ピエロとキング(中)
はい、中編です。
この意味不明なタイトルの理由もここで・・・・・・アレ?出せるかな(笑)?
ま、まあ、とにかくどうぞ~。
「・・・・・・・・・・。」あ、これは俺。ん?何もしゃべってねえ?うるせー。
「・・・・・・・・・・。」んで、こっちは桑折。だからしゃべってねえって?やかましいわ。
「・・・・・・・・・・・・・・・・。」これはあのおっさん。意味深な沈黙に見えなくもないけど、こりゃアレだな。自分がスベッたことに今更気付いちゃってすっげえ困っちゃってるタイプのだんまりだな。間違いない。顔赤いし。ちょっと俺らより長いし。
「あ、あの・・・・・あ、あなた誰・・・です?」
とりあえず、口火を切ったのは桑折。ふむ、ここで『さすが真面目ちゃ~ん!』とかいった茶々を入れるとロクなことがないってのは俺だってわかってる。わかっちゃいるけどやめられな・・・・・ってふざけんなぁ!!思考停止ィッッッ!!!
「・・・・・・それでアンタは何さっきからごそごそ独りで喋ってんの?」
う、聞こえてましたか。さてどんな悪口ぶつければ一番こんな時でも効果があるか、と一瞬不毛なことで現実逃避を図ろうとした俺を止めたのは、意外にもあのおっさんだった。
「その・・・・・し、失礼した。コホン(咳払い)。あ、あー、それで、難波清明君だね?」
えっと・・・・・・せめて落ち着いてから話しかけて欲しいんだけどな。ムチャクチャ気まずいじゃねえか!ったく、しょーがねーからスルーしてやるよ、ここは。ん、そう言や桑折もなんか喋ってたよな、たしか。ぎゃはは、無視されてやんの。
「まあな。んで?俺、一応用事あるんだよ。だからとっとと脇どいてくんねえか?あんまりコッチも今機嫌良くはねぇからさ、怪我しねぇウチによ!」
「ちょっ・・・・・!アンタ、さすがにその言い方はマズイんじゃ・・・・!」
「(はあ!?お前、こんな深夜帯にこんな怪しすぎるおっさんだぜ!?しかも俺は嘘をひとっつもついてねえ。今は急いでて、機嫌が良くねえ。だからこれ以上邪魔するってんならあのおっさんはガチで殴り飛ばす!何が不満なんだよ?)」
「(不満とかいう問題じゃない!・・・・・・でも、アンタそんなにさっきの娘のこと心配で・・・・・ゴニョゴニョ・・・・・・・・)」
「(ハア?悪ィ、後半からなんて言ってんのかわかんねえ。つか聞こえねえ。もうちょいハッキリ言いなおせこのアホ!)」
「・・・・・ッ!この鈍感ッっっっ!!!」
ハア!?だからその『鈍感』ッてのはどっから出てくんだよ!!あ、( )の中は小声の会話な。
・・・・・・・ま、
「このアホが馬鹿みたいな大声で叫んだ挙句に馬鹿みたいに暴れやがって、そのせいで全部意味なんざ無くなっちまったけどなぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「な、何よいきなりっ!!アンタが鈍感だから悪いんでしょう!!?」
「お、何か!?俺のせいだとでも言う気かぁ!?てめぇどの口がんなこと堂々と言えるんだ!!?」
・・・・・ああ、もちろん忘れてないぜ?完っ全に会話に取り残されたおっさんがこの間ずっと、一っ言もしゃべらな・・・・あー、喋れなかったってだけのハナシだよ、んなもん。まあ、これで会話に入って来れたら十分な勇者だけどな。
「ふむ・・・・・・仕方ない、か。よし・・・・・『クラブの10』として忠言しよう!『王』!『王女』!静まりなさいっ!!」
わ、勇者だ。でも面白くないのは、本当にそれでなんとなく俺達が黙っちまったことだ。まるで、こう、急にそうしたほうがいいような気がして・・・・よ。ま、殴られる前に終わったのは思わぬ収穫ってやつだ。なんだけどよ・・・・
「なあ・・・・、おっさん。あんた一体何者なんだ?」
すると、おっさんはようやく話が通じた、と言わんばかりの笑顔になって、
「ようやく話が通じるようだね、難波清明君。」
「ほぼそのまんまじゃねーか」
「?」
「こっちの話」
いや、どうでもいいことだけどな?
「・・・・・それで?」
「と、言うと?」
「とぼけんじゃねーよ。答えはどうしたんだよ、おっさん?」
「ふむ・・・・・私、か・・・・どうしたものか・・・・・・だが、やはり教えないと危険だろうしな・・・・・だが今教えるというのもいささか・・・・・・しかしここでピエロを手放すのも痛い・・・・さて・・・・・・」
その後もしばらくおっさんは悩んでいたが、やがて意を決したように、
「よし、わかった!いいだろう、では君らにはわかること全てを話しておこう!もうこの際、そ
の方が安全だろう!」
一声叫んだあと、こちらの方を睨むようにして(ちょっと驚いた。あの目つき、そこらへんの不良なんぞよりずっと鋭い)から、おっさんはいきなり話し始めた。
「君たちは、こんな言葉を知っているかね?いわく、『人生はとびきり複雑だが、所詮ただのゲームでしかない』」
う~・・・・結局出せなかった(笑)。
でも、次には出しますからねっ!