれと?元上司に向かって良い身分だな。」


「哉雅、何を苛立ってる?」


 部屋に入ってきてから丈二海が初めて口を開いた。哉雅は苛立ちを光輝に当てる様に言葉を綴るが、そんな姿を見て丈二海は訊いた。


――いつもなら自分たちが抜けただけで苛立ちはしない。いつもの彼なら…


 そんな思いと裏腹に哉雅は丈二海を睨みつける。


「俺が苛立ってる?あぁ、そうさ、俺は苛立ってる。お前にも光輝にも狐にもお嬢様達に対して平常心を保たないといけないという事も…全てに苛立ちを感じている。その事をお前に行ったからといって俺の苛立ちは解決されない。それに、お嬢様が望む物は何一つ失わせる訳にはいかない…そんなプレッシャーの中で生きている俺はどこにも休む場所がないんだよ!好き勝手に辞めて、それに着いて行ってそんな自由がきく立場じゃないんだよ!」


 今まで溜っていた苛立ちを吐き捨てる様に哉雅は言った。その顔は苦痛に歪んでいた。今の哉雅の顔には平常心なんてどこにも見当たらない。


「お前が苛立ちを感じていることは狐が…いや、ガルデーニアが未だ屋敷にいたあの時からだろ?その事をガルデーニアに知られてさらにその時の憂鬱感から脱却したいがためにガルデーニアの部屋に行き相談に乗る様な顔をして本来の自分の心から目をそらしてきたんだろ?」


 哉雅の方が有利な立場だったはずが、いつの間にか逆転していた。哉雅と丈二海は似ている、見た目の話ではなく性格の面に関してとても似ていた。この二人の話し合いでは感情を表に出した方が大抵言い負ける。自分がどんなことを言われても平常心を忘れないことが一番だったはず…


「……………そうだ。」


 深呼吸をついてから落ち着いた口調で言う。内心がどれだけ掻き乱されていても表面に出してはいけない。そのことを思い出したように深呼吸をした後、哉雅はいつも通りに戻っていた。


「だが、俺はどんな手を使ってでも桜様をお嬢様から離すわけにはいかないんだ。執着心があまりない嘉華様が必要としている人材だからな。」


 話がまたスタート地点に戻った…そう思ったのは言うまでもない光輝だ。それからも話は発展することもなく同じようなことを何度も何度も繰り返していた。二人の討論が激しすぎて光輝の入るところは全くないまま最終の授業終了チャイムが鳴った。


「丈二海さん、そろそろ…」


「結果的に話が進んだのか戻ったのかわからないままか…」


 そう呟いて席を立って部屋を出て行こうとする二人に『狐に土産だ。』と言わんばかりに一枚のメモを渡した。二人とすれ違いに保健室に来たのは嘉華とヴィーシニャだった。二人は廊下を生徒じゃない教員でもないスーツを着た男が歩いているのを横目で見ながら保健室に入っていった。

 現在三人はあるホテルに住んでいる。リビングにあるソファーの上でノートパソコンを弄っているガルデーニアは哉雅のところから帰ってきた二人を見て無言で片手を差し出す。


「哉雅さんのところへ行ってきたんだろ?土産ちょうだい。」


 まだ二人が何も言っていないのに初めから知っていたように言ってくるガルデーニアにメモを渡す時、不思議がっている顔をしていた光輝にガルデーニアが説明してくれた。


「お前たちの服から兄さんの匂いがした。後、520 SUPREME ウ・ア・リン・シュープリームの匂いがした。これは哉雅さんしか吸わないからな。」


 大好きな兄の匂いはどんなに些細であっても嗅ぎ分ける、まさに獣といってもいい。光輝から受け取った紙に書かれていた文字を見てガルデーニアは無言でソファーから起き上がって寝室に行った。ドアを荒々しく開閉していた態度を見ると相当頭にくることが書かれていたことぐらい二人には分かる。


