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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
キング=ジョーカー~手札配り~
17/66

ピエロとキング(上)

「んな!?」


 ・・・・・・お、驚いた・・・・・。そこには、チビのおっさんが一人立っていた。背が低めなことを除けば、ほんっっっとにどこにでもいそうな、中堅どころのサラリーマン、といった顔立ち。だ、だけど・・・


「う、ウソだろ?気配が・・・・」

 


 くっ・・・。このおっさん、ただ(もん)じゃねえ。桑折は俺と違って喧嘩慣れしてないから、上手くやれば気付かれないかも知れねえ。だけど、俺もだぜ?この俺までこんな距離に近づいて、しかも声かけられるまで気付かなかった・・・・・あぁ?さりげなく自慢すんな?自慢なんてモンじゃねーよ、これは。あーっ、うん、まあ、喧嘩三昧はともかくとしてだけど・・・な。でも、これだって自慢にゃなんねーよな。

 んなことを考えてたら、そのおっさんがもう一度、口を開いた。やたらとうっれしそうに、ニヤニヤと笑いながら。


「キヒヒ。どぉうしたんですかぁ、皇帝どのぉ?あっしのこと、覚えてねーんですかい?」


 うおお・・・・・・な、なんというか・・・こう・・


「な、なんというか・・・・・す、すごいギャップね、あの人・・・・」


 ・・・・ありがとな、桑折。俺の感じたことを、一言で表してくれて。やっぱ勉強できるヤツは言葉の選択も正確だ、うん。

 ・・・・・・。・・・・・・・・・。・・・・・・・・・・・・・。ハア・・。よし、現実にも目を向けよう。イヤだけど。なんかすごい関わりたくないけど。えーと、なんて言ってたっけ?


      『覚えてねーんですかい?』


「知らんわっ!!!」


・・・・・あ、ヤベ。ついついまーた怒鳴ってた。でもなあ・・・・・こんな変なおっさん、一回見たら忘れるワケにもいかんだろ、普通。

 と、そこで、おっさんはもう一回口を開いた。顔はそのままだが、口調はがらりと変わる。


「いいのかい、皇帝様?アーッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャ!」 


 やっと閃いた。


「・・・・・・・ん!!・・・・・て、てめえ、あん時の・・・・あんときゃずいぶんと世話になったよ

な、オイ!」

 

「―――――どうだい?思い出せたよーだな!すばらしいぞ難波清明!それでこその君だ!()も頑張った甲斐があったというものだ、ハッハッハッ!」


 く・・・・・や、やりづれえ・・・なんでさっきとはキャラも一人称も変わってんだよ・・・・・って、そうじゃねえ!


「も、もしかしてアンタの知り合・・・」

 

「ぜってー違う」


 桑折・・・・・・頼むから、今は口挟まないでくれって。俺だってもう、何が何だかわけわからねえんだからよ・・・。それにしてもこのおっさん、いったい何考えてやがるんだ?


 

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