遊園地
「此処が裏の世界の遊園地・・・・某巨大なネズミのテーマパークと某巨大な地球儀が置いてあるテーマパークと合体した様な所ですね。」
見上げる看板には、この遊園地の名前が書かれている。
「仕事が始まると思ったら、遊ぶのかっ!、しかも裏の所で、貴方がこういう所に来るなんて驚き。
というか罪深い人でもこういう所来るんですね。」
辺りを見渡すと年齢問わずの人々が集まっている。
「人間なら娯楽はいるだろ、これも任務だ」
彼から差し出されたチケットを受け取った。
正直乗り気じゃないけど。
行くとなれば、これだけは言っておく。
「絶対事故らなそうな乗り物に乗りましょうね!?。もし乗るなら表の世界で乗りましょう。うんうんそれが良き」
何度も頷く私の隣を
おーと適当な返事ですり抜け、入り口へと行った。
「ちょっと待って!置いてかないでー!」
スタスタスタ
気分が上がるBGMと共に、スタッフが出迎える。
入ってみれば、意外と普通なのだが
あちこちを見渡すと、とてもワクワクする要素が沢山ある。
お土産屋さんも輝いて見える!行きたい!
マスコットも居るのだが、デザインは完全オリジナルで普通に可愛かった。
「あ~写真撮りたいな!でも・・・」
「撮ってあげようか?」
考えた結果、遠慮した。
本当は撮りたかったけど、なんかアレだしやめた。というか断念した。
隣の彼は躊躇なくカシャッカシャッと様々な角度で撮っていた。
「早速だけど何か乗る?」
撮り終えた彼がパンフレットを広げ、私にも見せてくれる。
いや、特に無いのだが・・・・
「シニタクナイです」
「分かった、じゃああれ乗ろう」
自然が囲む広い泉をスタッフが船でまわってくれる
アトラクション?らしい。
「あれなら・・・良き!死ななくて良き!」
「沈没する可能性もあるな」
「今折りましたね?希望の心を!」
・・・・・。
列に並んで大人しく順番を待つ、
そして10分後、ようやく順番が来た。
船の乗車可能人数は6人なので、後ろに並んでいた4人も乗り込む。
「いざ出発です!」
可愛らしい船長さんが、出航の合図をし、ツアーが始まる。
この場所を楽しく説明してくれたり、滝をくぐったりして普通にはまりそう。
乗り終えて最初の一言が
「良き、かなり良き!」
と感動してた私を
彼は興味無さそうに
「そうなのか?それは良かったな」
と一言、
でもお世辞でも優しく笑ってくれたのは、私より大人なんだなって。たぶん私が非常識でガキのままで止まってるんだと思う。
これ以上、置いていかないで欲しい思いはあるのに
中々私は色々な面でも成長しない。
ざわざわ
突然向こうの広場がざわつきだし、意識は現実へ戻る。
私はその先を見ようと背伸びしている間に、背が高い三音は、すぐに表情を厳しくし、私の手を強く引き、ちょうど向こうから見えない所に身を持ってかれる。
「まさか全員おそろいとは思わなかったな。この遊園地を造った創造主だけかと思った」
「どういうことですか?」
「バレずに見ろよ?」
彼に、抱き上げて貰い、広場を見ると
5人のグループを見て、眉を潜める。
最初に口を開いたのは、オッドアイの男性。
「お前は暇人か?こんな場所を造るなんて。呆れたもんだ。裏でありながらこんな遊園地を」
「白い髪にオッドアイの男が5柱の1、狂態。一番強い位の者であり、あっちの組織のリーダー格」
「えー意外と満喫してるじゃないですか、狂態。このツンデレめ♡」
きっしょと全員から引かれたのに気づいて、
笑いながら、冗談ですよー本気にすんなよ、と訂正している。
「オールバック髪で軽そうな男は5柱の2、陽楽。活動範囲が広く掴めない奴。」
「だから、最近表の遊園地帰りの姿なんですね。土産を持ってこられても忙しい身としては殺意が沸くだけ。
もう少し私のピーク時期をおさえて貰っても良いですか?
陽楽」
車椅子を動かして、現われる落ち着いた雰囲気の男性だが表情は大人しくない。
「あいつは、情利。5柱の3の位を持つ。俺的にはあまり関わりたくない。不穏な噂しか入ってこないからな」
(それだけやばいのか、表情が怖いよ三音さん)
「キャハッ!気に入った!我は気に入ったぞ、陽楽。我はこの遊園地に住みてぇなぁと思えた♪」
笑いながら陽楽の背中を叩く。
「あいつは5柱の4の症鬼という鬼なんだが。普段と姿が違うな・・・・入れ替える能力か?
どちらにせよ、警戒対象だ」
「うーん僕としては、もっと楽しい場所が欲しいなぁー」
ほんわかした可愛い少年が可愛くない事を呟いている。
「あの少年は最近だったかな?新顔の欺ヴィス。5柱の5。一番柱の中で弱いとされるが、まだまだ少年という目で見ると、その歳でこの地位、伸びしろがありそうだ」
説明も終わり私は降ろされる。
「怖いか?」
(正直怖い、読めないんだ。読めないから潰し合おうとして戦争をするわけだから当たり前の感情なんだろうけど。
あと全員能力者なのは確定してるだろうし
どんな力があるのか?いやそれより一番気になるのは残酷姓)
どうやって殺されるのか?それはアイツらしか知らない。
私は分かってて来たのに、今になって怯えてる。
「どうするんですか?アイツらを今殺るんですか?」
「1柱だけはもって逝きたいな」
ふっと笑って、ポケットから四角い箱をを取り出し、
蓋の面に軽いキスを落とすと
まるで生きている龍みたいな鎖剣へと姿を変える。
「仕事だ、援護を頼むぞ」
「あっ待って」
心の準備も出来てないのに彼は恐れることなく
広場に向かった。
人は自然と避けて、私達の姿は丸見え状態になる
パシッと両頬を軽く叩いて気合いを入れ、恐怖を打ち消す。
(今さら引けない!さぁ、裏の核となる人物達とご対面だ!)
配布された三角形の物体に軽いキスを落とすと、蛇を宿した一本の大剣に姿を変える。