「何が書かれていたんだ?」


 寝室に行ってもなお、彼の闘争心、殺気は部屋を突き抜けてリビングまで漂ってきた。


『できればお前に桜様を渡したくはない。だが、お前が望むなら返してやってもいい。今晩、例の洞窟に来い。』


 例の洞窟というのは三人が会ったあの未開トンネルのことだ。紙に書かれた文字を見返すようにもう一度眺めるが、文字は姿を変えたり消したりしていない。メモをグシャグシャに丸めてゴミ箱へ投げ捨てる。『気に入らない。』自分から勝手に兄を連れ去ったのに今更望むなら返してやってもいいときた。この分を読むと罠のように思える。だが、ガルデーニアはこの話に乗ってやろうと思った。なぜならそのメモの端に小さな文字で一言書かれてあったものに惹かれたからだ。

 夜、光輝たちにコンビニに行ってくると言い部屋を出て洞窟に向かう。向かっていく途中で目的地に行かせまいと何かされるんじゃないかと思いながら歩いていたが、何事もなく洞窟に着いた。


「来たぜ、哉雅さん。」


 そう言った時、出入り口から数メートル離れたところに立っているガルデーニアに向かって誰かが一発、発砲した。


「何の冗談だ?」


 後ろを振り返り茂みに話しかける。そこから出てきたのは哉雅だった。なぜ発砲したのか、それは彼が貰ったメモが罠だったから。結果的に彼は兄を返そうなどと思っていなかったということになる。


「やっぱり、丈二海や光輝、お前を失ったことはでかいな…完璧に殺気を殺していたのにな」


 笑って出てきたが、彼の目は全く笑っている様な雰囲気を出していなかった。ただ、今の彼から一つ分かることは本気でガルデーニアを殺そうとしていたことぐらいだった。


「んで、俺を呼びつけた理由は?」


 それを聞いて哉雅は驚いたようにお土産貰ってなかったか?と聞き返してきた。


「貰ったよ。何が『お前が望むなら兄を返してやってもいい』だ。今、本気で俺を殺そうとしていたやつからの物じゃねぇよな。」


「でもお前はここに来た。それは興味本位なのか俺を倒して兄を攫っていこうと考えているのか、可能性にかけたのか、ただの馬鹿なのか…」


 ブツブツと考えながらガルデーニアの歩いてくる哉雅の手には未だ拳銃が握られていた。


「俺は兄さんより物わかりはいい方だと思っていたんだけど?」


 苦笑しながら話について行こうとするが、やはり顔が引きつっている感覚があった。哉雅は小声でガルデーニアに『俺の本心だ。』と唐突に言ってきた。


「本心ならなぜ撃ってきたんだ?という疑問が残るが…哉雅さんのことだからどうせ苛ついていたことを指摘されたからその憂さ晴らしと勝手に解釈させてもらうぜ。後、兄さんは本当に返してもらえるのか、答えてくれ。」


 真剣な眼差しでまっすぐ目の前に立っている哉雅に問うた。哉雅はガルデーニアの言ったことが合っていたためか、苦い顔をし、てそうだ。と重そうに一言言った。


「それはいつ?俺はいつ兄さんを返してもらえるんだ?」


 結果を急ぐガルデーニアを制止させ、少し落ち着かせる。


「まず、今年一年はダメだ。」


「一年も…?何でだ?俺が望むなら返してくれると書いてあった。」


「お前と違って学校の卒業式があるんだ。それが約一年後、お前も兄の晴れ姿一回ぐらい許してやれ。」


 シュプリームに火を付け深く吸い込む。哉雅が吐いた白い煙が藍色の空に消えていく。それを眺めながら哉雅の言っていることに同意するか拒否するか、きっと拒否した場合、兄は一生自分の元へ帰ってこない…そう思って小さく頷く。


「密約成立だな。お前は来月の約束の日以降しばらく日本を離れろ、丈二海が偽造パスポートを手に入れてくれる。来年の三月二日に桜様…ヴィーシニャを迎えにこい。お嬢様のことは俺が何とかするから。」


 今まで否定されて一緒にいることさえ許されなかった見えない壁は一人では越えられない。目に見える所にいるのに手が届かない事はずっとあった。だが、やっと手が届く…今まで過ごしてきた一年はとても長かった。所在不明な兄、目の前にいるのに手が届かなかった日々に比べたら哉雅の言った一年はそれほど長く感じなかった。哉雅が懐から二枚の薄い紙を取り出し手頃な意石を見つけその上で何か書き始めた。


