いろいろな修羅場
さて、果たしておっさんはどんな反応を示すだろうか。今のところはじっと目を閉じて考え込んでいる。・・・・・・・・あの、そろそろ首が痛いんでこのヘッドロック外してもらえませんかー?
「・・・・・ああ、そうだったな」
やっと首が自由になる。あーやれやれ。首が凝った。
「で、おっさん?返事はどうなんだ?」
まーーーーーた長い沈黙。く、空気が重い・・・・・重い・・・・・重い・・・・・おも・・
「よし、わかった」
お、やっと進展があったか。しかも今のセリフ、結構好感触じゃねえか?
「ただし、条件があるのだが。・・・・・私に、少し彼女と話をさせてほしいのだが、構わないかな、王?」
ふむ、『条件』ね。
「へ?んー・・・・・俺はどっちでもいいけど、祓が何ていうか・・・それに、そんなのんびりしたことしてる時間なんてあんのか?」
「王・・・・よりによって君がそれを言うのかい・・・・・・まあ諦めよう、それが君の性格のようだし・・・・・それに、時間ならある。というより、作らざるを得ない」
「?」
「少し考えてみたのだが、確かに王の言うことにも一理ある。・・・・私たちにとって、現時点では彼女が唯一の情報源だからな。ならば、多少の時間を惜しむ余裕はない」
いや、パッと思いついた案をそのまま言っただけなんだから、そこまで真剣になられても逆に困るんだけどなぁ・・・・・
「と、いうわけだ。いいかな、王?」
「・・・ダメ、つっても聞く耳持ってねーんだろ、どうせ?」
「ふむ・・・まあ、な」
そこは否定してほしかったぞ・・・・・ったって、そりゃさすがに期待しすぎか。俺の性格からいっても今のトコで『そうとは限らない』とか何とか言われたらその場で「んじゃ却下」とか言ってそうだもんな。てか間違いなく言ってる。
「わかったわかった・・・・おーい祓、ちょっと悪いけどこっち来てくんねーか?」
「あ、はい~。お話終わりましたか~?」
「ああ、ほとんど終わってるんだけどな、こっちのおっさんがちょっとお前と話がしたいらしくてな・・・・・いいか?」
「私は構いませんけど~」
「んじゃ、頼むわ。悪いな祓」
「いえいえ~」
何事か話し始めた二人を見るともなく見ていると、横からなんだか知らないけど凄まじい・・・・えーと妖気?殺気?まあとにかくそんな『ゴゴゴゴゴ・・・・・』とかいった文字がバックに浮かび上がってるような重っ苦しい声が飛んできた。・・・・・うわー、怖ぇー・・・・。
「で?」
「・・・ハ、ハイ?な、な、なん、何だ?いえ、な、なん、何で、何でしょうか?」
落ちつけ落ち着け。声、裏返ってるぞ俺。しかも噛みまくり。
「・・・・あの娘、話聞く限りだと何かアンタの知り合いみたいだけど・・・・・誰?」
「あ、ああ、そういやあの時のお前は意識飛んでたからな、そ、そりゃ覚えてなくて無理ねーか・・・・い、いえ、ないですな、ハイ」
「前置きは、い・い・か・ら」
怖あぁぁぁ!!!
「え、えっと、要するにほら、お前も聞いてたおっさんの話遮った『ダイヤ』とかいう俺にやたらと似たやつがいただろ、あいつの部下・・・みたいな感じらしい」
「・・・・・・ふーん」
なんか信じてないよオーラがビシビシ伝わってくるのですが。挙句の果てにそっぽ向かれてますが。
・・・・・じゃあ何て言っとけばよかったんだよ!!?
なんか桑折さんやたらと怖がられてますが、彼もまあ本気で言ってるわけではありません。そういう意味では、実は清明君が一番ツンデレ系なのかな・・・・?