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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
休憩終了・ターンⅡ!
56/66

とりあえず最後の静けさ

「えーっと・・・・確かここのデータとここの記録をいじってそれから・・・・・」


 なんか脇の方から随分と物騒なセリフが聞こえてきた。まだ終わんないのか、証拠消し・・・・・。


「な、なぁ?」


「んー?今忙しいんだけど・・・・・何?」


「そのデータ消し、よかったら俺が変わろっか?」


 そう言うと、まるで方程式をはじめてみた幼稚園児の様な顔を・・・・スマン、わかりにくいな。要するに、『何を言ってるんだこいつは』的な顔ってコト。






 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・悪い。ホンッッッッと悪い。さっきの例えは忘れてくれ。そして二度と思いだすな。いいよな?な?な!?


「全く、君ってヤツ(馬鹿)は・・・・悪いけどさ、めんどくさいから君、代わりに説明してくれる?」


 君っていうのはシエルのことだ。ところで今、さらっと馬鹿にされたような。


「私か?別に構わないが・・・・。要するに今貴方のした提案は、確かに決まれば早いだろうがその分リスクが高いんだ」


「悪い。でもさっぱりわかんない」


「済まない。説明が漠然とし過ぎていた・・・・。つまり、平たく言えば逆探知の危険がある、ということなんだ」


「そういうこと。君みたいな能力(スキル)は世界中合わせてもまずいないからね、一発で痕跡がばれちゃうのさ☆」


 なるほどねえ・・・・・あと、気持ち悪いから男は語尾に☆なんぞつけるな。


「個人の自由だろ?」


「それを人にまで押し付けんなって言ってんの!」


 冗談抜きで嫌だっつーの!ましてや、こいつの見た目は・・・・・見た目だけ(・・)は俺そっくりなんだ。見た目だけはな。余計に嫌な気分になってくる。


「はい、これで終わり、と・・・・・とりあえず都合の悪い証拠は全部消しておいたけど、まだどこで足がつくか分かんないからね?過信はしないでよ?」


「あれ?もう終わったのか?思ったより早いんだな」


 思わずそういうと、呆れたように肩をすくめながら、


「そりゃまあ、君がどう思おうと勝手だけどたかが窃盗程度(・・・・・・・)のことだからね・・・・・ただ、ちょっとばかり予想外だったけどね、ここまで早く終わるなんて」


「操作をかけられた、か・・・・どうやら、貴方は私の思っていたよりも重要人物だったんだな。正直驚きだ」


「まあ、彼の場合はただ単に運が悪かった、ってのもあるとは思うけどね?下手に外の世界で生まれた分、お偉いさんも色々と不安なんだろうし」


「やはり、そこは大きい、か・・・・まあ仕方ないことだが」


「だね。今更グチグチ言ってもしょうがないし、とりあえず何が来てもいいようにはしておこうかなっ、と」


 へ?俺?いつも通り会話についていけないでひたすら黙りこくってましたが何か?





 その後、しばらく暇にしていた俺を見かねたのか、シエルが俺に声をかけてきた。


「・・・・・少し、貴方と話したい事があるのだが」


「おう、どした?随分難しい顔だな」


「私だって今話すべきではないのは分かっているのだが・・・・・時間のあるうちに言っておかないと何があるか分からないからな」


「ふーん・・・・・んで、何?」


「あの、車の中でした話の・・・続きなのだが・・・・・」


「ああ・・・・・そーゆー事ね。・・・・・・わかった。俺は大丈夫だから、その続きの話とやらをしてくれ」


「本当に・・・・大丈夫か?私は、貴方が無理をしたり苦しんだり、それを隠して強がったりするのは見たくないんだが・・・・・・」


「・・・・・・・どうせ、いつかは聞くことになるんだろ?なら、せめて今、お前の口から聞いておく方がずっと良さそうだからな」


「わかった・・・・・なら、聞いてほしい。これが・・・・貴方の話だ」

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