「お前はに裏切られたとか言われて命を狙われるのはいやだからな。密約書×二だ。」


 文面は全く同じで間接に書かれている。


「『密約書 来年の三月二日にガルデーニアに私、哉雅は兄、ヴィーシニャを無傷で返します。』っと、これでいいか?」


 普通の契約書とかとは違い即席だったからこれが精一杯みたいに言う哉雅は朱肉をばっちり持ってきて一番下の自分の名前の横に拇印を押した。それからペンと朱肉をガルデーニアに渡し同じ事をするように言った。そして、完成した物の一枚ずつ持ってそこから離れた。

 ホテルに帰ったガルデーニアを待っていたのは彼のことを心配して起きていてくれた丈二海たちだった。


「どこへ行ってたの?」


「コンビニ」


「どこの?」


「近所」


 淡々と問われてくることに答えるガルデーニアは出て行った時よりも機嫌がよかった。


「嘘が下手だな…どうせ哉雅さんと会ってたんだろ?んで、収穫は?」


 昔から嘘を付くことが得意だっはずなのになぜか光輝たちには通用しない。ガルデーニアは詳しいことは言わず、ヴィーシニャが一年後に帰ってくる事と一ヶ月後の約束の日以降日本を離れる事を伝えた。光輝は納得できないような顔をしていたが丈二海はすぐにパスポートの準備に取りかかってくれた。


「じゃあ、俺は寝る。」


 そのままの足取りで寝室に戻りなくさないように密約書を鞄の中に入れた。

 哉雅は少しすっきりした様子でその後の雑務、業務などはすべて頭の中に入っていっていた。そんなバリバリ仕事をしている哉雅に寝間着のまま扉に寄りかかって立っている嘉華は聞いたなぜそこまで機嫌がいいのかと。そしたら手を休め、ガルデーニアと交わした約束を話した。


「お嬢様、来年の三月二日に桜様を狐の元へ返す約束をしてきました。」


 哉雅は勝手に約束してしまって嘉華は激怒すると思い身構えるが、嘉華は別に良いよ。と軽く言ったのだ。


「本当にそれでいいんですか?」


「とりあえず、私と桜は一緒に卒業できるのよね?なら問題はないわ。」


 そういうと嘉華は欠伸をしながら自室に戻って行った。哉雅はそれから少し手を休めてさっきの嘉華の表情を思い出していた。ほんの少し前の事だったがずいぶん昔の事を思い出している気分になった。それは、昔みたいに何にも執着をしないで日々を過ごしていた時の彼女の顔に似ていたからだ。ユックリ息を吸って吐く、そして再び紙に向かってペンを走らせる。早く終わらせて彼女の所へ行かないといけない気がしたから…


「………でね、ガルデーニアはその時なんて言ったと思いますか?『眠い』ですよ?大勢の敵を目の前にして後ろにいる僕にそう言ってきたんです。」


 輝かしい小さな子供が今日一日であった珍しい発見を親に友人に話す様な笑顔でヴィーシニャは嘉華の部屋で弟の話をしていた。


「……ねぇ、桜さ、髪の毛切らないの?一年その髪切ってないじゃん。」


 唐突に言われたことに驚きながら腰まで伸びた自分の髪を触ってみる。すると、自然と顔がさっきとは違った笑顔を嘉華に見せた。柔らかく、綺麗な笑顔だった。


「良いんです。僕は髪を切らなくても、それにしてもどうしました急に?」


 首を傾げ嘉華を見てくるヴィーシニャはどこかガルデーニアに似ている感じがした。いや、双子だから当たり前なのだが、髪の毛の長さが一年前の彼と同じぐらいになったせいだろうか…感覚に違和感を感じるまで似ている。そこにいるのは『ヴィーシニャ』でなくて『ガルデーニア』が変装している様な気がしてならなかった。


