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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
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【八十八】かるた会に白波女子逢坂めぐみ登場!

 地球の守護神女神アセリアは黒猫の神使セリエの報告を聞いていた。


「セリエよ、それは、まことか」

「はい、南和大陸の一部が水面下に引き()られ始めています」


「どういうことじゃあ」

「西和のロックー山脈大沈下のあと、

ーー 南和のアンデー山脈も引き()られ始めました」


「なるほど、水面下では、どちらも繋がっておるから不思議じゃあないが・・・・・・。

ーー 事態は、想像以上に深刻かもしれない」


「アセリアさま、まさか、南和もでございますか」


「そうだな、南和も消えることになるだろ。

ーー あそこもエネルギーが乱れていたからのう。

ーー セリエよ、このことは康代には伝えるな!

ーー 其方(そち)は、皇国を守るのじゃあ」


「アセリアさま、そのようにします」


 神使セリエは、消えて光になった。




 校内かるた大会予選の前々日、八月十九日、神聖女学園かるた会に珍客が訪れた。

安甲晴美かるた部顧問兼代表が、部員と会員に説明を始めた。


「徳田さんは、知っていると思うが白波女子高校の逢坂めぐみさんです。

ーー 逢坂さんは、白波女子の由良道江先生のご紹介で、

ーー 神聖女学園かるた会に入会することになりました」


「白波女子高の逢坂めぐみです。何卒、よろしくお願いします」


『逢坂さん、こんなに早くお会いできて嬉しいです』

徳田は、感激に頬を紅潮させていた。


「はい、アニメみたいな展開に驚いています」

逢坂はそう言って徳田を見た。


「逢坂さんは、私や徳田さんと同じA級ランクだから、

ーー みなさんにもプラスとなるでしょう。

ーー 特に宝田劇団の朝霧雫さんには、プラスになるでしょう」


「朝霧です。逢坂さん、よろしくしてね」


「逢坂です。朝霧さんとお話し出来て嬉しいです。

ーー よろしくお願いします」


『逢坂さん、大会も近いし、どうされてますか』


「神聖学園都市の宿泊施設を利用することにしました」


『それで、大きな荷物なのね』


「今日は、団体戦の模擬戦をするから、対戦相手を発表します。

ーー 敬称は省略よ」

と言って、安甲は粛々と名前を読み上げた。


「読手は、私、安甲晴美、

ーー Aチーム、徳田、姫乃、和泉、夏生、唐木田、

ーー Bチーム、逢坂、朝霧、森川、春日、三笠、

ーー Cチーム、朝川、夜神、峰、白菊、小倉、難波

ーー Dチーム、赤城、大河原、山川、松、篠原、葦田、ね」


 安甲は、名前を読み終わり説明を加える。


「対戦カードは、Aチーム対Bチームの組み合わせと、

ーー Cチーム対Dチームになるが、模擬戦なので五名枠は度外視してくれ。

ーー じゃあ、かるたを掻き混ぜて、並べてください」


 安甲晴美は、かるたの並べるスピードを見ていた。

上級者は、決まったリズムで並べているのに対して、初段レベルはリズムもバラバラで遅い。


「じゃあ、並べ終えて無い人は手を上げて」


「全員、並べ終えていますね。暗記時間は十五分よ」


 暗記時間が終わり、徳田と逢坂が対戦する。

これまでの勝敗は一勝一敗の互角だった。


「徳田さん、よろしくお願いします」


『逢坂さん、全力で行きましょう』


「みんな、大会前なので、怪我に注意してくださいね」

安甲が注意を喚起した。


 安甲先生が序歌を詠み上げた一時間後、かるた会の練習会は終わった。




 徳田康代は、安甲先生と逢坂めぐみと朝霧雫を誘い、ショッピングセンターを案内することにした。


康代は、豊下秀美に連絡を入れた。

『秀美、あなたと静女の分を入れてカフェの席を確保してくれる?』

「康代さん、何人ですか?」


『明里光夏も来る?』

「一緒です」


『じゃあ、宝田五名と私たち三名と静女に光夏と秀美で

ーー ええと、十一名ね・・・・・・。

ーー 待って、姫乃さんと和泉さんも入れて十三名ね』


 康代たちは通い慣れた地下通路を移動して、カフェに到着した。




 その頃、生徒会執務室では、前畑利恵と生徒会役員の門田菫恋が難しい顔で談義していた。


「門田さん、そのお話は、本当なのですか?」


「新政府の学校改革の影響で制度が変わることをご存知ですね。

ーー その結果、いくつかの学校が統廃合することが決まっています。

ーー 女子高が男子校と統合することはありませんが・・・・・・。

ーー いくつかの学校が吸収されることが水面下で噂になっています」


門田の話を聞いた前畑は腕組みをしながら言った。

「それで、白波女子が浮上した訳ね。

ーー じゃあ、かるたのライバル校が神聖女学園に吸収されるわけ」


「まだ、確定じゃありませんが・・・・・・。

ーー 前畑さん、物理的に可能でしょうか?」


「神聖女学園は、元々、一学年三百名で中等部、高等部、大学を合わせて三千名だったのよ。

ーー それが近年の人口減少で今は一学年が二百名になってしまって二千名よ。

ーー トータルで言えばマイナス千名になるわ。

ーー 白波女子が神聖と同じ規模なら、多分、余裕があるわね。

ーー 学園寮の最大は五棟で三千五百名で宝田劇団の棟を除いても二千八百名あるのよ」


「じゃあ、約八百名分が余裕なわけね」

門田は前畑に言った。


「白波女子は何人規模ですか」


「多分、六百名じゃなかったかしら」


「そうね、人口激減で、どの学校も最盛期の半分以下ですからね。

ーー この件、康代さんは知っているのかな?」


「生徒会会長には、まだですがーー 前畑さんは、どう思いますか」


「そうね、まさかの展開だから、織畑さんも入れて、協議が必要と思いますが、

ーー 徳田さんの性格じゃあ反対することは考えられませんので」


 前畑利恵はホログラム携帯から康代に連絡を入れた。


[ただいま、電話に出ることが出来ません・・・・・・]


留守番電話の応答メッセージが出た。


「門田さん、康代さんは、電話に出られないみたいだから、明日以降でもいいかな」


「私は、大丈夫よーー 生徒会も全力で対応しますので」


「じゃあ、明日、またよろしくお願いしてもいい?」


「もちろん、構いませんわよ」

門田は前畑に微笑んだ。




 神聖ショッピングセンターの最上階にあるカフェでは、天女天宮静女が紅色に染まった夕焼けを眺めていた。


「逢坂さん、朝霧さん、ここの夕焼け素敵でござるよ」

静女が、みんなを微笑ませている。


『あら、真っ赤ね・・・・・・』

康代が余韻のある呟きを残す。


静女が首を傾げ康代の表情を覗いた。

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