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科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
シャッフル開始
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行動開始!・・・・・①脱出partⅢ

また作者の悪い癖が出てます。全っ然話が進みません。今回も時間では一時間も進んでない・・・・・が、作者はもうここでふっきれてしまいます。


まだ読もうという(奇特な)人、これからもこんな調子になってしまいそうですが、よろしくお願いします。それでは、どうぞ。

―――――ひっくり返してやろう―――――


 そうは思ったものの、まず仕掛け(ルール)通りに動かないことには、ゲームそのものが始まらない。ただ問題は、体の傷と疲労が思ったよりはるかに深刻で、一歩動くのにも精神力を集中させなければならない。さもないと床に崩れ落ち、そのまま気を失いそうだ。

「くっ・・・・・・・」

 廊下から玄関(多分)までの道のりは、ざっと5~6メートルほどの直線距離。ただ逆に言うと、その直線な廊下がずっと後ろまで続いているために、後ろから人が来れば一発で見つかってしまう。隠れられるような場所は一つ二つあるのだが、そこに素早く転がりこむことのできる自信は・・・・そして気力も・・・・ない。それがよくわかっているからこそ彼女は、懸命に壁に寄りかかりながらも足を動かしてゆく。だが、出口は一向に近づいたようにみえず、むしろ遠ざかっているような気さえする。


―――――まさかな。考えすぎであろう。―――――


 そう考えた時、この≪シティ(まち)だからこそ(・・・・・)ありえるとある一つの可能性に気付き、思わず足を止めてしまう。


―――――もし、空間をいじるようなESP遣いが一人・・・・・・いや、なにも空間ごといじる必要はない。ちっぽけな幻術(・・・・・・・)を一つ、自分にかけるだけで。たったそれだけで、本当に私を出口から遠ざけることができる!


「・・・・・だ・・が・・・まだ、・・・そうときまったわけ・・・では・・・・ない!そうだ・・・としても・・・・・止まる・・ことは・・・・・私は・・・・しない・・・はずだ!」


弱々しい声だったが、自分の覚悟を声に出したことで、多少なりともスッキリした。そして、ともかくもう少しこの方向に歩き続けようと、とりあえずの方針も決まる。



――――――――――そして、十分もたったころだろうか。

 ついに彼女は、体を引きずりながらもようやく、外の澄んだ空気を吸うところまで至っていた。しばらくの間呼吸を整え―――――といっても万全には程遠いが―――――た後、再び移動を開始する。だいぶ時間を使ってしまったが、まだ大丈夫だろうか?

 そして彼女は、歩き出す。・・・・・・・が、自分の居場所がどこかわからないことに気付き・・・・・端正な顔をほんの少し赤らめながら、なにかのヒントになるだろうかと、今まで自分のいた家―――――寮やアパートの目立つ≪シティ≫のなかでは、かなり分かりやすい目印になりそうだ―――――の表札を見る。

「・・・・なんだ?てん・・・いや、あま・・か・・い?天下谷(あまかい)?」

その後も1~2分の間首をかしげながら考えていたが結局、


―――――何か違うような気もするが、まあ字面だけでも十分だろう。


そう結論付け、とりあえずその場に背を向けて、今度こそ歩き出す。彼女はそのまま、二度と振り返らなかった。


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