表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
科学な都市の四方山話  作者: 久本誠一
シャッフル開始
10/66

行動開始!・・・・・①脱出partⅠ

んーと、やっと彼女が目を覚まします。ただ、名前はまだですが。まあ、そこはおいおいということで(笑)。それでは、どうぞ。

 時間は少し前に戻る。


―――――・・・・・ここ・・は・・・?


 それが、彼女が最初に思ったことだった。麻酔でも打たれたのか、体もうまく動かないし、頭も今一つはっきりしない。それでも、自分がまだ生きていること、体がベッドに縛られていないことは、なんとかわかった。が、ここがどこかわからない以上、安心はできなかった。


―――――まずは、此処(ここ)から出てみるべき。


そう踏んで、動くことができるかどうか試しに指を一本動かしてみる。が、すぐに鋭い痛みが麻酔を通して走り、思わず顔をしかめてしまう。だが、おかげで少し目が覚め、身じろぎしたせいで自分のいる場所が病院のような施設だということがわかった。周りの様子と一緒に、自分の体に包帯が巻かれているのも見えた。その手当てを見て、


―――――状況から見ても、あっち(・・・)の側ではなさそう。もしあっちに捕まっているなら、傷口に酸ぐらい塗られていても不思議ではない。でも、まだ油断はできない。もし、これが罠なら?あるいは、単に拷問や尋問のために生かされているだけなら?


そこまで考え、自分の思考を打ち切る。どうなるかわからないことは、いちいち心配しない方がよさそうだ。どうせ体も動かないし、罠だとしても逃げられない。

 

―――――ただ、本当に此処は何処(どこ)なのだ?


 すると、ドアの外から足音が一人分聞こえてきた。慌てて目を薄くつぶり、こっそり侵入者の顔を見る。どうせ拷問や薬物(じはくざい)の専門家でも来たのだろうという彼女の読みは、いい意味で外れた。そこにいたのは自分と同じ年恰好の女性だった。そう、我らがドクターにしてここの院長、天下谷桑折である。

・・・・・まあ、彼女は当然、そんなことを知るはずがないのだが。ちなみに、彼女の第一感想はこんなものである。


―――――この女は何だ?ずいぶん若いようだが、こんなのが私から情報を引き出せるとでも思っているのか?それとも、ここの院長の情婦(いろ)か何かなのか?


・・・・・・・・同じ内容をくり返すようだが、彼女はこの家に『医者』という存在が一人しかいないことを知らない。無知は力なり。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