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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
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【三十九】七夕祭りの昼下がり

 神聖女学園生徒会は、鷲尾山で撮影したビデオをネット配信の事前録画の背景にした。

大講堂の小ホールでは生徒会の何人かが準備をしている。


「司会の明里光夏です」

背景に、鷲尾山観光の動画が大きなホログラムディスプレイにアップされた。


「今日のネット配信の前に特別ゲストを紹介します。

ーー 白いスカートスーツが舞台監督で宝田劇団の元大スターの夜神紫依(やがみしより)さんです。

ーー 現役の大スターの二名が赤城麗華(あかぎれいか)さんと。

ーー 大河原百合(おおがわらゆり)さんです。


ーー 本日は、赤城さんが水色のワンピースで、

ーー 大河原さんがコーラルピンクのワンピース姿です。

ーー では、一言ずつ、お言葉を頂きたいと思います」


明里が丁寧に伝えた。


「夜神紫依です。

ーー 一昨日の公演を全国のみなさんに見て頂きたいと思います」


「赤城麗華です。

ーー かぐや姫役をさせて頂きました」


「大河原百合です。

ーー 麗華の助演をしています。

ーー ご覧になってみてくださいね」


「お忙しいところをありがとうございます」


 挨拶の動画の収録のあとで臨時公演の動画がセットされた。

ネット配信は開始十八時の予定となっている。

公演とネット配信で康代たちの最初の企画は終了となる。


 明里光夏(あかりみか)豊下秀美(とよしたひでみ)は、全国女子高生会議に連絡した。


「明里ですが、予定通り十八時から配信します」

「明里さん、お疲れ様です。至急、お伝えします」

「ありがとうございました」


明里と豊下は、連絡を終え生徒会室に戻った。


「明里さん、豊下さん、状況はどうですか」

「順調ですよね、秀美」


「配信を待つだけです」

「宝田劇団のスタッフは九日の明後日に学園都市を離れます」


「赤城さんと大河原さんは、一日早く明日、学園都市を離れます」

「じゃあ、生徒会も何かしたいな」


「今夜の配信は、いつでもどこでも見れますので」

「そうね、じゃあ、徳田会長に聞いてみましょう」

「秀美、ありがとう」


丁度、徳田康代生徒会長がやって来た。

『秀美、準備は出来ているの』

「はい、出来ています」


「ところで、康代さん、生徒会が送別会をしたいそうです」

『いいわね、秀美、今から宿泊棟の宴会ルームを予約してもらえる』

「はい、至急、予約します」


『光夏は、遅れてもいいから、あとで合流して』

「康代さん、配信準備を終えているから大丈夫です」




 田沼博士と若宮助手は、研究室で遠隔地の地震データを分析している。


「田沼さん、レッドストンにも異変の兆候が出ていますが」


「永畑に変化はありますか」

「そっちは心配ありませんわ」


「とりあえず、東都は大丈夫そうですね」

「レッドストンは、どうされますか」


「静観しましょう」

「さっき、安甲(あきの)先生に今日の宝田劇団の送別会を誘われたのですが」


「嬉しいね、是非、参加しましょう」

「じゃあ、お伝えしてきます」


 安甲は、ホログラム携帯を手に取って豊下秀美に連絡を入れた。


「安甲です、豊下さん、

ーー 私と田沼先生と若宮先生も送別会に参加しますが大丈夫ですか」

「宿泊棟の宴会会場ですから、百人増えても大丈夫ですよ」


「豊下さんは、本当に頼もしい方ね」

「じゃあ、先生、場所を間違えないで下さいね」


「多分、大丈夫よ」

「神聖の地下通路は、迷路ですからね」


「また悪い冗談はよくありませんよ」

「先生、すみません」


豊下秀美は、携帯を切り、康代の元に寄る。

「康代さん、安甲先生、田沼先生、若宮先生も参加されます」

『姫乃さんと和泉さんにも声を掛けた?』


「まだです」

『じゃあ、演劇部全員招待してください』


豊下は姫乃に連絡したあと、宴会の担当者に人数変更を伝えた。

「豊下さん、ギリギリですよ」

「すみません。ギリギリで」


「まあ、なんとかなりますが」

「ありがとうございます」


秀美は、ヒヤヒヤしながら康代に連絡を入れた。

「今夜の送別会は何とか、ギリギリセーフでした」

『秀美さん、いつも無理を言ってごめんなさいね』


「大丈夫ですから、心配無用です」

『今日は、人数が多いので、三十分前に会場到着にしましょう』


「そうですね。生徒会と演劇部を合わせたら五十人以上ですから」

「宝田劇団とその他を加えるともっと多くなりますね」


『いつもの夕食会に参加人数が増えただけよ』

「そう考えると肩が軽くなります」


『あら、肩が悪いの』

「康代の悪い癖でござる」

静女の皮肉が炸裂。


『今日も、暑いわね』

「はい、康代さん、ワインが飲みたいですね」


徳田康代大統領は、成人年齢を十六歳に引き下げた時、

ーー 一部のアルコール類の制限を変更していた。


ワイン、十六歳

エール、十八歳

リキュール、二十二歳


と言うか訳で、秀美はワインを欲していたようだ。


『私は、赤ワインがいいわ。秀美は』

「私も赤が華やかで好みです」


『そうね。色は人の心に影響を与えますね』

『じゃあ、そろそろ、みんなに声を掛けて移動しましょう』


 康代たちは校舎の地下玄関から北側の宿泊棟に繋がる地下通路を移動した。


「徳田さん、早いわね」

『あっ、夜神さん』

「今日は、大勢ね」


『生徒会が、宝田劇団の送別会をしたいそうで・・・・・・。

ーー 演劇部と関係者に声を掛けさせて頂きました』


「そうなの。嬉しいわ。

ーー でもね。毎回になったら大変かもね」


『夜神さん、それはそれでお願いします』


「夜神さん、ネット配信が開始されたら、

ーー 会場の大型ホログラムディスプレイに映像が配信されます」


「織畑さん、ありがとうございますね」


 宝田劇団、生徒会、演劇部の面々は、送別会の会場の中に次々に入って行った。

明里と豊下が最後に到着して晩餐会が始まった。

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