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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
キング=ジョーカー~手札配り~
19/66

ピエロとキング(下)

「「人生が・・・・ただのゲーム?」」


 ん、ハモったな。まあ別に放っておこう。

 ・・・・・え?シカトはないだろうって?よーしわかった、正直に言おう。あのな、下手に口出して殴られんのは御免なんだよ、俺だってな!なんか文句あるか!?


「随分、仲がいいようだね。良かった良かった」


 おっさん・・・・・た、頼むから!今は口出すなこのアホォォォ!!しかもなんなんだその内容はよおっ!何が!?何がいいんだおっさん!?

 

「んなことは()え!」


「ち、違います!!別にそんなんじゃ・・・・・」


「・・・・・・どこがだい?まあ、人それぞれなんだろうな」


「やかましいわっ!!な、なあ頼むわ。早いトコハナシを元に戻してくんねーかな?この分だともうすぐ本気(マジ)ギレするよ、俺?ガチでボコスコに殴り回すからね?」


 ・・・・・・おい、桑折。そこまで怯えた顔しなくてもいいだろうが。別に俺だって毎日喧嘩ばっかやってるわけじゃ無いんだぞ?人より断然多いのも否定できないけどよ。


「おやおや、いいのかい?彼女さんに怯えられてるぞ?」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。ヘ?今アナタハ何トオッシャイマシタカ?

 ・・・・・・・・・・これは不意打ちだ。不意打ちすぎる不意打ちでまさに不意打ちだ。ん?今何回『不意打ち』って言ったっけ、俺?


「・・・・・・・。(絶句)」


「・・・・・・・。(〃)」


「おや?まさかこの後に来てまで『違う』とか言い出す気かい?今時珍しいくらい奥手なアベックだね、お二人さん?」


「あ、アベックって・・・・・もう相当な死語だぞ・・・・・・・」


 あ、なるほど。とりあえずツッコミに回ったか、俺の口は。でもそうだよな、今時『アベック』て。


「ん?古いかい?」


「「十分以上に古いわっ!」」


 うわ、またハモッた。最悪だ。最低最悪だ。最大級に最低最悪で、まさに最悪なバッドタイミングだ。・・・・・・って、これじゃワケわからん。

 うぅ・・・・せ、せめて話を元の位置に戻そう。でないと、俺が人間的にどこか壊れちまいそうだ。


「そ、それで!?いつになったら人生〇ームから先に進むんだ、おい!?とっとと続き言え、続き!!」


「別に人生ゲー〇なんて縮めてくれなんて頼んだ覚えは無いんだがね・・・・・」


「い、いいから答えて下さい!!」


 桑折、ナイスアシスト。でもな、さっきのセリフに対してどんだけ怒ってんのかは知らねえけど、顔、真っ赤だぞ。それもムチャクチャ。それじゃあ返って逆効果じゃあ・・・・・ちっ、なら俺がせめてこれくらいは言っとか()えとな。


「おっさん?今ハナシこじらせたら・・・・・・マジで人相変わるまでエンドレスで殴る」


 さすがにこれで身の危険を感じたのか、やっとおっさんの話は始まった。つ、疲れた・・・・・。


「ふむ。ではさっきの続きだが・・・・・・万が一のために聞いておくが、君たちは『人間:パターンT』という言葉を知っているかね?」


 え、どうなのかって?もちろん、俺も桑折も黙って首を横に振ったさ。知らねえモンは知らねえよ。ってかおっさん、またキャラ変わってるよな?


「まあ、そうだろうな。その方がありがたい。では、そこから説明しよう。まず、この地球には大きく分けて二つの世界がある。一つはここ、≪シティ≫側だ。そしてもう一つは≪外≫の側。この二つの世界はかれこれ数十年間パワーバランスが取れている。これは小学生だって知っていることだ。だが、『おかしい』とは思わないかね?片方が極端すぎるんだよ。地球上の広さ・資源・人口のほぼ全てを持つ『世界』に対し、面積は北海道以下、資源も大したものが採れる訳でもない、人口にしてもせいぜい一万分の一・・・・いや、もっと少ないだろう―――――――――こんな≪シティ≫がなぜ数十年も『世界』と互角にやってこれたのか、不思議には思わないかい?」


「ちょ、ちょっと待って下さい!それは≪シティ(ここ)≫にいるのがESPだから!そういうことじゃないんですかっ?!」


「ESP・・・・・か・・・。確かに、それもあるはずだ。そして、そんな環境だからこそ成り立つ超最先端の技術・・・・・それの存在も理由の一部だろうな」


「な、なら!!」


だが(・・)


 そう言って、桑折の話をおっさんは遮った。


「それにしてもおかしい。ESPだって人間だから、能力(チカラ)を使わない状態で銃に撃たれたら死ぬ。直接向かい合ったって、心臓を杭で打つ必要はない。そこらのナイフで十分だ。なら―――――――なぜ(・・)戦争を(・・・)仕掛け(・・・)られて(・・・)いない(・・・)()(てい)に言おう。今の≪シティ≫と『世界』が戦争をしたら、百回中百回≪シティ≫が負ける。ではなぜだ?――――――――――この疑問を覚えておいてくれ、次の説明が少しはすんなり理解できるようになる」


ア・・・・・アレ?『次の説明』って何?これで『ピエロとキング』篇も(下)だよ?


・・・・・冗談です。ご安心を。ちゃんと説明はやります。しかし、思ったより長くなっちゃったなぁ・・・・・・。

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