表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

終わりのうた

作者: 秋葉竹


  


とある休日

ひとり

グランドを走りつづけた少女は

急に立ち止まると

雲ひとつない青空をみあげました


そこには空しかみえなかったけれど

しあわせのすべてがみえた気がしたのです


近くの赤い屋根の洋館から

ショパンの別れの曲なんか

流れて来るものですから

なんだかつまらない悲しみに触れた気がして

少女は立ち止まってしまったんでしょう


悲しみは

あとからあとから降って

少女のちいさな唇に

やさしいキスをしたんです

そして

空をみあげる輝く瞳にも

悲しみはたえまなく降り落ちつづけたのです


すべてを諦めてしまったのは

すこし過去のことなのです

いまはもういちばん好きな空気を

その身に纏っているのです


まるで

じっとしていることが

なにかの魔法でもあるかのように

影を縫われた少女は

しずかに息をしているのです


それは不可思議な静止画でした


そしてそこに爽やかな風が吹き

やがて少女をのぞく一切の世界が

ゆるやかにゆるやかに

まわりはじめるのです

それですべてが終わるのだと

はっきりと知っている少女は

瞳に溜まった悲しみをこぼさないように

夢のようににこりと笑っているのです







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 引き込まれました。 この詩、好きです。
2024/06/05 20:21 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