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第五階位・異章 彼女達の決意

※この作品は第五階位の裏話です。裏ルートです。


瀬名「べ、別に本編に書ききれなかったとかそんなんじゃないんだからねっ!」


第五階位のネタがバレますので第五階位よりも先に読むことはお控えください…。


この作品は若干の鬱含み、また様々な設定によるものです。読まなくても支障はありませんが、より世界を知るためのスパイスとしてお読み下さい……。




よし。仕事完了。


それじゃ、詳しくは後書きで語るとして、今回は注意書きを一つ

『この中の事象・現象・年号その他全てはあちらの世界のものです。現実世界には一切関係有りません』


以上!


それでは、彼らのお話が始まります!

私はノウラ・ユーフェミリア。7人家族の真ん中だった。

住んでいたのは海が見えるあまり大きくない町。30分も歩けば町を横切ってしまうような町でみんな幸せに暮らしていた。


父親は町のパン屋。町で一番人気のフランスパンは友人達にも評判だった。


母親は町の顔。誰からも知られておりフランスパン以外のパンが好きな人だった。


兄は勉強家。新しい事を覚えたら皆に教えてまわり、知ってる人がいると知らないことを見つけるまで知識を漁る人だった。


姉はピアノ奏者。誰もが憧れるような町一番の奏者だった。よく年末の演奏会に呼ばれていたっけ


弟はまだ子供。好奇心で首を突っ込んで、よく泣いてるような子だった。

妹は反対に大人びていていつも弟を「だめじゃない!」って怒っていた…。



なのに、2014年、第三次世界大戦で…私たちは滅茶苦茶になった。お父さんは戦場へ、お母さんはパンを売れずに畑を作り、兄は妙な宗教にハマってブツブツ呟く人に!姉は頑張って音楽で人を癒そうと国を転々と渡り歩き、弟は軍で少年兵!妹もまた学校で怪我人の治療!




…それだけならよかった。

お父さんが一時帰国し、姉も急いで戻ってきて私たちが集まったあの夜。警察が妙なタレコミを吹き込まれてやってきたのだ!

家に勝手に入ってきて、いきなり

「爆弾を密造し、空港を攻撃するスパイ容疑で全員逮捕する」

そう言ったのだ!

あぁありえないありえない。私たちは無関係なのに!

「嶺さん!」

「………。」

呼ばれて入って来たのは、ボロいコートを羽織った少年。私よりは幼く、弟達より年上の少年は疲れた目で私たちを見た。

「国令10804195221号によりあなた方を拘束します。抵抗するならば殺せと政府より命じられています…。抵抗しないよう願います」

少年は手にした剣を私に突きつけた。

「はやまらないで」

父親と母親は唖然としていたが、兄は違った。狂ったように叫びだして、突然壁を殴り付けたのだ!

壁が崩れて、壁と壁のわずかな隙間に…カチカチと時を刻む何かがあった。

「TNT3kg。この周囲が吹っ飛ぶぞ」

それが…兄の最後の言葉だった。

少年の剣が投げられて兄の眉間を貫いた。そして彼はテーブルの食事を飛び越えて剣を引き抜いた。着地する前に円を描くような血状痕が空中に浮いていた。

彼は姿勢を低くしたまま近くにいた姉を、母親を、父親を、妹を的確に殺して、近くにいたペットの犬まで刺し殺した。

「解体お願いします」

少年は爆弾を警察に任せると弟を突き刺した。弟は泣きそうになりながら私を突き飛ばした。直後に紅い鮮血が私を包んで………。




「力が欲しいかい?」

誰かの声が耳元に聞こえた。

「生きたいかい?」

この中の誰でもない声。私はそれに答えた。力が欲しいと。生きたいと!それに応えるように世界が白く霞んでいき…私の意識は途切れた。俺はヴァンス・ノベリス。ヨーロッパの片田舎で娘と二人暮らしをしていた。

特に何もない森に囲まれた田舎だったが、ある日、近くを走っていた警察車両から連続強盗殺人犯が逃げ出し、村に逃げ込んだという噂が流れた…。私たちは半信半疑だったが白いコートを来た少年が現れてから全てがおかしくなった。

村では毎夜誰かがいなくなり、翌日になって変わり果てて見つかる。そんな毎日が続いた。私たちは少年に詰め寄った。

「お前は何者だ。疫病神め!」

少年は力なく笑って答えた。

「僕は嶺。政府の依頼で犯人探し中だよ」

その態度があまりにも腑抜けていて私たちは怒りに震えた。コイツさえいなければ!村の誰もいなくならずに済んだのに!

