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『#3 昨日の今日』・『#4 未来の指標の欠如』
『#3 昨日の今日』
朝起きると、積み木の家と、二冊の絵本が等間隔で置かれてる。
そして昨日、建国したての、幼い王女の背中。
「花音、おはよう」
「おはよう……」
姫は、家臣のテディベアと一緒に振り向くと、ぎこちない笑顔でこの土地の先住者にそう言った。
「うーん、立派な王国が出来たね」
「うん」
姫は小さく頷いた。
◇◇◇◇◇
『#4 未来の指標の欠如』
花音が、額に汗をかいて眠っている。
少しだけ悩み、クーラーの温度を1度低くしてみる。
出会いの日から、 母からの便りは途絶えている。 久しぶりの危なっかしい子育てに考慮しての事だろうか?
けれど、この子は誰なんだ?
対応に困り、清浄な青空と、以前と変わらない街並みを眺める。
今日も世界は正常。
見ていただきありがとうございます。
またどこかで!