-Episode.∞-
パソコンの画面に浮かぶのは真っ白で両目から血を垂らした顏。
この顏だけの化物が延々と追っかけ来るゲーム。
「うわっ! やられた! 怖いなあ!」
僕は最近流行っているというネットのフリーホラーゲームをプレイした。
あ、そろそろ時間になるか。
何年かぶりに「やよい」の面子でZOOMオフ会をしようってなった。
店長の親子があれだけ悲惨な末路を迎えたのに山村さんも大した度胸だ。
3人ともあれから変わった様子はなかった。
芽衣子ちゃんはコンビ二でアルバイトをすることになった。
それで山村さんはなんか変な事を話していた。
『私ね、矢野さん親子がどうして死んだのかをずっと調べているの』
『あの、それって仕事の話じゃなくない?』
「芽衣子ちゃんのいうとおりだよ。山村さんは仕事をしていないの?」
『それにすごく嫌な気持ちになるよ。また思いだしたいっていうの?』
『ふふふ。ちゃんと仕事はしているわよ? 表にはだせない仕事ぉ~』
何か変だ。何か気色悪い。顔が真っ白だもん。
『こう言っちゃあ何だけどさ。山村さん、顔色が悪くない?』
「おい、こら、そんなことを言ってやるなよ?」
『そうよ? 私は今の自分の顏が一番綺麗で美しいと思っているわよ』
「あはは。山村さん、しんどかったら無理に冗談は言わなくていいよ?」
『ごめん、すごく気分悪い。私は落ちるね』
芽衣子ちゃんはそういってZOOMを切った。
うげっ……この山村さんと2人きりかよ……堪えるなぁ……
「あはは。それで表にはだせない仕事って?」
『天国に案内する仕事』
「へぇ……綺麗な殺し屋しみたいな……?」
『うふふ。興味ある?』
「僕は今のお店の仕事で満足しているからいいよ」
『うふふ。貴方って意外とつまらない男の子ね?』
「そう言わなくてもいいでしょ」
『矢野さんも琉美ちゃんもこの仕事をはじめたの』
「あの2人は『やよい』が仕事だったでしょうが」
『いいや。本来は違う。人間は天国を教えてゆかないといけない』
「あの、話についていけないのだけど?」
『私もじきにいく。だけどみんなが本当の事を隠すからね』
「あの? どういうこと?」
『預言よ。うふふ。うふふふふ。うふふふふふふ。うふふ』
山村さんの眼から涙が流れるように血が流れた。
「うわああぁぁあああああぁぁあぁああぁああ!?」
僕は大声で叫んでパソコンを叩くように閉じた。
その勢いのままに電源も落とす。
それから数か月後、風の便りで山村さんが自殺したと知る。
僕はパソコンやスマホの画面をみるたびに画面に白い手が浮かぶのが視えた。
嫌でも視える。
だけど気にしても仕方ないから無関心を装って生きている。
そんな僕だけどやっぱりホラーや都市伝説は大好きなもので。
最近話題の「降霊神話」をずっと調べてまわっている。
気のせいかな。鏡に映る僕の顔はあのときの山村さんのように白くてーー
∀・)読了ありがとうございました♪♪♪いやぁ~何とか間に合いました(笑)何年かぶりの夏のホラー参加であります(笑)今回は「劇団になろうフェス」も絡めるという事で特殊な作品にはなっていると思います(笑)劇団になろうフェスで夏ホラー2024参加って僕だけじゃないかしら(笑)
∀・)矢野昭さんは弥生双吾さんなので竹中直人でバッチリ脳内再生しておりました(笑)
∀・)サンプリング的には映画「Search」ですね。あの映画をカルト風味にしたというか。なんにしてもホラーとして楽しんで貰えたら何よりです。また来年の夏ホラーも参加したいぞ!っていうイデッチでございました☆☆☆彡