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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
36/169

【三十六】宝田公演本番舞台が始まった!

 神聖女学園大講堂の大ホールは、大道具の都合もあって使用時間が制限されていた。

舞台セットの殆どは前夜に搬入されている。


 宝田劇団の夜神舞台監督が現場の足場を確認して最終リハーサルが本番モードで開始される。

誰もが息を呑んで赤城と大河原の演技に注目していた。


リハが終えて夜神監督の大きな声が大ホール内に響く。


「赤城さん、大河原さん、完璧ね。

ーー今日はこれで上がって自由にしてください。

ーー姫乃さん、和泉さん、徳田さん、織畑さんもいいわよ。

ーー団員のみなさんもいいわよ。

ーーみなさん、お疲れ様」


 徳田康代の側近の天宮静女がみんなに提案した。

「ショッピングセンターのカフェでお茶は如何でござるか」


夜神が静女を見つめて微笑みながら答えた。

「天宮さんの提案を受け入れるわ」



 一同は、着替えを終えて地下通路からショッピングセンターの地下玄関に出た。

康代たちを先頭に、エスカレーターを乗り継ぎカフェに到着した。


 康代たちは、夜神監督と赤城さん、大河原さんのテーブルになった。

隣の大きなテーブルには、宝田劇団の団員たちが腰掛けた。


「夜神です。明日から本番ですから、

ーー体調管理と睡眠時間に注意くださいね」


「そうね、冷たい食べ物には注意したいわ」

「赤城さんが言うように冷たい食べ物は敬遠ね」


静女を除いて、一同はケーキセットをオーダーした。


「クレープは静女だけでござるか」

「静女さんは、いつも楽しそうね」


「夜神殿、静女の長所でござるよー」

カフェに笑い声が響く。


「拙者、なんか間違えたでござるか?」

『静女は、間違えていないよー。みんな静女が好きなのよ』

「左様でござるなら安心」


『ところで、夜神監督、今回の臨時公演が終えたら如何されますか』

「日程には、必ず予備日があるので、周辺を団員と観光してみるわ」


『学園都市は広いし、周辺にも鷲尾山の観光スポットがあるわ』


「参考にするわね、ところでですが・・・・・・」

『次の公演日程ですね』


「出来ればですが・・・・・・年四回を考えています」

『三か月に一度の企画ですね』


「はい、主役と助演以外は、若い人たちに機会を与えるのにも、良いと思って」

『こちらは、毎月でもお願いしたいくらいですから問題ありませんわ」


「じゃあ、次は秋分のあとの十月公演ですね」

『その前に、鷲尾山観光、ご一緒出来ませんか』


「いいですが、何か」

『次回へのプロモーションビデオにもなるかと思って』


「宣伝は大切ですわ」

『東都は五月の天災で大勢が転居を余儀なくされました』


『国民の幸せ政策の一貫として演劇鑑賞を企画しました』

「そうね、不安を一時でも忘れることは大事です」


「宝田劇団は、今後も徳田大統領の提案を受け入れるわ」

『夜神監督、ありがとうございます』



 徳田康代は、生徒会の執務室に戻ってから豊下秀美と明里光夏を屋上に呼んだ。

「何かご用でしょうか」


『秀美と光夏を呼んだのは、明日の第一部と第二部の入れ替えと第二部と第三部の入れ替えの件ですが』


「康代さん、もしもの場合に備えて、大講堂の地下の小ホールの客席を開放します」

「秀美の案に加えて、体育館地下の雨天トレーニングスペースも開放します」


『大講堂の地下からの移動は問題ないわね。

ーー光夏の体育館地下も待機場所としては問題ないわ』


「ベンチが人数分はありませんが問題ないと思います。

ーー 一部も二部も三部も、会場の半分以上は神聖女学園の生徒です。

ーー外部から入場者に開放すれば問題ありません。

ーー生徒たちは、ギリギリまで教室で待機出来ますし」


『光夏の言う通りね。あとは生徒会と協力して誘導してください。

ーー役割は、分担して、みんなで演劇鑑賞するのよ。いいわね。

ーー光夏は、ネット用のビデオ収録をプロにバトンタッチしてください。

ーー万が一のために生徒会のビデオカメラも配置してください。

ーー以上で、最終確認です。明日はよろしくお願いします』


「光夏、みんなで頑張りましょう」

「秀美がいるから気持ちが楽です」


 大江戸平野の山々が夕焼けに染まり輝いて見えた。

空中浮遊タクシーが来賓客を乗せて神聖学園都市の滑走路に頻繁に着陸している。

宿泊棟の玄関は、いつになく混雑していた。



 七月五日、宝田劇団臨時公演当日。

 康代、信美、水景、姫呼は楽屋亀で待機している。


 一般客は、ショッピングセンターのリニアモノレール駅から神聖女学園の大講堂に移動している。

幸い天候に恵まれすべてがスムーズに動いていた。


 女子学生たちと招待客の入場が終わり、一般客の入場が始まった。

秀美と光夏は、交代で公演を見ることになっている。

光夏は生徒会のビデオ収録の準備を確認して、プロカメラマンの準備を確認した。

プロは、三台のビデオカメラをセットしている。


 開演ブザーが鳴って照明が消え幕が上がり会場が拍手に包まれる。


[パチ、パチ、パチ、パチ、パチ]


[パチ、パチ、パチ、パチ、パチ]


[パチ、パチ、パチ、パチ、パチ]



 大講堂の出入り口と楽屋、地下通路には、徳田幕府の女子高生警備が五人一組で警備していた。


 神使のセリエがテレパシーで康代にコンタクトをした。

「康代、セリエじゃにゃあ」

『セリエさま、ご用でしょうか』


「康代を応援しに来たにゃあ」

「康代のガードは我がするから安心して頑張れにゃあ」


『セリエさま、ありがとうございます』


 舞台では、赤城麗華がかぐや姫を演じていた。康代たちの出番はまだ先である。


舞台の袖で、康代たちは待機していた。


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