探索者:新人級探索者(ニュービー)
一般的な探索者の視点の話です。
愚者の迷宮 1F
剣士は歩いていた。
パーティは剣士、魔法使い、盗賊、※重盾士の四人でやっている。
※重盾士…ヘイトを集め、敵の攻撃を受けて、他のパーティの攻撃を通し易くするための職。
ただ、防御だけではなく普通に攻撃も出来る。
火力は低いがヘイトを集めたり、スタンさせたり、吹き飛ばしたりと出来ることが多い。
更には初期スキルには回復とダメージ軽減スキルがパッシブであるので持久戦には非常に強く、割と組んでるパーティーは多くいる。
「初めての迷宮だけど、行けるかな?」
そう言うのは剣士の男、ハルトである。
「ビビるではない、我がいるので安心してくれ。」
重盾士の男、ドーガが言う。
「いや、お前も初めてだろ。」
「講習は受けたんだ、無理というとことはあるまい。」
「そうだよ、皆でがんばろー」
楽観的に言うのは盗賊の女、フーシである。
「私もできると思う。引き際さえ見極めれば悪いことは少ないと思う。」
魔法使いの女、アナも便乗する。
「わかったぜ、皆で頑張ろう!」
そういった直後、アンデッドのグールが現れる。
「グールが2体いるぞ!ドーガ、頼む!」
「おう!シールドアサルト!」
2体いる方向に盾を構えて、突撃して激突する。
すると、2体とも倒れ隙を晒したのだ。
「俺とフーシで前へ攻めるぞ!アナは魔法で攻撃だ!」
「「了解!」」
ハルトとフーシは各一体ずつを切りつけ、そしてアナはホーリー(光魔法)を放ち、討伐したのだ。
「良し、勝ったな!」
アイテムが計8個落ちた。
「全部、ロングソードみたいだぞ。」
「マジかぁ、金にはなるだろうけど運がなさすぎだろう。」
「ん、待って何か一本だけ何か効果がついてるみたい」
「我が確認しよう。」
愚者のロングソード
ATK+9
スキル:愚者
愚者:与えるダメージが-30%ダウンする。
代わりに、敵に攻撃を当てるごとにHPが3%回復し、
更にDEFかMNDかが当てるたびに3%上がる。
戦闘終了後にDEFとMNDの上昇分はなくなる。
「な、なんだこれは!?我に合う装備じゃないか!?」
「どんな効果だ!?」
ドーガが全員に効果を共有した。
「なるほど、ならお前が使えよ。元々、お前の役目はヘイトを集めだ。ヘイトを取りながら固くなるのは強い。先に進めば進むほど火力が取りにくくなっても、この効果はむしろ活きる。なかなかいいじゃんか。」
「みんな、いいのか?ユニークスキル付きだから売れば」
「ドーガ!これがあれば皆をもっと守れるでしょ!だから売るより先を考えたら絶対使ったほうがいいよ!」
とフーシがフォローする。
「あ、ありがとう。大切にする。」
探索者達は更に奥へと進んでいった。