「何でもないわ。桜にはショートが似合うと思っただけよ…昔みたいに…」


 寂しそうな表情を浮べる嘉華はヴィーシニャから見たらどう見えるだろうか…昔といっても『たった一年』か『もう一年』と思う感覚、一人として全く同じに考える人はいない。結果が同じでも経緯は違う。この場合、ヴィーシニャは嘉華の事がガルデーニアに一瞬見えた。元気がない時するとても悲しそうな表情。だからつい、頭に優しく手を乗せてユックリ撫でてあげる。


「なっ…何よ!」


 顔を真っ赤にして固まる嘉華はとても可愛くてつい笑ってしまった。一年間一緒にいたのに自分がこんなに優しく、ガルデーニアの事以外で笑った事があっただろうか?と一瞬頭をよぎる。


「ん…なんとなく…かな?僕、そろそろ寝るね。お休み。」


 そういうとヴィーシニャは部屋を出て行った。その胸には弟に言ったあの言葉が渦を巻いていた。


――来月…哉雅さんに知られたからにはきっと簡単には出ていけない…


 頭の中ではすでに来月の事を考えていた。弟とまた一緒に旅ができる時を夢見て…

 翌月、主のいない寂しいヴィーシニャの部屋の窓に侵入した黒い人影は、事前に用意したであろう封筒を一通机の上へ置き、誰にも気づかれず出て行った。部屋に帰ったヴィーシニャは当然その封筒を見つけて中身を見るだろう。そして同封してある小さな手紙を読み終わった後、涙目で哉雅に掴みかかりに書斎に向かった。


「哉雅!お前!」


 胸ぐらを掴んだヴィーシニャは速やかに後をついてきた彼の部下達に取り押さえられることとなる。哉雅は少し乱れた服を整えながら床に寝ているヴィーシニャを起き上がらせ、部下達を下がらせた。


「どうした?」


 とくに何でもない顔で平然と言ってくるその口調が嫌いだった。机に部屋で見つけた封筒を叩きつけて睨む。哉雅は不思議がってその封筒の中身を見るとそこにはいつぞかのガルデーニアと合った時の写真が入っていた。


――丈二海か…いや、だが、それにしては…


 頭の中で犯人を割り出そうとやりそうな人物をリストアップしていく。写真を見たまま固まっている哉雅に今度は同封されていた紙を一枚投げつける。


「これはなんだ!僕の…俺のガルデーニアが!」


 紙には脅迫めいた事がズラッと綴られていた。ワープロで打ったのだろうか、指紋はない、こんな推理めいた事を哉雅は真面目にやっていた。自分の汚名を拭う為だとヴィーシニャは思ったが、哉雅は嘉華に及ぶ被害の方が心配だった。


「よし、心当たりがある、聞いといてやる。それと、今日狐はこの屋敷に来ない。」


 おそれだけ言うと自分の書斎にヴィーシニャを一人だけ残して部屋を出て行った。

 後に、写真を撮った犯人は哉雅の手によって口止めした。そして、あの日から数カ月経った今でも、ガルデーニアがヴィーシニャの目の前に現れることはなかった。


 そして、月日は残酷なまでに過ぎて行った。卒業式当日、無事式典が終わり、三人が屋敷に帰ろうと校門に向かって歩いていると見た事のある髪型で、見た事のある顔が門に寄りかかり待っていた。


「ガル…デーニア…?」


 何度か裏切られた様に思ったことは忘れ、今、目の前にいる人物の正体が知りたくて小走りで相手に向かっていく。そして、距離が近づいて行くにしたがって確信に変わっていった。


「ガルデーニア…」


 ずっと呼びたかった名前。やっと呼べた…その嬉しさのあまり涙が眼から落ちそうになる。卒業証書を握りしめて抱きつこうとジャンプする。


「兄さん…」


 首を絞められほどのハグをガルデーニアは素直に受け取った。そして、そのまま頭を昔の様に撫でる。


「ヴィーシニャ…」


 優しくて自分がこの世で一番愛している人の名前を呼ぶ…卒業するまで呼べなかった。それに、日本を離れる前の約束を果たせなかったという罪悪感と感激が一気に立ち込めてきた。


