幕間2:アルカナ級(クラス)探索者
遅れたおまけの幕間です。
伝説を見た。
迷宮活性化状態で強力なモンスターが溢れていたのを秒殺している探索者を。
モンスター達の間を通り過ぎた後、何もなくなっていたのだ。
逃げ遅れた一般人の俺は死を覚悟していたのだ。
なのに、あの探索者は絶望をひっくり返していた。
「はー、弱すぎ!相手にならねぇわ!じゃ、どんどん処理していくか!!」
そう言って二本の刀を携えたあの探索者は万を超えるモンスター達を処理していくのだ。
他の人や街へ被害が出る前にどんどん処理していき、気づけば溢れかえっていたモンスター達は消えていた。
「あ、ありがとうございます!!」
「あっ?気にすんな、これが俺の仕事だよ。さぁて、俺も迷宮を潰しに行くか!!」
あの探索者はコトバを残して立ち去っていった。
後で聞いた話だが、彼はアルカナ級の探索者だと知ったのだ。
「というのが、俺が見た伝説さ。」
「おいおい、宿屋のおっちゃん!!アルカナ級の探索者なんて普通は見れねぇぜ!嘘はいけねぇよ!」
「いつ見たのさ?」
「あれは20年前くらいだったかなぁ。」
宿屋の食堂で主人と探索者達はアルカナ級探索者について夜が明けるまで語り合うのであった。




