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1部 シズク 5章 黒い蛇が少年と少女の思いを貪り食らう。§2 ②

 門から村に入ると同時に、ユウはマリアの放った閃光を見た。なんだ、と警戒するユウに、


「はーい。遅かったわね」


 マリアが手を振っている。彼女の前で隊長が倒れていた。


「マ……マリアさ……ま。わ、わしごと……」


 久しぶりだったから、とマリアが、にっこり、と隊長に笑いかける。


「久しぶりじゃないですぞ! し、死ぬところでしたんですぞ」


 倒れたまま隊長が喚き散らす。


「煩いわ。男が細かいこときにしないの。……あれ」


 うげぇ、と隊長が声をあげる。隊長はマリアに、ぐりぐり、と踏みつけられていた。


「あら? ごめんなさい。そんな場所で寝るから駄目なのよ」


 隊長が飛び起きてマリアに抗議する。それを見て、ユウや守備隊の隊員達は笑う。


「……それにしても、マリアさんたち凄くいいタイミングで来ましたな。どうしました?」

「どうした、って、あなたが呼んだんでしょ?」


 隊長は、そんな記憶はないと、首を傾げた。


「――いやああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーー……」


 村に叫び声が響く。


「なんだ? 今の声……シズクか?」


 マリアが目を瞑る。彼女は、こうして、村の中全てを見ることができるのだ。


「見つからない……。隊長! シズクを探して、すぐによ!!」

「第一小隊、第二小隊は、シズクちゃんを探せ! 第三小隊は見張りだ、第四小隊は門を守れ、また敵がくるかもしれねぇ。あとの者は門の修理だ!」


 隊長が次々指示を飛ばす。


「ユウ、私たちも探しに行くわよ――」


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