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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
休憩終了・ターンⅡ!
55/66

盗難車でGO♪・・・・・その③

 時間の、感覚が、・・・・・・・ない。

 あれから、何分たった?それとも、何時間か経ってんのか?ああ、だめだ。さっぱりわかんね。覚えてるのはただ、無意識のうちにも聞こえてきた、


 『あ、そこ左ね』


 だの、


 『ほら右行って!信号変わるよ!』


 だの、


 『あ、ここはまっすぐね』


 とか言った感じの声に従って車を動かしていっていることだけ・・・・・・・・ってアレ?何か俺、ボーッとしてる間にいいように使われてね?


「ほらほら働く働く!あ、そこ左ね?」


「・・・・・・・」


「ん。それじゃ、三つめの角をまたひだr・・・・」


「いい加減にしてくれえっ!」


 過労死でもさせる気か、ったく。人が反論できない精神状態なのをいい事にこき使うなんて、ひどい話だぜ。


「ん、ちょっとは調子戻ったね?」


「・・・・・え?」


 もしかして、俺の為・・・・・?いかん、不覚にもちょっと感動した。次の瞬間!


「んじゃ、そこ右ね」


 さ、さらっと言いやがった・・・・!開いた口がふさがらないってこのことだな、間違いなく。でもまあ、ちょっとはましな気分にもなれたの『だけは』確かだし、ここは黙っておこう。

 ・・・・・若干腹立った分が多いけどな!


「そのまま真っすぐ」


「いつになったら着くんだよ!?」


 もう俺ぶっ続けで二時間近く運転してるぞ!?無免許者にとって運転(これ)ってすんごい神経使うんだからな!?いい加減事故っても俺は知らんぞ、ったく。


「ほら、そこに水色のビルが見えるでしょ?」


「ああ・・・・あそこか?」


 やれやれ、やっと着いたのか。もういい加減休ませてもらいたいよ。


「いや、そのビルを左に曲がって」


「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!」


「じょーだんだって・・・・・・ハイ、そこの駐車場に止めといて」


 その偉そうな言い方にはわりと腹が立ったけど、でもまあこれで運転も終わりなんだ。わざわざ喧嘩吹っ掛けるほどのことでもない。とりあえず自分を納得させる。

 







 ・・・・・やっぱ納得、できなかった。いやだってさ、ここまで来れたのは誰のおかげだと思ってんのさ?おまけに車は盗んだ物だしさ、いい加減聞く方もしつこいだろうけど俺前科一犯になってるしさ、なんかこう言うことないわけ?人に何かやってもらったら礼ぐらいは言うもんだろ?


「ほらほら、早く入ったら?どこぞの監視カメラに引っ掛かっても知らないよ?」


 いつ入ったのか、扉の中の方から声が響く。ちぇっ、でも確かに見つかりでもしたらえらい目にあうだろうからな。

 てな訳で、俺は目の前の扉を開けた。さてさて、今度は何があることやら。






 



「・・・・・暇なんだ」


「偶然だな。実は俺もなんだ」


「君たち、もうちょっと静かにできない?」


「「それはもう五回は聞いた」」


「じゃあ黙っててよ・・・・」


「大体、さっきから何やってんだ?ずーーーっとパソコンいじったりしてさ」


 その疑問には、シエルが代わりに答えた。


「多分、証拠の隠滅だろうな。貴方の言う『前科』を裏の方から握り潰してでもいるんだろう。・・・・・違うか?」 


「うんにゃ、御名算だよ。よく分かったね?」


「・・・・別に。貴方がやらなければ、私がやろうと思っていただけのことだ」


 正直よくわからん。でも、なんとなく予想はついた。


「・・・・・(ありがと、な)」


「・・・?何か言ったか?」


「どうしたのさ、ちょっとニヤニヤなんかしちゃって?気持ち悪いよ?」


「いや、何でもないさ」


 なんだか、嬉しかった。

ちょーーーっとだけ終わり方をいつもと違う趣向にしてみましたが、いかがだったでしょうか。


違和感を感じたら素直にそう言ってもらって構いませんので、よければ感想とか感想とか感想とか(笑)お願いします。

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