大規模探索-終-
きょうのこうしんはおしまい!
俺は開幕、先制攻撃を仕掛ける。
「ダブルマジック!ファイアブリザード!リベレイトセイバー!」
炎と氷の嵐が二つ現れて相手へと高速で向かっていく。
更にオーラを纏い、剣から強烈な衝撃波を放つ。
「ほう…スキルと魔法を用いるか。ん?」
相手は気づけば胸に何か刺さっていた。
「すまんな、攻撃に混ぜて投げナイフをやらせてもらった。」
「そうか…剣を振ったときにナイフを放ったか。」
刹那、ナイフが刺さっていた場所が爆発した。
更にそこへ先程の魔法と衝撃波が直撃している。
「音もなく視認し辛い※ステルスナイフに爆破効果を付けた爆殺用のナイフをやらせてもらった!悪いな!」
※ステルスナイフ…ナイフ自体は投げた時の音がせず、ナイス自体が視認しづらくなる効果が付与されているもの。
爆発後、煙からは特に変化のない姿が現れる。
それは想定済みで、こちらは相手が爆発してる間に罠と罠魔法を仕掛けている。
「ふむ…何か仕掛けているなぁ。実に不愉快、不愉快。だが、実に見てて愚かで可愛らしい。」
「光栄だよ。お前みたいな強者ににそう言ってもらえるとね!前へと進めない!」
前へと進めない…前へと進もうとすると体が後退してしまう魔法。対処法は後ろへ下がろうとすると前へ進むので慣れるとどうにか出来る。
しかし、モンスター系はこれがよく効く。
「ふむ、何も変化がない…?」
そんなことを言ってる間に俺は身体強化魔法を使い、全速力で逃げた。
足止めを罠や魔法で仕掛けているので、前のフロアへと行き敵の魔法効果を打ち消せばこちらの勝ちだ。
転移系妨害·封印系はフロア移動で解除されるためだ。
高速で前へとのフロア移動行けそうな所まで来て、あと少しというタイミングだった。
「うーん、予測は出来ていたので…こちらで待たせていただきました。」
相手はニコニコと笑顔で待っていたのだ。
なぜ…あの罠から抜け出せたのか!?
「ふむ…残念ながらあの程度なら数秒で魔法も罠も解除させていただきました。残念でしたねぇ…」
「嘘だろ…」
「いい…実にいい表情だ。」
ケタケタと笑い、こちらが絶望しているのを楽しんでいるのだ。
これが大迷宮の化け物なのか。
どうやら、詰めが甘すぎたようだった。
そして、ニルヴァーナが迷宮がその日帰ることはなかった。
大規模探索はすぐに中止になったのであった。