夢
難しいダンジョンや迷宮とか何かレベル上げてから行くことってよくあるよね。
迷宮クリア後はレベル上げの為の周回が始まったのだ。
レベル上げて難関の大迷宮に挑むのが効率が良い。
なので、俺達の精神が壊れない程度に5〜6周回ほどした。
3周以上からはあんまり覚えてない。
ただ、無心にやっていたため回数が正確ではない。
ゲームだと意外に30〜40周ぐらい余裕だが、やはり生身の体だとけっこうきつい。
周回終えてからは宿でぐっすり眠った。
しかし、夢をみた。
それはいつものように忘れてしまうような夢ではなく、忘れられない夢であった。
「やぁ、今回は君か。」
その夢の世界では見たことある姿のやつだった。
そいつは昏き地下洞窟の主である。
「お前はどうして俺の夢の世界に…?」
「あぁ、君が異世界からの来訪者だからさ。」
俺の素性がバレている…?
「何故それを…」
「わかるさ、僕は大迷宮の主だ。神ではないが、それに近い存在。君みたいな存在は何度も見てきたし、何度も倒してきた。君はどうだ?」
「俺か…まぁ、とりあえず大迷宮の最下層までは行きたいよな。」
「倒すことが目的じゃないのかい?」
「本来ならそうなんだが、何か俺の知る昏き地下洞窟の主じゃないから話ができそうかなって。この空間…いや、夢で話し合うんじゃなく直接話してみたいしな。」
「ほうほう、それはなかなか興味深い。なら、おいでよ、最下層まで。話してみてそこで戦うかどうか決めようじゃあないか。」
大迷宮の主はニコリと笑う。
そう、まるで獲物を狙うな瞳で。




