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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
38/169

【三十八】神使セリエの予言と宝田劇団

康代の会話は二重鉤括弧を使用しています。

『  』

 徳田康代は執務室に戻り、田沼光博士に連絡を入れた。

しばらくして、陰陽師の安甲先生と一緒に田沼と若宮咲苗助手が生徒会執務室を訪れる。

二人と丈の短めの若草色のワンピースを着ている。


『田沼先生、永畑町の水蒸気の噴出ですが・・・・・・』


「あれは、問題ありませんよ」

「人間に例えれば、呼吸の様なもので、噴火の兆候は起きていません」

「ただ、地震や噴火には、一定のサイクルがあります」


『と言うと』


「バイオリズムです」

「意外と知られていませんが、

ーー バイオリズムで発生リスクが上昇する傾向が分かっています」


『それは、どう言うことですか』


「年間のバイオリズムの周期が前期と後期に分かれています」

「過去の天災の多くは前期型ですが・・・・・・

ーー 後期型でも天災が起きています」


『先生、今は、どう言うことになっていますか』


「永畑は、前期と後期の過渡期で発生しましたから、局所的な被害に留まりましたが」

「あれが、ピークだったらと考えるとぞっとします」


『で、今は、そのバイオリズムはどうなっていますか』

「これから、リスク上昇期の後期に入ります」


『と言うと、天災リスクが上がるのですね』

「ただ、これは、地球規模での傾向なので・・・・・・。

永畑が該当するかどうかは分かりません」


『そうですか、あとは神々の判断ですね』




 神使のセリエが黒猫の姿で康代たちの前に現れた。


『セリエさま、ご無沙汰してます』


「康代よ、舞台が成功じゃったようじゃな。

ーー 康代たちの【幸せ政策】で、永畑は心配しないで良いじゃろ。

ーー だがな、西和では噴火の前に巨大地震が起こるじゃろ。


ーー 巨大地震が、大噴火の合図じゃが、噴火が一度とは限らない。

ーー ゴールド、ブラック、レッドが全部割れるかもしれない。

ーー そして、康代に伝えている天変地異は、その次になるじゃろう」


黒猫のセリエは言葉を切ると田沼と若宮を見た。


「そこの二人、少しは改心したか?」

「ありがとうございます」


「アトランティスの前世記憶は甦ったか?」

「はい、お陰様で」


「お前たちが、地震に興味があるのは、

ーー お前たちの無意識がアトランティスの記憶を共有しているからじゃよ」


セリエは、田沼たちの前では、キツイ口調になる。


「情報の漏洩は、百害あって一利なしじゃから

ーー 不用意に伝える必要はないのじゃ。

ーー 伝われば、心配が不安を呼び恐怖心を引き起こすからのう。


ーー その結果、集団の負のエネルギーが増大し天災の引き金を引くのじゃ。

ーー これが神々の科学の仕組みじゃ」


「また、何かあれば来るからにゃあ、康代」

『ありがとうございます。セリエさま』


神使のセリエは消えて光になった。




 陰陽師の安甲先生が口を開く。


「皇国は、八百万(やおよろず)の神々に守られているから心配ないわ。

ーー セリエさまを信じて安心することが大切です。

ーー 皇国に於いて地震と火山は無視出来ませんが過敏になればデメリットの方が大きいわね。


ーー 田沼先生たちはアトランティス時代の前世記憶の教訓を生かしてください。

ーー ただ、天災だけは神々の領域なので関わらないように。


ーー 先生たちの地震予知は、多くの方々の不安軽減に役立っています。

ーー けれども、使い方を誤れば、両刃の剣よ。

ーー 折角、神聖学園都市と言う恵まれた環境にいるのですから長所を生かしてください」

「安甲先生に言われると安心します」


『そうね、田沼先生、いや、田沼博士、未来のために研究を頑張ってください』




「じゃあ、クレープの時間でござるな」

『静女のおやつはクレープなのね』


「康代、じゃあ、カフェに移動しますか」

『そうね、利恵、秀美や光夏とも最近、会う機会が減っていたし、みんなで行きましょうか』


「徳田さん、私はまだ仕事があるので職員室に戻るわ」

『安甲先生、じゃあ、次回ですね』


「私たちも、データ解析が途中なので次回でよろしいかしら」

『いえいえ、先生たちは、お忙しいのでお構いなく』




康代、静女、利恵、秀美、光夏の五名はカフェへ向かった。

途中、秀美がホログラム携帯から、織畑信美に連絡を入れカフェに向かうことを告げる。


「秀美、じゃあ、カフェで合流しよう。

ーー 宝田劇団の人たちのテーブルもお願いしたいが、いいかな」


「姫乃さんと和泉さんも、一緒ですか」


「じゃあ、私と二人は康代たちのテーブルで、よろしく」

「八名と宝田劇団ですね」


 康代たちはショッピングセンターの地下玄関から、エスカレーターでカフェのあるフロアに到着した。

同じ頃、リニアモノレール駅から移動して来た宝田劇団の一行と合流する。


結局、二つのグループは、大きなテーブルに案内され、

ーー 康代と静女と織畑は、夜神監督たちのテーブルになった。


 夜神さんの両脇は前回と同じように赤城と大河原が挟んだ。

姫乃と和泉も康代たちのテーブルに入った。

利恵、秀美、光夏は、団員たちのテーブルになったが、会話は出来た。


 康代たちは、慣れた手つきでホログラムディスプレイでオーダーを選択した。


静女は、窓際の席で大江戸平野の景色を眺めている。

『静女、クレープでいいのね』


「徳田さん、本番公演も終えたので、私たちもクレープにするわー」

赤城と大河原だった。


「夜神さんは、どうされますか」

「私は、チョコレートパフェにするわ」


 劇団員たちは、三人のやり取りのあとでオーダーを終えた。




「康代、鷲尾山の景色も良かったでござるが、

ーー 静女は、ここが好きでござる」

『そうね、ここからの大江戸平野は絵葉書にしたいくらい

ーー 学園都市の田園風景とマッチしているわ』


 神聖ショッピングセンターのカフェの窓ガラス越しに差し込んでいる夕日に、

天宮静女の紫色の髪と瞳が輝いて見えた。


「明日の七夕祭りは晴れそうでござるな」

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