55:大修羅場☆
清明「・・・・・悪い、作者。一ついいか?」
あれ?どしたの清明君?珍しいね、前書きに出てくるなんて。
清明「俺だって別に来る気は無かったさ!でも今回はタイトルがあんまりにも気になったんでな!」
ああ、今回のタイトル?・・・・・えーっと、なんだっけ?
・・・・・・スイマセン自分調子こいてましたっ!
清明「わかればよし。んで?何なの、今回のタイトル?」
え?まあ、ちょっとね。すぐわかるよ、うん。
清明「(何言っても無駄か・・・・)なあ作者、折るんだったら骨と歯のどっちがいい?」
怖あぁぁぁ!!
そして、それから数分・・・・いや、もしかしたら数時間・・・・・過ぎた。今日はもう朝から時間間隔がなくなってるけど、そんなことどうだっていい。なんてったって、そんな・・・・・・
「嘘・・・・・じゃねえ、よな?」
もちろん、そんなことがあるはずないのはよく分かってる。少なくとも、俺の印象ではシエルはそんな嘘をつくやつじゃない。まったくもってベタな質問。でもそれしか出てこない。
「(・・・・・・・コクン)」
「ん、そっか・・・・・ん、わかった。わかったから。・・・・・ちょい悪い、席、外しててくんね?」
気を使ってくれたのか、目の前に湯気を立てるお茶のコップをそっと置いて、何も言わず静かにその場を離れた。
「・・・・悪いな」
もちろん聞こえてやしないだろうけど、言わずにはいられなかった。
・・・・・・・・・・・。今、何時だっけ?
「えーっと・・・・・あーダメだ、ぜんぜんわかんないか」
今日は朝から色々あったからなぁ・・・・・いや待て、それ以前にそもそもまだ『今日』なのか?日付またいでてもおかしくないぞ?まあ、後で時計でも見とくか。そういや、桑折と祓は今、何やってんだろうか。祓はどうだかわかんねえけど、桑折にはもう学校行ってないことバレてるよなあ・・・・・まあ、当り前か。やれやれだ。
「・・・・・・・よし、起きるか」
現実逃避終了。とりあえず腹も減ったしな。それにしても、あそこまでの話を聞いておいて数時間たっただけで『腹減った』なんてな・・・・・やっぱり俺も、世間から見たら壊れた奴なんだろう。わかっちゃいたけど。それでも、今悩んでたってどうにもならないものはどうにもならないからな。俺はそのいつの間にか誰もいなくなっていた部屋を出て、明かりがついてる方向に歩き出した。
「お、やっと起きた?」
「まーな・・・・ってアレ?シエルはどこ行った?」
「あ、やっぱ僕より彼女といる方がいい?」
「んな!!?そ、そんなんじゃないっての!・・・・・・・大体、まだ初対面から一週間と経ってねえ程度の付き合いだしな!」
「ははっ!隠すな隠すなって~。あ、それとも本命はこの間会った時にいたあの娘?確かにあっちも可愛いかったもんね?」
「ダ、だからそんなんじゃ・・・・!」
「んん~?それにしちゃ随分と動揺しちゃってますね~?あ、それともウチの祓だったりとか?わかるわかる、腹立ってくるあの性格を帳消しにしてまだ余りあるぐらい見た目は超良いからねー」
「だぁからな、俺はまだフリーだっつーの・・・・・それと、俺なら祓の性格が腹立つとは思わねえぞ」
「はいはい、惚気ごちそうさま。それじゃ、夕飯にでもする?」
「ヘ?あ、ああ・・・・・そういや、それで結局シエルはどこ行ったんだ?」
「いや、何で夕飯で女の子の名前が出てくるかな?まあ、僕のことじゃないからいいけどさ・・・・・それであの娘・・・・シエルちゃん?今は買いだし中だよ。いやー、ここって食料らしいものがほとんどないからさぁー、悪いとは思ってるよ、僕だってさ?」
「いや、そう思うなら荷物持ちでもやってやれって」
一人で行かせたのか・・・・結構こいつ、心が腐ってんだな。
「やれやれ・・・・あのね、データはごまかせても人間の目は騙せないんだよ?車泥棒たる君似のこの僕が外なんて行ってみ?あっという間に逮捕じゃないか!」
そ、そっか・・・・・ん?僕『似』?
「な、なぁお前って・・・・」
「お、帰ってきた帰ってきた。噂をすれば何とやら、さあ夕飯夕飯っ・・・・・てありゃ?あれ!?」
一人で監視カメラの物であろうモニターを覗いていたと思いきや、いきなり素っ頓狂な声を上げた。こいつ、こんなにやかましい男だったか?
「ど、どうした!?」
「いや-、驚いたよ・・・・・こういうのもこう言うんだろうね、ほら『噂をすれば・・・・・』」
そこまで聞いた時点で、俺にもピンときた。
「あ、もしかして・・・・?」
「もしかしなくても、ご想像どうりさ☆いやー、モテる男はなかなか大変みたいだね?」
「やっぱりかぁぁぁぁ!!」
そう叫んだ時、ちょうどドアが開いた。そして、そこから聞こえてくる声。
「清明っ!なんで今日勝手にいなくなるのっ!少しはこっちの身にもなって・・・・・って、別に今のは違うんだから!と、とにかく、なんでアンタはこんな所にいるの!」
「清明君、清明君、清明君~!私、凄く心配したんですよ~!もしこのまま清明君がいなくなったらって思うと私・・・・清明君~!!」
「す、済まない!途中で見つかった・・・・!くっ、余計な人間が増え・・・いや、今のは忘れて欲しい・・・・」
いっぺんに賑やかになった。
桑折「やっと・・・!私にも出番が!」
祓「私もです~!清明君にまた会えました~!」
・・・・・・本当にモテてんなアイツ。