「丈二海…わざわざ学校に来るやつがいるか…」


「三年間お疲れ、俺らのホテルに来て飲もうぜ。」


 そう言って手に持っている一本のボトルを哉雅に見える様に上へあげる。哉雅は嘉華が学校にいる三年間だけの契約で教員をしていた。その三年間を終えた彼は退職という名の任務を完了した。その祝い酒というわけだ。哉雅はそれも悪くないなと鼻で笑った。嘉華はそんな哉雅の後をユックリついて行く。少し残念そうに顔を暗くしている嘉華の元へ綺麗な花が届けられた。顔を上げると光輝が花を持て地面に膝をついて座っていた。


「お久しぶりです…その…よろしかったら…どうぞ。」


「卒業祝いとして受け取ってあげるわ。でも、勝手に私の元から離れた事を許したわけじゃないわよ?」


 そう怒りながらも嬉しそうに花の匂いを嗅ぐ。哉雅は先に行っててくれと言って一旦別れた。

 ガルデーニア達が夜遅くまで飲み、騒いでいる中盤に、嘉華は何か決心したようにどこかへ電話をかけた。


「お父様?嘉華です。大学への進学、止めておきます。それと、私は長旅に出ようと思います。」


『……そうか、お前には私の会社を継いでもらいたかったんだが…』


「お父様の忠実な娘、息子がいるじゃありませんか、私はそのできそこないです。」


『そんなわけはない、お前は一番できた娘だよ……旅に疲れたら帰っておいで、部屋とかそのままにしといてあげるから。愛してるよ。』


 今までそんなに話した事がない父。いつも仕事ばかりで一番下の嘉華に対して目もくれてなかった様に思えて仕方がなかった。だが、好き勝手にやっていた嘉華に向かって『愛してる』と言ってくれた。それだけでも満足だった。電話を切る少し前に『ありがとう、お父さん』と一言言った。 


 受話器を持ったまま椅子に腰かけている嘉華の父は目の前に立っている人物にこれでいいのか?と聞いたら一礼してその人は部屋から出て行ってしまった。


「本当に一番できた娘だったよ…私に意見できる部下を育てたのだから…」


 廊下を早足で歩いている男に出会った使用人たちは皆言い寄ってきた。


「哉雅様、光輝たちもお辞めになるんですか?」


「なんで知って……聞いてきたのか…?」


 屋敷内の使用人達は嘉華や丈二海、光輝の教育の結晶だ。盗聴など遊び半分でしかけることなどよくやるだろう。それに、ずっと姿を見せない丈二海達の事を不審がって至る所にカメラや盗聴器を仕組んでいるだろう。そう考えると、嘉華の父に話したことを知っていることは全く不思議ではなかった。


「あぁ、俺は今日でここを辞める。丈二海も光輝もだ。俺らはお嬢様について行く。」


 そう言ったら周りからもついて行きます。という声が多数挙がってきたが、哉雅は気持ちだけ貰っておく。といって人込みを掻き分けて前に進む。最後に思い出したように足を止める。


「嘉華様はまたいつか分からないが…ここに帰ってくるからその時にお前達がいなかったらお嬢様は悲しむな…」


 一言そう言って屋敷を後にした。丈二海に聞いたホテルへ行くと部屋の中ではドンチャン騒ぎが巻き起こっていた。


「哉雅…」


 何故かソファーで一人酔い潰れている丈二海が哉雅の訪問に気付き話しかける。哉雅は丈二海の側へ行き事態の説明を受けようとした。特に、未成年確定の嘉華が片手にビールを持っている点について詳しく。


「最初はユックリワインとか飲んでたんだが…嘉華様がジュースと間違えてワインを飲んだんだ…それから光輝に酒を買いに行かせたりがぶ飲みしたり…知らない内にガルデーニア達は二人していないし…俺だけじゃもう…無理……」


 部屋を見渡すと確かにガルデーニア達がいなかった。玄関に戻ってみると靴が無かったから騒ぎに紛れて外へ出かけたらしい。哉雅はとりあえず、丈二海を適当な部屋へ運び布団の中で寝かせる。そして、アルコールが廻って日本語らしい日本語を話していない二人を捕まえて椅子に座らせる。


