幕間1:殲滅のヴォーレン
幕間は本編の主人公以外の視点となります。
不評ならやめるかもしれません。
試しでやってます。
ブラックミノタウルスが出るとは。
他の探索者から要請が来たときは驚いた。
この街の近くの迷宮はレアモンスター報告が少ないところで、しかも浅い層でレアモンスターが出るというのはなかなかやばい予感がするぞ。
「いやーヴォーレンさん流石っすね。殲滅のヴォーレンって呼ばれるのは伊達じゃないっすね。」
「ふん、あの程度のモンスターで苦戦するわけなかろうよ。俺のLvは50を超えてて、アサルトランサーの俺に敗北などありえん。それにお前もなかなか強いだろう、迅雷のレーズン。」
「いやーどうだろうなー俺は手数と速度でやってるんで、ヴォーレンさんほどの火力は出ないっすよ。」
「抜かせ、精鋭級探索者がそんなわけなかろう。とはいえ、今回は俺達が呼ばれたのはこのあと何かあるからかもな。」
「と言いますと?」
「わからんが、この街の迷宮で何か起きるからかとしれん。」
「何が起きるんですか?」
「迷宮活性化状態があるのかもしれん。」
レーズンは先程からニヤニヤした笑顔が消え、真面目な顔になる。
「それは直感ですか?」
「あぁ、そうだ。これを疑ったことはない。探索者なら直感は重要だってわかるだろ?」
「違いない。どれいくらい滞在するんですか?」
「ずっとこの街に常にいるわけではないが、他の近くの街や迷宮で2ヶ月ほどいる。迷宮活性化は災害であり、稼ぎ時だ。しかも、雑魚とはいえ迷宮の主とも戦えるだろう。素材又はドロップも悪くはないはずだ。」
「でも、もっとレベルが高い迷宮のほうが稼げるのでは?」
「まぁ、この街には思い入れもあるんだ。だからさ。」
「なるほど、なら俺もいますよ、ヴォーレンがいくら強くても全部は捌けないでしょ。でも俺なら火力は負けててもアンタ以上に数は捌けるんでね。」
「そうか、そうしてくれるならありがたい。」
ヴォーレンは頭を下げ、レーズンに礼を言う。
そして、一ヶ月後と一週間を過ぎた後にまさかあの出来事が起きるとは多くのものは予想できてなかったという。