20:『人望のクローバー』
・・・・・・・おい。おいおいおい。おいおいおいおいおい。いやいや、ちょっと待って?落ち着いて考えてみようぜ、俺?はい、深呼吸。
「・・・・・吸ってー、吐いてー、吸ってー、吐いてー・・・」
ああ、周りからの視線×3人分がひたすら痛い・・・・俺は決して痛い人じゃないんだよぉ・・・・・・・ってうん?3人分の視線?ちょっとまとぇ・・・じゃねえ、ちょっと待てオイ!なんで俺の顔した怪しい奴2号(1号は目の前にいるおっさん)にまで憐みの目向けられなきゃなんねえんだよ!
(えっと・・・・ねえ、クローバーのおっさん?アンタらのとこの王、ココ大丈夫?)
(む、むう・・・・)
さらっと本人の前で失礼なことを聞くな俺。そして答えに迷うなおっさん。完全に傍観者の顔してんな桑折。
「・・・・・お前ら相当ひどい奴らだな」
「いきなり何言い出すのよ!」
「おいおい清明君、どうしたと言うんだい」
「ねえ、そこのそっくりさん?君さ、人に向かっていちゃもん付けた自覚ある?」
・・・・・お、お前らなあ・・・特に最後のがムカついたぞオイ・・・・あいつ殴りてぇ・・・・!ってか、本気で聞こえなかったとでも思ってんのか?
でも、ここまではまだ俺も我慢してられたんだ。ただあの『俺』がそこで追い打ちを・・・
「んー、まあいいかなー?頭以外は丈夫そうだしね?・・・・・・これならクローバーは楽勝だな、ボソボソ・・・・・」
・・・・・な?まともな神経なら怒って当然だろ?で、俺は考えるより先に手を出すことを自認するタイプだ。ん?誰だ今「開き直ってるだけじゃん」とか言ったのは?お前から先に殴るぞ!
・・・・・・で、そんなワケで拳を出したんだよ。右の、いわゆるストレートを。で・・・・
「んなっ・・・・・」
「ふーん?まあ、一般人ならこんなもんかな・・・?でも、そんな大したことは無いね?」
俺にとっちゃ確かに、それを止められたのもキツかった。馬鹿にされたのもな。けどな、あのむかつく茶髪の俺が言った『一般人』ってとこに一番腹が立ったんだよ!
少し考えてみろ。一般人?一般人だ!?ならなんで俺たちは差別される!!人にない特殊能力があるってだけで、なんで怖がられて、怪物扱いされて、こんな壁の中でしかまともな暮らし一つできねえ?それでもまだ俺らのことを『一般人』なんて呼ぶ気か!!もう一回そう呼んでみろ!?もう一度俺の前でそれを言ってみろよ!!
「いいよ?・・・・・寝ぼけたこと吐かしてんじゃないよ、この一般人さん?」
「お、お前っ・・・・!!」
「そんな程度の覚悟で・・・・そんな程度の気分で、この世界に首突っ込むな!?お、お前さえいなけりゃ僕も・・・・・僕も何も無かったんだぞ?!!今、この場でもう一度名乗ってやるからな!?僕は通称『ダイヤの王』――――――――――能力名は『限界能力』!!難波清明、貴様にこの場で宣戦布告する!」
はい、なんだかもうワケが分からない内容になってますね。
大丈夫、最終的にはまとめ上げます。
では、ちょっとだけ先のヒントを。
Q:『ダイヤ』、『クローバー』ときたら後は何でしょう?
答えはまたいつか、本編で!