【1日PV1000記念】有馬大成という人間その2(番外編
記念パピコというやつですね(本編更新分ではないです。
俺は昏き迷宮のの世界に来る前はそこまで楽しいと思える人生ではなかった。
いや、昏き迷宮の探索者というゲームがやる前か。
友達がいなかったわけではないし、クラスでのカーストが低いわけではもなく、劣等感に苛まれていたわけでもない。
虐められてもいないのに人生というのは物凄く退屈であった。
人生であるイベント「運動会」「合唱コンクール」「告白」「修学旅行」「友達との付き合い」「デート」「趣味に関するイベント」などたくさんあった。
どれもつまらなかったわけではない。
しかしながら、どこかそれに対して心の底から楽しいとは思えるほどではなかった。
誰かを本当に好きになったことはあるようでない。
かと言って友達と遊んでて楽しいが、ずっと遊んでいたいとは思えるほどではない。
表面上で取り繕ってお互いに楽しいと思える環境に無理やりにしていたのではないかとすら思える。
そんなことを思いながら自分は生きていた。
そう、死んではいないけどただ生きていた。
死にたくはないけど、どうしても生きていたいとは思えないほどに。
けれど、昏き迷宮の探索者がそれを変えた。
たかがゲームだと思って始めたものだった。
けれど、それは奥が深くまるで誰かの世界観を凝縮し、そこへ落とし込んだような設定や世界観。
粗がないかといえばそんなことはなく普通にある。
だけど、製作者はそれも楽しみだと言い切っていた。
粗が完璧にないものは面白いものではないと。
ゲームでチート行為による強化というのは面白みはない。
しかし、バグというのは公式が予期せぬ出来事が事象として起こるもの。
これは誰にでも出来たり、またそれを利用した遊び方があると思えれば楽しいものだ。
もちろん、ストーリーや迷宮が出来なくなるといったバグはダメだが、人というのは自分に利益のあるバグは良いものとして認識するのだ。
仮に報告してもゲームバランスが著しく崩壊するものでなければ運営はほっとくのだ。
バグとは甘美なものであり、辛辣なものでもあるのだ。
俺は全てにハマっていた。
ゲームシステム、バグ、ストーリー、操作性、環境全てを愛していた。
そして、俺はその世界に今いるのだ。