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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
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第十五章【五十四】いよいよ近江の聖地でござるよー

 徳田康代大統領は、近江のかるた全国大会本選出場と西和大陸の天変地異の板挟(いたばさ)みを感じていた。


 神聖女学園かるた部臨時顧問の安甲晴美(あきのはるみ)に、入部届けが生徒から渡された。

未勝利グループの準々決勝に進んだ八名だった。

実力は、D級レベルだったが、部員の少ない安甲にとっては好都合だった。




 安甲は、放課後部員を部室に呼んで、みんなに紹介した。


難波雫(なにわしずく)です。身長一七〇センチ、A型です」

葦田都(あしだみやこ)です。身長一七一センチ、O型です」

小倉紅葉(おぐらもみじ)です。身長一六八センチ、A型です」

峰美由紀(みねみゆき)です。身長一七五センチ、B型です」


白菊心(しらぎくこころ)です。身長一六五センチ、O型です」

山川風見(やまかわかざみ)です。身長一七四センチ、A型です」

松友美(まつともみ)です。身長一七四センチ、A型です」

篠原朝霧(しのはらあさぎ)です。身長一七二センチ、AB型です」


 唐木田、森川、夏生、春日、三笠、徳田、姫乃、和泉も順に紹介して顔合わせを終えた。


安甲が続けた。

「本選には、校内決勝トーナメントに残ったメンバーも加え十六名体制にする。

ーー レギュラー五名と準レギュラー三名以外の二名の椅子を新入部員から選ぶことにする。

ーー 漏れた六名はサポートになるが、いつでも出れる準備を欠かさず頑張ってください。

ーー クラス別個人戦への出場は各自の判断に任せますが団体戦に集中しよう」


 安甲晴美臨時顧問の指導の元、トレーニングが連日続いた。

トレーニングメニューには、体力育成もあった。


徳田、姫乃、和泉以外の部員も根を上げた。




 空梅雨が早く明けた三日後の七月十八日、神聖女学園は夏休みに入った。


 かるた部臨時顧問安甲晴美は、女子生徒部員十六名と天宮静女、明里光夏、女子高生警備五名を連れて競技かるた全国大会本選会場に入った。


「みんな聞いてくれ宿に手荷物を置いたら、神宮に参拝に行こう。

ーー 現地の空気に慣れるのもトレーニングだ。

ーー 大会予選は三日後に始まる。

ーー 無事に東都に帰れるようにと必勝祈願をしよう」


安甲は、付け加えた。

「応援グループは本選の前日に同じ宿に滞在することになっている。

ーー じゃあ、出発しよー」


しばらくして、安甲と部員たちは、聖地の大鳥居の前に到着してバスを降りる。

「ここが“一の鳥居”だ。

ーー 本殿はもっと先になる」


 安甲たちは最初の鳥居の前で一礼してから鳥居を通過した。

石段を上り“二の鳥居”を過ぎ右手側に進む。


 手水舎(ちょうずや)で手を清めて次の角を左手側に曲がると、また石段が見える。

「石段を上がれば、桜門に出る」


 康代は、桜門を見て、()()()と思い姫乃に声を掛けた。


『姫乃さん、本当に来てしまいましたね』

「徳田さん、みんなのお陰でここに来れましたわ」


和泉が割り入った。

「本当に感謝しかありませんわ」


唐木田部長が徳田に声を掛ける。

「徳田さんや、姫乃さん、和泉さんの力が無ければ

ーー 本選なんて夢で終わっていましたわ」


森川副部長も言う。

「唐木田さんの言う通りよ。

ーー 未だ信じられないわ」


『予選前の校内大会が、準備運動になりましたわね』

「徳田の言う通りだ。

ーー あの大会が無ければ、今の部員もいなかったに違いない」


『先生も、そう思われますか』

「君たちは、ともかく、

ーー あとから入った八名は、あの大会のお陰だ」


「学園に戻ったら、秋の校内大会を企画して底上げをしよう。

ーー 部室が狭くなったら、徳田生徒会長にお願いしようか」

 部員たちが安甲の言葉を受けて大笑いした。


「康代さん聖地ですね」

明里大統領補佐官だった。


「康代殿、聖地でござるよ」


『光夏、静女、ありがとうね』

徳田の周囲には、女子高生警備がいるが遠目には同級生にしか見えない。




 石段を上がり外拝殿前で二礼二拍してお参りを済ませた女子高生たちは、石段を降りておみくじがある授与所に寄る。


 安甲たちは、会場を下見して宿に戻るとグループに分かれ練習を再開した。


「まだ時間があるが、本選に疲労を残さないようにしてくれ。

ーー そして、抽選会だが、くじ運の強い人、自己申請を受けるぞ。

ーー 随分、遠慮がちだな、じゃあ、先生が指名するぞ。

ーー 大統領以外なら、姫乃水景さん、君が適任だ」


安甲は、そのあとで、ぼそっと呟く。

「陰陽師としての直感だが・・・・・・」




 競技かるた大会開会式前に組み合わせ抽選会が行われた。

東都同士のカードにはならなかった。


 初戦は、初出場で大都準優勝の()()()()()と決まる。


 安甲も徳田も、()()()()()()()で初戦の結果を知っている。




 織畑信美、前畑利恵、豊下秀美が開会式に合わせて聖地を訪れていた。


「徳田さん、応援に来たよ」

徳田が振り向くと豊下がいた。


『織畑さん、前畑さん、豊下さん、久しぶりね。

ーー 明里さんと静女は、元気よ。

ーー そっちは、どうなの』


「とりあえず動きはないし、ホログラムで何処にいても対応できるので心配しないで大丈夫」

前畑だった。




 水戸藩、紀州藩、尾張藩の女子高生支部も駆けつけていた。

キャビネットの顔触れは、陛下の意向で公開されていないから関係者以外は知らなかった。


「水戸藩の水上泉です。

ーー ご無沙汰しています」


「尾張藩の尾上ゆかりです。

ーー またお会い出来て光栄です」


「紀州藩の紀戸茜です。

ーー お護りします」


『みなさん、はるばるとご苦労さまです。

ーー 感謝しています』


 女子高生支部の諜報女子高生は徳田に挨拶して、離れて行った。




 安甲晴美臨時顧問が徳田に声を掛ける。


「徳田さん、あっちは、ギリギリ持っているみたいよ。

ーー かるた本気モードでガンガン行きましょう」


『先生も、個人戦を頑張ってください』


 今回の本選は高校選手権の団体戦のあとで一般のクラス別個人戦が準備されている。

安甲晴美は、A級に出場することになっていた。

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