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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
さあて、showtime!
28/66

腹黒の黒幕

お待たせしました、取り残され組(笑)の出番です。


あ、それと祓さんの名前を『ロベルト・アラコー・祓』から『ベル・アラコー・祓』へと改名しました。

ロベルトって男性名だったんだね・・・・・。


                   その頃。


 ブンッッッッッッ!!―――――――――――――――ズゴォンッッッッッッッ!!!


「くっ・・・・・・不味い、このままだとあの者の精神がっ・・・・・!」

 

「ヘイ、おっさん!まずは自分の心配でもしたら・・・・・


 ボオンッッッッッ!!


おっと、危ね!・・・・・どうだいっ?」


・・・・・・・あの二人は、まだ同じことを続けていた。すなわち、桑折もまだ暴走中である。


――――――――――おかしい。


ふと、(おっさん)の頭をそんな考えがかすめた。

 まず、暴走の時間が異様に長い。どんなESPでもそれがESPである限り一度は経験する暴走だが、どんな例でもまず3分もすれば元に戻る。なのに彼女はもう、かれこれ10分は暴れ続けている。つまりこれが意味するものは―――――――


 ダアアアアアアァァァァンッッッッッッッ!!!


「・・・・ぐぁっっっっ!」


 そこまで考えた時、タイミング良く(・・・・・・・)右肩に痛みが走る。見ると、肩口の骨が折れていた。そしてその痛みは、


――――――――――やはり、何かがおかしい。


その考えをさらに強めさせた。

 ・・・・・なぜ、ちょうど考えがまとまってきた瞬間を狙い澄ましたかのように命中した?確かにこちらの動きもやや鈍っていたかも知れんが、それにしても・・・・・

 そしてその時を狙ったかのように、横から飛んでくる声。

 

「へへ、御老体?もうへばってきたとか・・・あらよっと・・・・言うんじゃないだろうな?」


そのタイミングの見事さ、そして振りむいた瞬間ちらりと見えた彼の奇妙な動きに、


――――――――――そうか!そういうことだったのか!!


彼の頭の中で、今夜起きたことが全て一本の線で繋がった。そして、

 

「もう()いぞ、『ダイヤ』の。全く・・・・・・大したトリックだったな」


 横にいる敵に、声をかける。すると、


「へー、もうバレたんだ?なかなかやるんじゃない、おっさん?」


 いまだに余裕を失っていない、落ち着いた返事が帰ってきた。と同時に、桑折の体が糸の切れた(・・・・・)操り人形の(・・・・・)ように(・・・)その場に崩れ落ちる。


「けっこう自信あったのになー・・・・なあおっさん、いつから気付いてたんだ?とは聞かないけど、これは聞かせて貰うからな?・・・・・・・なんで気付けたんだ?」


「思い返せば、いくつかおかしなことはあったさ。まず、お前が『クローバー』(われわれ)に対し宣戦布告を突き付けた時。あの時確か、自分のことを『限界能力(オーバーヒーター)』だと言ったろう?」


「あー、なるほど・・・こりゃこっちのミスだな」


「『限界能力(オーバーヒーター)』・・・・・確か、『目で追える(・・・・・)範囲全ての力(・・・・・・)を、物理条件(・・・・・・)をはじめとする(・・・・・・・)いかなる制約も(・・・・・・・)無視して増幅させる(・・・・・・・・・)能力(チカラ)・・・・・だったかな?なら、話は簡単だろう。初めに何を考えていたかは知らないが、そこの彼女があのタイミングで暴走を始めた時に気が変わり、その『暴走』の力を『限界能力(オーバーヒーター)』させた。そして、そこで・・・・」


「さっきの女・・・・祓に難波清明を連れて行かせるための時間稼ぎとして俺はここに残ったと?そんなとこだな?」


「・・・・・まだ裏でも?」


「いや、大体同じだよ?全く大したモンだからね、おっさんは?ただ・・・・・」


「・・・・・ただ?ただ何かね?」


「決定的な勘違いが一つあるんだよ、おっさんの推理にさ・・・・・・まだわかんない?要するにさ、俺は時間稼ぎじゃなくて・・・・・」


「ほう・・・・・(・・・・・な、何を仕掛けるつもりだ!?)」


「初めからおっさん目当てでここに残ってたんだからな?」


「なっ・・・・・・!」


 次の瞬間、(おっさん)の目の前にいきなり現れた『限界能力(オーバーヒーター)』の繰り出した右の拳が腹に重い音と共に命中し、意識があっさりと消えていった。


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