「お嬢様、これ以上アルコールを摂取しないでくださいね。光輝、見張ってろよ?」


 そう言うと哉雅はリビングを出て行った。哉雅の喝で酔いが醒めた光輝は慌ててその後を追う、そして靴を履いている哉雅に向かってどこへ?と聞くと、少々機嫌悪く二人を探しに行く。と返された。


 夜の町並みは綺麗で久々の日本を堪能しているガルデーニア、その姿を後ろから眺めていると未だ、日本に来たばかりのころを思い出す。


「ヴィーシニャ、楽しくない?」


 自分ばかりが楽しんでいる様な気がして心配になったガルデーニアがヴィーシニャの前に来て顔を覗き込む。ヴィーシニャはそんなことないと首を左右に振る。


「だって、ヴィーシニャ、なんか…」


「僕は、嬉しいの。ガルデーニア、一ヶ月後の約束、守らなかったからね。」


 そこを言われると今度はガルデーニアの顔が曇る。でも、と話を続ける。


「僕ね、それでも待った。例えガルデーニアが僕の知らない所で哉雅さんとあっていたとしてもね?……それに、僕はもうどこにも行かないよ。」


 安心させる様な言葉、自分が先に言ってやろうと思っていたのに先を越された…と思いながら目から出てくる涙を我慢しながら笑顔をつくる。


「帰ろうか、兄さん。そろそろ哉雅さんが帰ってくる頃だ。」


 二人が離れない様に繋いだ手はこれからもずっとその手を握っているだろう。そう陰で思った哉雅は、ユックリと来た道を帰っていった。


――二人はほっといてもじき帰ってくるか、さて…俺も帰るか。部屋の片づけが残っている。


 哉雅はホテルに着いてから光輝と一緒に部屋を片付け、終わった頃に二人が帰宅、朝方二日酔いの丈二海が起きて昼時に頭を抱えた嘉華が起きた。そして落ち着いた頃にこれからの行き先を決めるため、六人はリビングに集まり話し合いを始めた。


「んで、今度はどこへ行きたいの?」


「今まで半分以上廻っちゃったからね…」


「下手なところより一回行ったところにもう一回足を延ばすのも良いと思うぞ?」


 そんな提案をしたのは光輝だった。だが、それにはヴィーシニャが反対した。


「お忘れですか?僕たちは指名手配されているんですよ?」


「すみません桜様…」


 そう言って下がろうとするが、ガルデーニアは機嫌悪く、光輝に言った。


「兄さんの名前はそんなんじゃない。ヴィーシニャ。桜なんてお嬢様が勝手に付けたのだろ?ヴィーシニャも俺も関係なくなったんだから間違えないでよね!」


 彼の周りにいる人は今の彼をどう思っただろうか、顔を真っ赤にして笑うったり笑いを堪えて見悶えたり、様々だった。


「なっ…なんだよ!何がおかしいんだよ!」


「ガルデーニア、お前、嫉妬というか…何というか…ッククク」


「ガルデーニア……」


 哉雅までも笑ってしまった。ヴィーシニャにいたっては、顔を赤くして俯いて立ちあがったガルデーニアの服の裾を下に引っ張っていた。そうした中、理解したようにその場に腰を下ろす。珍しく子供みたいにムキになってしまった自分、今まで見せた事の無かったガルデーニアの一面が皆には受けたらしい。そして、それに気が付いた当の本人は顔を林檎みたいに真っ赤にして叫ぶ。


「わっ…笑うなー!」


始めてあとがきなる物を書かせてもらいます。

どうだったでしょうか?ガルデーニアとヴィーシニャの話は?

思いつきの話は山ほどありますが、完結させたのは数えるほど…

また他のモノも読んでくださると幸いです。

コメントなど、してくれれば本人はとても喜びます。

指摘など改善点でもかまいません。次回それを改善できるように制作に励んでいこうと思います。


なんだか固い文面になってしまいましたが…

慣れるときっと簡説文になりかねないので、今回はこれにて失礼させてもらいます。

読んでくださり、ありがとうございました。


土鎖 乃碌

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