また霊体へ
気が付けば、また霊体へとなっていた。
正直な話、こうなるのは予想はしていた。
勝てるとは思ってはいなかったけど、なんとか生き残れる可能性を探っていたが、死んでしまうとは情けない。
そして、先程の現場まで霊体のまま向かうと、他の探索者がブラックミノタウルスと戦闘している。
そこにはワークスもいた。
「ブラックミノタウルスはちょっとだるいが、こいつでぶっ殺すか。」
槍を持った探索者は低姿勢になり、凄まじい速度でブラックミノタウルスを貫いた。
そして、ブラックミノタウルスは見事に討伐された。
「しかし、レアモンスターが出るなんて珍しいな。」
「なぜだろうな…」
とそこで複数の探索者達が会話が始まっていた。
槍を持った男の使ったジョブスキルはランサーの「ストライクノヴァ」というスキルだ。
レベルが30は行かないと覚えないスキルだ。
ステータスを見ようとしたが、霊体だと自分以外のステータスを見ることを出来ない仕様みたいだ。
俺はまたやることがないため、ジョブスキルの訓練を始めた。
すると、他の霊体の探索者が来た。
「おっ、仲間じゃん。」
「ん?仲間がいたか。」
「いやーアンタ、運が悪かったな。見たぜ、ブラックミノタウルスと戦ったんだろ?見た感じ、新人探索者なのによく頑張ったな。」
「そういうアンタはどうしてここへ?」
「俺は地下二階(B2F)でリザードマンに囲まれてやられたんだよ。」
「リザードマンに囲まれたらきついなそれは。」
「わかるのか?」
「まぁな。」
自分の事情を説明した。
「なるほど、まぁ言いたいことはなんとなくは理解した。なら、もしこの迷宮がクリアされたら一緒に組もうぜ!俺はモーゼってんだ。職業は魔法剣士だ。」
「魔法剣士か、パーティー組んでたのか?」
「いやさぁ、単独でやってたんだ。どーも普段から仲間と組もうと思っても※魔法剣士だとあんまり組んで貰えねぇんだよ。わかるだろ?お前なら。」
※魔法剣士…剣術、魔法共に高水準で使えるクラス。器用貧乏職に勘違いされるが、そんなことはなく、かなり強クラスでもある。
「魔法剣士は弱くはないが、魔法も剣術も使えるから近距離か中距離かいい加減な感じになるから剣なら剣士系か魔法なら魔法使い系をって感じで特化タイプを入れたいからなー火力がいい加減な感じに思われるんだよな。そんなことはないのにな。」
「そうなんだよ。魔法剣士は優秀なクラスなんだよ。なのに理解されなくてさー」
「まぁ、優秀なクラスでも一人だときついよな。」
「迷宮は一人だときつい仕様だからな〜」
そんな感じで会話も弾み、談義も長時間に行われた。




