硝子の人形
「硝子の人形」
薄暗がりの夜の闇の狭間で
煙管の音が鼓膜震わせ
ぼやけた記憶、朧げな嘘すべては
あなたと交じりあうための虚偽
抱き寄せる君の艶姿に映るのは
今宵の夢で出逢える夜空さ。泡沫の幻よ
硝子の人形、夜の逢瀬重ねる
溺れた果実酒、いつまでも染みわたり、酔って
硝子の欠片で、切り傷をつけ、なめ合う
尖ったナイフで喉元を刺していくように
美しき獣の観姿のままで
霧の晴れない夜の闇の狭間で
吐息の音が鼓膜震わせ
あざむく言葉、まどろむ嘘すべては
あなたと交じりあうための虚偽
香しい君の柔い肌に宿るのは
今宵の夢で出逢える星々、揺蕩った幻よ
硝子の人形、夜の逢瀬幾度も
溺れた果実酒、いつまでも染みわたり、酔って
硝子の破片で、切り傷をつけ、なめ合う
鋭いナイフで唇を撫でていくように
美しき獣の観姿のままで
抱き寄せる君の艶やかさに宿るのは
今宵の夢で出逢える夜空さ、泡沫の幻よ
硝子の人形、夜の逢瀬そのまま
溺れた果実酒、いつまでも染みわたり、酔って
硝子の細片、バラバラになり、砕ける
尖ったナイフで喉元を刺していくように
美しき獣の観姿のままで