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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
さあて、showtime!
36/66

35:いざ行かん!なハズだった・・・

 は、走った・・・・・・。ったく、さすがに・・・予備動作抜き・・・・で、走りづめ、は・・・!しんどい!

 ただまあ、あの何だかわからん廊下は正直、下手な怪談より数段怖かったわけだが。よし、困った時にはとりあえずおっさんに当たってみよう。


「てなワケで、どういう代物(しろもん)だアレはぁぁぁ!!!」


 おら、桑折も突っ立ってねえで加勢しろ!そんなアイコンタクトを(おっさんの肩を揺すりながら)肩越しに送ってみると、一発で反応が帰ってきた。ありがたいな、コイツのこういうとこは。


「一体何なんですかあの気持ち悪い頑丈な壁!!・・・・・・てちょっとアンタねえ!それはさすがにやり過ぎじゃない!?ここで意識飛ばせちゃったらどうするつもりなの!?」


 おっと。ちょっとばかし揺さぶり過ぎたか?おーい、おっさん意識あるかー?


「・・・・・・・・・まったく、ゲホ、ゲホ・・・・いくら(キング)とはいえ、少しは年上のことを労わってみてはどうかね・・・?」


 お、まだ平気だったか。良かった良かった・・・・・じゃなくてだなぁ!


「まだ起きてんならとっとと質問に答えろぉぉ!」


「わかった、わかったからとりあえず胸ぐらを掴むのはやめてくれ!」


 ・・・・・・ちっ。それで、どんなワケなんだよさっきのは。あんなの見たことねえぞ。幻術系にしても、この俺の『機械皇帝(マシンエンペラー)』を騙し切るほど強力な能力(スキル)なんて、そんなの無いはずなんだよ!


「まあ、そう睨まないでほしいものだが・・・・しょうがあるまい。自分の能力(スキル)が破られる恐怖と苦しみは、一応私にも覚えがある。気が動転しても無理はないだろう、な」


 ふん・・・・・・まあな。俺らESPにとって、自分の能力(スキル)ってのは実は相当に大事なもんだ。さすがに『生命より~』とまで言う奴は少ないが、『全財産より大事』とか言う奴は相当数いる。かく言う俺もそのグループの一人だし、もっと言うと桑折なんかは『医者としての全てより能力(コレ)の方が上』って言ってたのを聞いたことがある。

 ん。話が脇にそれたな。とにかく、自分の能力(スキル)ってのは、どんなにちっぽけなものだとしてもESPなら誰でも大事に思ってるんだよ。だから、自分よりも能力的に格上の相手がいるとまず警戒してかかる。そんなもんだ。だからおれはいま、焦っている。それはわかっちゃあいる。わかっちゃいるんだ。


「・・・・・・・・・・で?」


「と、言うと?」


 あくまでも、おっさんの声は冷静だった。俺は・・・・・・・少なくとも上機嫌には聞こえなかっただろうな。


「とぼけんなよ。さっきの答え・・・・まだ聞いてねえぞ」


 一体、さっきのは何だったんだ?教えてくれよ。


「あの現象は・・・・・恐らく、ESPの手によるもののはずだ。それも、(キング)の『機械皇帝(マシンエンペラー)』、貴方の『創造手(マジックハンド)』、両方同じESPの仕業だろう」


 ちっ・・・・まあそうだろうな。・・・・・・・俺が能力(スキル)で負けた、か・・・って、ん?んん?今おっさん、『同じESPの~』とか言ってなかったか?


「・・・・・・ああ。私には、大体見当も付いている。恐らく・・・・」


 そこまで喋ったところで、後ろの方からゆっくりと、ゆっくりと、靴音が響いてきた。



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