第1章 伝説の恥まり始まり
……何となく、素人が勢いと思い付きで書いた話です。
……無知な素人故に色々と不手際や不備があるとは思いますが、お手柔らかにお願いします。
願わくば馬鹿話で楽しんでいただけると嬉しいです。
尚、R15と残酷描写指定は念の為です。
数日前にミッドナイトノベルに投稿したものをこちらに移しました。
……其所は何処かの宇宙、何処かの銀河である『AGES銀河』。
そのAGES銀河を二分する勢力があった。
1つ!!『ツモリハイ=デタロン』を現皇帝とする『アガリハイ=デタロン帝国』!!
1つ!!『ヨック・マミレイン』を首相とする商業惑星『モーケルデ』を盟主とする『ネムナルト・ドコデモネルガ自由商業連盟』!!
この二大勢力は帝国歴931年、中立地域の貿易都市『ブレイコウ』でデタロン帝国の高官にAGES銀河一臭い缶詰『スペース・シュールストレミング』が投げつけられ爆発‼
想像を絶する悪臭の中で高官が悶絶死するという『スペース・シュールストレミング・テロ』が発生‼
帝国は犯人をネムナルト連盟の特殊部隊と断定!!
この事件を発端として血で血を洗う大戦争に発展、AGES銀河に破壊と混沌、そして数多くの死や撃沈された宇宙戦艦の残骸のスペース・デブリ、日常生活で出た生活ゴミを宇宙に撒き散らしていた。
……生活ゴミは関係ないだろう。
……だが、この不毛過ぎる戦いにも終わりが見えかけていた‼
帝国歴936年、決戦の地『メオサマセ宙域』にこの戦いを終わらせるべく両陣営の大艦隊が集結しつつあった。
デタロン帝国の艦隊の中央に一際輝く純白の船、後の歴史家に『純白の宇宙的貴公子』と言わしめた旗艦『トレビアン』のブリッジ内。
中央の艦長席にエレガントに座るデタロン帝国一の提督とも噂される銀髪の美丈夫『バルティス=ハッスルタイマー』は側に黒髪の側近『ヤンデル・ナイスボート』を侍らせ優雅にワインを嗜んでいた。 う~ん、トレビアーン‼
「バル、我が軍の艦隊の配置はもう直ぐ完成するよ?
偵察隊の報告に拠ると連盟軍の艦隊は3万隻。
一方、我が軍の艦隊は6万隻……我が軍は圧倒的じゃないか‼」
「……だが、今回の連盟軍の指揮は『見えない指揮者』の異名を持つ『アン・ヴァイト・タウンワー』だと言う……油断は出来ないぞ?」
もう勝った気でいるヤンデルに警戒を促しつつそうでもなさそうなバルティス。
「何を言っているんだい? 『相手が見えない指揮者』だとしても此方だって『完璧なる遊戯帝』のバルが居るじゃないか‼
ボク達の勝ちは決まったも当然さ‼ ……で、この戦闘が終わったらボクの部屋で祝盃でもどうだい? 良い赤ワインが手に入ったんだ……」
……蠱惑的な微笑みでバルティスに語りかけるヤンデル。 どう見ても『イケメン主人公に友情以上の好意を持っているイケメン親友』にしか見えない。 ……何か良くない旗が建ちそうである。
両軍の艦隊の陣形が揃った時だった。
「バルティス提督‼我が艦に通信です‼ 発信先は……え⁉ 連盟軍の旗艦『ファースト・フラッシュ』 ⁉ 」
「……チッ。 通信士‼ モニターに映せ‼」
トレビアーンブリッジの通信士の言葉に苛立ちながら応えるヤンデル。 バルティスは年代物の赤ワインを愉しみながら鷹揚に頷いた。
……モニターに映し出されたのは、連盟軍の軍服姿の女性が艦長席で優雅にティータイムを楽しんでいた。
「「……」」
緊張感の無い映像にトレビアーンのブリッジは沈黙に支配される。
「……え? もう通信始まってるの⁉ 嘘っ⁉ 何で教えてくれないのよ⁉ もうっ~⁉」
バルティス達に白い目で見られているのに気付いた艦長席の女性は慌ててティーカップを側の副官に渡して、姿勢を正して咳払い。
……どうやら、今のは無かった事にしたいらしい……。
艦長席の女性は二十代前半位だろうか? 連盟軍の軍服をキッチリと着込み、薄桃色の髪をギブソンロールに編み込み、少し太めの眉ではあるが整った顔立ちも相まって伝説の物語『スペース・ジャパメーション』に出てくる『若くて美人の女性艦長』そのものだったが……先程のティータイムと慌てた映像で台無しである。
「……オホンッ‼ ……ごきげんよう。 私の名はアン。 アン・ヴァイト・タウンワーですわ」
「……ここは戦場だ。 ティータイムを楽しみたいならさっさと帰れ」
「酷いッ‼ 貴方だってワインを飲んでるじゃない!!」
バルティスの言葉にアンは涙目で抗議する。
「私は貴様との戦に敗れるつもりは無いから問題無い。
……しかし、噂に聞く見えない指揮者の正体がこんな残念小娘とは……強敵との戦ならば私の心も酔えると思ったのだが……話にならん。 貴女には降伏を勧める」
「……私の事を馬鹿にして‼ だったら、貴方達に私の能力を魅せてあげるッ‼」
プリプリと怒りながらアンは軍服をモニターに向けて投げつける様に脱いだッ‼ オゥ‼ スイートッ‼
モニターから軍服が落ちる頃にはアンは伝説に語られる『宇宙歌姫』の様なキラッキラッ‼ 且つ、フリッフリッ‼ の衣装を纏っていた。
今、此処にスペース・ジャパメーションに語られる伝説の存在、宇宙歌姫が降臨したのだッ‼
何処からともなくPOPなBGMが流れだす。
何処からか出したマイクを持ち、強気の笑みを浮かべるアン。
「……It's show time ‼」
……今、AGES銀河で初めての宇宙歌姫のスペースライブが始まる‼
読んでくださってありがとうございました。
感謝。