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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
さあて、showtime!
35/66

いざ行かん!

 ん?何をやったのかわからんと?簡単なこった。まず、ここが牢屋だろうと何だろうと、とにかく建物である以上『見取り図』ってーもんがどこかに作られている。これ常識。なにしろ、ただ単にだだっ広いだけの公園にだってあるもんだからな、見取り図。

 で、そのデータは十中八、九の割合でその建物のメインコンピューターか制御室にコピーがある。

 そうしたら後は簡単なもんだ。何回だってくり返してやる、この程度楽勝だぜ!


「なんっか腹立つのよね~、その偉そうな傲慢口調・・・・」


「・・・・・・(ウルセー)」


「ちょっと!今何か言った!?」


「・・・・・なんでもないですチクショウ」


「ふむ、前々から思っていたんだが、(キング)はもう完全に尻に敷・・・・・・」


「だあらっしゃい!!!」


 おっさん・・・・・・テメエ、常に誰かの神経逆撫でしてないと気が済まないタイプなのか・・・?だとしたら、『馬鹿は死ななきゃ直らない』の意味をその体にたっぷり叩き込んどいてやるからよ、希望があるならいつでも俺に言ってくれ、な?いいな?


「ははははは・・・・」


 ふっ・・・・・声がほんの少し震えてるぜ、おっさん。残念だったな、隠しきれなくてよ。


「・・・・・・ねえアンタ」


「おう、どした?」


「で、どっちが出口なの?」


「・・・・・・・悪ィ、忘れてたグガァッッッ!!」


 ・・・・・これ、悪いのは俺だけなのか?久しぶりだけどやっぱ痛いな、コレ。多分明日にはコブになってんだろうな、ハア。

 まあ、悔しいけど桑折の言うことにも一理ある。えっと、近道は・・・・右だ!


「よし、それじゃあ脱走とでも洒落(シャレ)込んでみっか!」


 



















 ・・・・・・・・・・んで、それが10分前の話。

 

「ねえ、なんでどこにも着かないワケ?ずっと同じような廊下ばっかり続いて・・・・」


 ンなモン俺に聞くな。

 

「ふむ・・・・・なにかの(トラップ)にでも引っ掛かったのかね?」


 俺が知るかバーロー。


「「・・・・・・・・・・・・・」」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・口答えしてスイマセンでした、ハイ」


 おっかしいなぁ・・・・・・確かにこれはおかしい。何回頭の中に地図をダウンロード(まあ、言葉のあやってヤツだな。念のため)しても、この位置で合ってるはずだ。現在地も、監視カメラの映像から完璧に割り出してある。だから今、右の方向には扉が一つないとおかしいんだよなー・・・・・。ハイ、壁。どう見ても種も仕掛けもないただの壁。カメラ映像にも、ただの壁が映っている。ホログラムかと思って何回か探ってみても、全くの無駄。一体・・・・


「一体どうなってるワケなの!」


「だ・か・ら!俺が知るか俺だって悩んでんだだからお前も何かやれ!!」


「何かって何よ!」

 

「知らんわ!もっかい壁でもブチ抜いてろ!」


「いいわよ、そこまで言うならやってやるわよ!」


「よし、とっととやれ桑折!」


  

 グオオオオオオオオン!!!・・・・・・・ドゴオオオオオオン!!!!



「どうだ、開いたか・・・・何ィ!?」


「ハア、ハア、・・・・・・!?」


 壁にはなんと、傷一つついてない。それどころか、埃一つ舞ってない。んで、それに『おかしい』と思ったのは三人とも同時だったらしい。示し合わせることもなく、一斉に来た道に走りだしたんだよなー。まあ、余所から見てる分には面白い見世物だったろうよ。

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