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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
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◆第三部 第十三章【四十五】アニメと短歌とかるた!

 伝説の話が現実化した時、直視できる人間がどのくらいいるだろうか。

不都合な真実は幾重の(よろい)に閉ざされて虚構の城のダンジョンに(とらわ)われる。


 皇国以外の世界は、相次ぐ()()()()()にパニックが止まらない。


 地球の神々の選択肢は、世界の再構築だった。

アトランティスからの遥かな時を超えて神は再び大鉈(おおなた)を振るう。

逃げ惑う人間の姿はまだ見えない。




 消える人間が連日、井戸端会議の中心にあった。


 インターネットニューススピードが西和以外の超常現象を配信していた。


「東和の首都でも、連日、神隠し騒動が報道されています」

「配信されたビデオは、こちらです」


「突然、うちの猫が消えてしまったのよ」

「何処かに迷い込んだ可能性は」


「私の膝の上にいたのよ・・・・・・」

「それは、変ですね」


「そう言えば、さっきまでいたスタッフさんもいないわ」

猫の飼い主が言った。


リポーターが振り向いた瞬間

「・・・・・・」


「リポーターもスタッフも、そして、猫の飼い主も消えた神隠し事件でした」




 神聖女学園の校舎の食堂でも女子生徒の話題は東和の神隠しだった。


「西和と同じ出来事が東和でも起きているのよね」

「変な偶然ね」


「皇国以外の国々で起きているみたいよ」

「まるで狐につままれている気分ね」




 神使のセリエは女子生徒たちの井戸端会議に耳を傾けていた。

そして康代たちがいる生徒会室に黒猫の姿で現れた。


『あら、セリエさま、こんにちは』

「とうとう狐にされてしまったらしい・・・・・・。

ーー 次は、猫から狐に変身してみるかにゃあ」


『譬え話じゃありませんか』


「譬え話でも、あまり気分が良くないにゃあ。

ーー ところで、康代よ、西和以外の国々で起きている神隠し事件。

ーー さすがに多くてな漏れているようにゃあ」

ーー もう少しすれば、落ち着くと見ているがにゃあ」


『もう少しですか』

「そうにゃあ、あと数週間というところだにゃあ」


『神隠しの超常現象が連日、話題のトップです』


「康代よ、中和剤が必要だにゃあ」


『新しい企画ですね』

「演劇に続く新しい企画が必要にゃあ」


『アニメは如何(いかが)でしょうか』

「良いかもしれないにゃあ」


『過去のヒットアニメを連日配信してみるのも余興(よきょう)になるかも知れませんわ』


「中和にはならないがにゃあ、悪くないにゃあ」


 徳田康代は秀美と光夏を呼んだ。


『二人で協力して、アニメ配信に協力してくれ』

男口調になった。


「康代よ、またにゃあ」

「セリエさま、ありがとうございます」




 秀美と光夏は、アニメ制作会社と配信会社に意向を伝えた。


 康代は、生徒たちの意識の専有時間を考えている。

睡眠時間を除く約十六時間の覚醒時間に顕在意識が考えることがエネルギーの作用点を変える。


 神隠し事件で傾きかけた感情をアニメで綱引きをする計算だ。

アニメを見ながら漫画を読みながら小説を読みながら、不安を考える人間はいない。


 けれども不安が大き過ぎると何も手に付かないのが人間のガラスの心だ。

不安の火種が小さなうちに対応すればと康代は考えている。

康代は、ありとあらゆる策を模索していた。


『信美、ここ数週間が最初の山場よ。

ーー 何がなんでも(しの)ぎましょう』


「問題は心の占有率を傾ける方法ですね。

ーー アニメだけじゃ、まだまだ足らないような気がします」


『じゃあ、どうするの信美』

「康代ね、前に言っていたじゃない。

ーー 短歌コンテストとかーー かるたとか」


『そうね、井戸端会議殲滅(せんめつ)作戦よね』

「ここは無制限な心の解放が必要なシュチエーションじゃないかしら」


『アニメだけじゃ短絡的ね、女子高生だけじゃなく主婦も楽しめる選択肢が必要かも知れない』




 再び神使のセリエが黒猫姿で現れた。


「康代よ、だいぶ焦っているようじゃな」

『はい、セリエさま』


「砂時計を見て焦っても始まらないのじゃよ。

ーー 時間など気にせずに出来ることをするのじゃ。

ーー 国民がどうなるかを考えれば限界に縛られるだけじゃ。

ーー 康代たちが良いと思うことにエネルギーを注ぐのじゃよ」


『セリエさま、ありがとうございます』

「康代、じゃあにゃあ」


神使セリエは消えて虹色の光になった。


「いつ見ても美しい虹の光でござるよ」

「本当、この世の光には見えませんわ」


『信美、この世の光じゃないでしょう』

「そうでした」

信美は、長いポニーテールをいじりながら照れていた。




『利恵、短歌コンテストの企画は利恵に任せるわ』

「分かりました。

ーー 徳田幕府の()()()()()()に連絡します」


『信美、かるたは、信美が適任ね』

「生徒会に指示を出して協力を仰ぎます」


『確か、神聖にもかるた部、ありませんでしたか』

「あることはありますが、あまり聞きません」


『じゃあ、かるた部をバックアップして、

ーー 安甲先生に臨時顧問をお願いしましょう』

「安甲先生は、文芸部顧問ですよ」


『大丈夫よ、掛け持ちで。

ーー だって、安甲先生、かるた大会で優勝の経験あるのよ』

「知りませんでした」




 康代たちは、安甲先生に連絡を入れて生徒会執務室に来て頂いた。


「徳田さん、何かご用でしょうか」


『先生、かるた部の臨時顧問をお願いしたいのですが』

「どうして」


『今、エネルギー中和計画を推進しています。

ーー その流れで、いくつかの企画を同時進行しています』

「なるほど、エネルギーを相殺(そうさい)するのね」


『はい、それでーー 短歌コンテストとかるた大会を実施することになりました』

「面白そうね。年齢制限はあるのかな」


『ありませんわ』

「じゃあ、私も参加できるのね」

 お読みいただき、ありがとうございます!

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三日月未来(みかづきみらい)

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