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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
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滑り出し・・・・・からの初対面

え?タイトルがよくわからん?まあ、読んで下さいよ。そうすればきっとわかる・・・・かな?あれ、改めて読み返したら自分でもよくわからんぞ(笑)。


まあ、とにかく、それではどうぞ。

 彼・・・・難波清明(なんばあきら)は、そいつ(・・・)を発見した時、まずは首をブンブンと振り、そちらの方を見ないようにしながら何度かまばたきし、目の周りの筋肉を軽く指先で押さえて・・・・・・・・なんというかこう、『3分間クッキング☆とっさにできる現実逃避☆』とでもタイトルをつけたら似合いそうなぐらいに激しく、現実逃避しまくっていた。それはもう、もしそばから見ている人がいたとすれば、呆れや情けなさよりも前に、笑いがこみ上げてくるほどに。・・・・まあ、本人は一生懸命だし、生温か~い目で見守ってやるのが一番であろう。

 が、そんな現実逃避も、さすがにネタ切れの時がやってくる。ただ、『さすがに』とはいえそこまでの時間、実はたったの計3分。おお、3分間クッキングにふさわしい。・・・・・アホか。

 まあ、他になにかすること(時間つぶし)も思いつけなかった彼は、実に嫌そ~にゆっくりと振り返り、開口一番に、

 

 「うわ、やっぱりいるし・・・・・」


 ・・・・・・・いなくなってるとでも思ったのか?というツッコミを入れてくれる人材は、不幸なことにどこにもいなかった。・・・・・まあ、それは置いとくとして。

 

 「うぅ、どちらさんだろ・・・・」

 

 このセリフに込められた意味は、実は結構深い。例えば相手がおっさんで、単に酔っぱらって倒れてるだけの場合。そこらへんの公園あたりから水を汲んできてたっぷりとかけておけばすぐに目を覚ますし、後は放ったらかしておけばいい。だが喧嘩でのいわゆる『敗者』が気を失って倒れているようなら、いきなり復活して八つ当たりを始める前にとっとと逃げ出すことから最悪『医療遣(いりょうつかい)』や『救急護班(きゅうきゅうごはん)』を呼び出すことまで考えなくてはいけない。


 「まあ、とりあえずは確認だな・・・・ちょっと失礼っ、と・・・って、うわっ!」


 気絶した人を軽く支えながら半身起き上がらせ、とんでもなくびっくりした。そこにずっと倒れていたのは、どこからどう見ても間違えようのない、女の子だった。もちろん、女の子を見てびっくりしたのではない。彼女が、目に毒なくらいの美人だったのだ。

 背中の半ばまで伸びた奇妙なことに藍色の髪、街灯にぼんやりと照らされほのかな銀色に光って見えるきめ細かな肌、そして落ち着いた感じをたたえながらも、どこか可愛らしさの残る美貌。

 だが、その光景に見とれているほどの暇はなかった。


 「・・・・・・ん?こいつぁ、まさか」 

 

 何かを感じ取ったのか妙に低い声色でつぶやいてから、それまで彼女の背中を支えていた左腕を、そうっと顔の前にもってくる。


 ・・・・・・ビンゴした。けっ、また大当たりだな、俺。今日は何か?世界のものごとの全部が全部、俺の最悪の予想どーりに動くようなアン・ラッキーデーなのか、え?


 その手は、手首から先のあたりが、血をどっぷりと浴びて紅く光っていた。

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