……そう思っても遅かった。既に犯人は今夜の犠牲者を探しに暗躍していたのだ。酒場で夜食を食べていた少年を憎むとしたら……まさにこの時、この瞬間だ。


家に帰ると窓が割られていた。

そして家で寝ていたはずの娘……ルーシーの姿がどこにも無かった。寝室も、リビングも、屋根裏にさえも娘はいなかった。そして、翌日娘の亡骸が見つかった……。私は呪ったさ。犯人を見つけるのが遅かった少年を。そして娘を残して家を出た自分を!


「ならば、罪滅ぼしをしないか?」

どこからか声が聞こえた。

「我々は世界を変えようとしている。誰も悲しまない、子供の命が奪われない世界にしようとしている」

あまりにも、話が上手すぎた。だがそれは私の心からの願いそのものでもあった。だから答えた。力を貸させてくれ。と

意識が薄れて、世界がぼやけていった…俺はジェイル・カーバンクル。俺には他の人間と違って個人的な恨みはない。俺にとって憎むべきは単調な世界を継続させる学園だ。

派手なことをすれば奴等は飛んできて、すぐに弾圧する。そんなツマラナイ世界は昔から嫌いだった。仕方がない、ルールだから。そう言って自分からの逃避を続ける奴らが俺は昔から許せなかった。だからこそ、俺はオラクルの呼びかけに答えた。

「世界を変えてみないか?誰もが自分のあり方を見い出せ、誰もが自由に主張できる世界を作らないか?」

「あぁ。いいぜ。面白い世界だ」

そうして、俺の意識は薄れていった。四人は訓練を受けた。基本的な格闘術、世界の構造、そして理想とする世界のあり方…。私ノウェム・カタロタスはオラクル様より命じられて彼らの監督をした。

時には武器を手に戦い、時には叱った。私の部下は三年前にみな……風翼嶺達、『死神』によってこの世を去った。彼らはみな革命児であり、世界の一部だったのに奴らは……奴らは大義名分を掲げて部下達を切り裂いていった。

今度は彼らを失うまい。そして、万が一の場合には私が奴を……。嶺を引き付けておこう。保険として一つだけ手を講じておく。『我々のうち四人が死亡した時、最後の一人に希望を託すために』オラクル様の目を盗んでこの『死者の鍵』を使えるようにしよう。これは賭けだ。だが…発動すれば勝機はある…。だが、それでも願わくば、発動しない事を祈る…………。最後に残ったノウラは剣を手に、死者への祈りを捧げた。みんなの声が、記憶が、魂が流れ込んでくるのが分かる…。なんだかとても満たされた気分だった。 私は一人じゃない。みんながいる。そう。みんなの声が聞こえる……。敵をとってくれと叫んでる。私はみんなの願いを聞き入れた…… 私の家族を、ヴァンスの娘を、ルーの父を、ノウェムの部下を、ジェイルの世界を奪った嶺を私は殺す。

そう、私はみんなの復讐の代行者。私にしかできないことを、私はやり遂げてみせる。


決意を胸にノウラは剣を、月を蝕む死者の門に向けた。そして叫んだ。

「私に力を!世界を変える力を貸して!願いを力に私はみんなを背負うから!」





ほら。みんな…来てくれた。

後書き


どうも。前書き・後書き全削除をやらかした白燕ですorz

今回は鬱話になってすみません…。でも、彼らのストーリーは本編に組み込めず…こんな5.5のサイドストーリーに…。反省してます



そして本編は、先日いただいたアドバイスを元に意識して書いてみました。どうかな?見やすいかな……。

見やすいといいな……。



―――――



さてさて。今回のキャラはほぼ全員が『嶺に対しての憎しみ』を持っています。これはたぶん、現実でも多いんじゃないかな?

誰かを傷付ける気ではなくても傷付けてたり、気付いたらお互いで憎しみ合う関係になってたり…案外ありますよ?(遠い目)


だから、嶺の過去と折り混ぜて彼らの過去を結ばせてみました。でもノウェムはまだ死なせる予定じゃ無かったのに…。と若干後悔してます。ちょびっとだけ。



それから、とある方のページで異世界物についての議論を拝見させていただきました。とても興味深い内容でなるほどとうなずくこと多数。無敵キャラの比重の高さに改めて驚きました。無敵だといじれないじゃん!(嶺的な意味で)

キャラ構築にはさらなる幅があるなと思い知らされました…。本当、目から鱗でした…。


それでは、後書きはこのへんで。

珍しくネタバレしてますし(後書きネタバレはどうなんだろうか?)次の執筆に移りたいと思います。

それではまた次回。本編でお会いしましょう~(=□=)ノシ

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