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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
53/169

【五十三】第三世界の夜明け前

 全国大会地方予選の翌日、本選出場を決めた八名は、かるた部の部室に集合している。


安甲晴美、A級、かるた部臨時顧問

唐木田葵、B級、かるた部部長

徳田康代、B級、掛け持ち

森川楓、C級、かるた部副部長

姫乃水景、C級、掛け持ち

和泉姫呼、C級、掛け持ち


夏生瑤子(なつきようこ)、D級、かるた部

春日遙(かすがはるか)、D級、かるた部

三笠住江(みかさすみえ)、D級、かるた部


安甲(あきの)が男口調で話し出した。

「全国大会本選の団体予選は十日後に始まる。

ーー みんなは、三日前に現地入りして合宿をと考えている。

ーー それまでの間は、かるた部の部室で練習をして対策を考えよう」


安甲が続け続ける。

「本選の布陣は、地方予選の布陣のままで良いと思うが・・・・・・。

ーー 体調が優れない場合は、事前に先生に知らせてくれ。

ーー 少ない駒を入れ替え最大限の力を引き出したい」


『先生、個人戦に出場するのですか』

徳田が安甲に質問した。


「うん、迷ったが久しぶりにしたいものだ。

ーー 徳田と唐木田は、私の練習相手になってくれないか」


『私は、構いませんが、唐木田さんは』

「私もいいわよ」


「森川、姫乃、和泉は、B級に近い実力があるから、君たちも手伝ってくれ。

ーー 夏生、春日、三笠の三名は、もっと技を磨いてC級を目指してくれ。

ーー 私からは、以上だが、何か質問あれば、どうぞ」


「先生、近江に移動する日は、何か必要な物ありますか」

「特に無いが、着替えと歯ブラシを忘れないようにした方が良いかな」


「まあ、手荷物が増え過ぎないように最小限がベストだ。

ーー まだ、時間はあるが移動当日は、神聖女学園玄関前に集合します。

ーー そのあと、空中浮遊タクシーに分乗して第二羽畑空港まで移動して現地に向かいます。

ーー 昨日の疲れもあるから、今日は、解散しましょう」




 徳田康代と安甲晴美は部員と分かれたあとで、生徒会執務室に寄ることにした。


 生徒会執務室ーー 大統領執務室に徳田安甲が入ると、織畑、前畑、豊下、明里と天女の静女たちが大きな青いソファに腰掛けていた。


安甲がみんなに声を掛ける。

「みんな、お(そろ)いじゃないですか・・・・・・」


「あら、先生、徳田さんとご一緒とは珍しいですね」

前畑利恵だった。


「そうね、かるたで距離が近くなっているようだ」

「みんなは、どうされているかな」


「校内予選のあとで、多くの生徒が短歌コンテストに流れたそうよ」

豊下秀美が口添えした。


『それは、初耳ですわ』

「かるたを継続している生徒もいますが、今は短歌にシフトしたそうね」

明里光夏だった。


『織畑さんは、どうなの』

「私は初心者ですから、次回までに力を付けたいと考えます」

織畑信美だった。


「康代殿は、何でも出来て、凄いでござる」

『静女は側近で、光夏は大統領補佐官なのだから、女子高生警備と一緒に近江に出張ね』


「拙者もでござるか」

『静女しかいないでしょう』


「今日も暑いでござるよ」

『分かったわ、静女、カフェね」




 一同は、神聖女学園の地下玄関から地下経由で神聖ショッピングセンターに行くことになった。


『静女、今日は何にするのですか』

「チョコパフェでござる」


『静女、クレープやめたの』

「暑さ優先の選択肢でござるよ」


 秀美がホログラムディスプレイに、みんなのオーダーを入力した。


『安甲先生、負のエネルギー緩和対策はうまく行っていると思いますか』

「私的には、良いと思うが」


『世界では、第二段階への動きの気配があるそうですが』

「第二段階か」




 神使のセリエが黒猫の姿で康代たちの前に現れた。

セリエからスキルを与えられていない者には見えないのだった。


『セリエさま、ご無沙汰してます』

「康代のエネルギー相殺は順調のようにゃあが。

ーー メディアはどうなっているにゃあ」


『メディアは、幕府の協力で解体しています』

「報道遮断じゃにゃあ」


『セリエさま、人聞きが悪く聞こえますわ』

「違うかにゃあ」


『セリエさま、報道の選択ですわ。

ーー マイナス以外は、今までと変わりません』


「康代よ、その調子で良いにゃあ。

ーー もう西和は、止められないのじゃから。

ーー 康代たちは、皇国の平和だけを考えるのじゃよ」


 神使のセリエは、内容で口調が変わる。

(安甲晴美、康代も同じ傾向があった)


「まもなくすると、報道が騒ぐより先に田沼たちが騒ぐじゃろう。

ーー 目に余れば、予が直接対応するじゃろう」


『セリエさま、どうされますか』

「うるさければ、隠すだけじゃあな」


 セリエさまが、隠すと言われたら、康代には何もできない。

田沼と若宮が暴走しないことを康代は願っていた。


「康代よ、心配はいらないのじゃあよ。

ーー 神隠しはな、次元スリップじゃあよ」


『スリップですか』

「そうじゃ、だからにゃあ、命に危険は無いのじゃよ。

ーー 西和の地震活動は日増しに増加しているのじゃが。

ーー 前兆の合図はまだじゃ」


セリエの説明を康代たちは真剣にに聞いている。


「合図あれば、ブラック、ゴールド、レッドの何れかの火山が破局噴火して

ーー 西和の最後が始まるのじゃよ。

ーー 世界の殆どは、失われ、神が選んだ皇国と大地だけが残されるのじゃあよ。

ーー 第三の世界の歴史が始まり、アトランティス暦から西暦のあとの時代に変わるのじゃあ」


 セリエは康代を安心させるように付け加えた。

「まもなく、歴史の変わりを()のあたりにするじゃが、

ーー 恐れることはないのじゃよ」


『セリエさま、ありがとうございます』


 神使セリエは消えて虹色と金色の光を残して輝いていた。


「セリエさま、更に神々(こうごう)しいでござるよー」

『そうね、静女の言う通り、神々しいですわね』


 かるた大会の裏で起こる地球の過渡期(かとき)に康代は目眩(めまい)を感じた。


「康代殿、大丈夫でござるか」

『ちょっと、目眩(めまい)がしただけよ』

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