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『スペース・水曜スペシャル!! 河口宏美探検隊シリーズ! 辺境惑星バラゾックに魅惑の原始人『ヤラナイカー』を見た!!』

 ……呼ばれてないのに、1年と1ヶ月ぶりに帰ってきました……。

 暇潰しにお付き合いください。


 

 大狂授アビスが何処かに連絡をしてから2週間後……所はデタロン帝国の国立研究所の1室。

 いたる所に用途不明の機械群が鎮座しているその場所は『デタロン帝国兵器研究所』の1室、『バルティス』の数少ない友人であり、天才科学者と名高い変人『クルーゾー・トチクルー』のラボである。


 ……クルーゾーは夜の休憩時間に夕飯の『スペース・バケツヌードル』片手にテレビを視るのが決められたルーティーンワークである。


 『……』


 分厚いレンズの魔機能眼鏡(多機能眼鏡を魔改造したワンオフ眼鏡である)から表情は読み取れないが、楽しげな雰囲気である。


 ……テレビから映し出される映像は豪快な冒険心を掻き立てるBGMと共に映し出される『河口宏美探検隊シリーズ! 辺境惑星バラゾックに魅惑の原始人『ヤラナイカー』を見た!!』のテロップが映し出される。


 ……黙々とテレビを視ながら、スペース・バケツヌードルを啜るクルーゾー。


 モニターの向こうはトロピカルな南国に探検隊ルックの女性レポーターが映っていた。


 「皆さん、こんばんは〜!! みんなのアイドル水城アビィよ!! 

 今回はこの田舎惑星『バラゾック』に謎の原始人を見たと言う情報があったので探しに来ました!!

 それではしゅっぱー「待てぃ!!」つ!!」


 出発しようとするレポーターのアビィを止めたのはタイトルにもなっている探検隊隊長の河口宏美だった。


 「何勝手に出かけようとするのよアンタは?!

 まだ、探検隊メンバーの紹介と地元の方の話を聞くってセオリーがあるでしょ?!」

 

 「そうとも言う〜」

 

 「嵐を呼ぶ5歳児の真似をしないでよ?!」


 「……はいはい。 悪うござんしたね。 じゃあ、メンバー紹介しますよ……」


 渋々と番組進行を始めるアビィ。

 カメラは探検隊メンバーを映す。


 真っ先に映るのは探検隊ルックのショートカットの元気そうな娘だった。

 

 「先ずは探検隊メンバー1人目は、何も考えずに元気一杯!! 元気があれば何でも出来るかもしれない?! 禅問答、歳の差なんてなんぼのモンジャイ!! 高嶋忠世!!」


 「イエーイ!!」


 両手でダブルピースをする高嶋。

 ……アヘ顔でやったらアウトかもしれなかった……。


 次に映るのはジャングルでも、コンクリートのジャングルのお立ち台で踊ってた方が似合う格好のボディコン美女だった。


 「2人目は好みはいつもマニアック!! レアな作品チョイス(?)と過激な謳い文句で貴方をハートキャッチ!! その姿は場違いな木曜日の女王様!! 木村奈央美お姉様!!」


 扇子を振りながらクネクネ踊る木村の姿は正にバブリーだった。


 次の隊員に切り替わる。

 その女性隊員はポッチャリ気味な体型にニコニコ笑顔でおにぎりを食べていた。

 

 「3人目はシベリアの急行列車からエクソダス!! 真っ白な地平線から殺人事件が君を呼ぶんだ!! 彼女はいつも裸のた……「脱いでないですぅ〜!!」 その名は名探偵……「水野遙ですぅ〜!!」 ……チッ……」


 ……3人目はツッコミ体質の様だった……。


 最後の一人が映し出される。


 最後の隊員は木陰で本を読んでいた。

 探検隊ルックなのに、眼鏡とおさげ髪の姿は正に文学少女だった。


 「最後の一人は国民的アニメの青いアイツもリスペクト、絶滅危惧種の文学眼鏡少女!! 彼女の名は淀川春奈!!」


 「……私の紹介が雑……」


 眼鏡っ娘がチラリと此方を一瞥する。

 紹介が雑なのが不満の様だ。

 

 「それでは、謎の原始人を探しにしゅっ「ちょっと待ちなさいよ!! 私の紹介は?!」……ぱ〜」


 慌ててアビィを止める宏美隊長。


 「……何で止めるんですか? そろそろ行かないと」


 「隊長の私が残っているでしょ?!」


 「毎回出てるから、皆さん知ってるでしょ」


 「それとこれは別だから!!」


 「……ディレクターに唆され、ヤラセ番組してるでしょ? 「してないわよ!!」 あ〜う〜ほほほ『結婚したい〜!!』、『相手が居な〜い!!』 な、30手前の崖っぷち。 我らが隊長!!河口宏美!!」

 

 「アンタ喧嘩売ってんの?! アンタだって歳は似たようなもんでしょうが!!」


 「……それを言っちゃあ、おしまいよぉ〜? 怒りが爆発して忍者男から侍男になりますよ?」


 「アンタいい歳こいた女でしょうが!! それと忍者男のNGワードは『青二才』よ!!」


 歳のことが原因で不毛な仁義なきキャットファイトを始める二人。


 画面の縁からヒョッコリと現れた顔が四角の田舎のオッサン。

 彼の名は吾作。

 ……本来ならば、彼こそが現地人目撃者として番組に出てきて、謎の原始人『ヤラナイカー』について語る筈だったのだ。

 

 吾作は番組そっちのけで、キャツトファイトを始めた二人とグダグダな番組の展開を見て『番組のピンチはオラが守らねぇと!! オラ、頑張るだ!!』と、画面に向き直り目撃談を語り始めた。


 

 


 


 

 

 忘れられた駄文を読んでくれて、感謝。

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