夢と現実
僕は、これまで多くの夢を抱いて生きてきた。
小さい頃、動物が好きだったので最初は動物博士が夢だった。その後、小学校5年生くらいだろうか、ドラマの海猿を見て海上保安官を目指すかと思いきや海では死にたくないので消防士を目指すようになり、高校になってからは何故だか分からないが警察の鑑識を夢見た。
大学入学後は、色々な本(専門書、小説、雑学書等)に触れ合った事から小説家を夢見た。今現在、介護士をしている。
これを見た人は、「こいつ、夢見がちな残念男」ときっと思っているだろう。自分でも若干引いている。だが、今回僕が言いたいのはそう言う事じゃない。
要は、"現実はそんなに甘くない"と言う事だ。
上に書いた夢は、どれも自分なりに本気で目指したものだ。しかし、どれも途中でお金の事や体の体力面的な事で諦めてしまったものばかりだ。今となっては正解だったと思う事の方が多いが、この決断を強いた時はそれなりに心にきたものだ。
夢を抱いて生きる事は決して悪い事じゃない、寧ろいい事だ。目標を持って生きる事は自分にとっての生きる意味になるだろうし、そこまでいかなくとも人生の楽しみの1つだったり趣味になったりそこから人の輪が広がったりとプラスの側面もちゃんとある。
しかし、夢にあまりに傾倒しすぎてしまうと自分を破滅させるだけではなく、自分を支えてくれたり仲良くしてくれた人にもその影響が出てしまう。経済的なものだったり肉体的精神的なものだったり。
結局、夢は夢でしかない。眠っている間だけ楽しめるあの夢のように、目が覚めればそこには現実が待ち構えている。現実は夢の世界を隅々まで破壊していく。
私の今の夢である小説家は、まだ諦めた訳では無い。しかし、いつの日かまた諦める日がくるかもしれない。そうなった時、また新しく夢を作って生きていくのか、はたまた趣味活動を広げて交友関係を築いて普通の仕事もする平凡という幸せを目指して生きるのか、まだ僕には分からない。
でも、僕は不思議とどの道を選んだとしても幸せに生きていける気がするのでそこまで気にしていない。
これを読んでくれている人はどんな年代層なのか分からない。受け取り方も違う筈。でもそれでいいと思う。夢に準ずるもよし、現実の枠組みの中で幸せを見つけるもよし。僕もそれが分かるときまではもがいてやろう――とふと仕事終りに思った今日この頃だった。