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女子高生は大統領 〜家康が女学園の女子高生に転生した〜  作者: 三日月未来(みかづきみらい)
前編
32/169

【三十二】アトランティスを超える異変が!

 黒猫姿の神使セリエの話が珍しく長く続いている。


「今、世界は再び、危機に頻している。

ーー魂に自浄作用があるように地球自身にも自浄作用があるのじゃ」


「地球から見れば人間は皮膚に寄生するダニのような存在じゃ。

ーー地球の守護神さまも並行世界(パラレルワールド)の女神も慈悲深きお方で、

ーー色々と救済を準備しておる」


「但し、大陸に危機を及ぼす汚れた魂の多い国の民に、

ーー慈悲は無いが天界の都合もある。

ーー並行世界が救済フィルターを準備している」


「皇国鎖国の理由は、関わるなじゃ。

ーー破れば、同じ轍を歩むことになるだろう」


「康代よ、ブラックストンの今回のはまだ前兆に過ぎない。

ーー康代と康代の仲間たちは、

ーーこの問題に蓋をして拡散させないことに専念じゃ。

ーー皇国を守るためにお前らが出来る最初の砦じゃ」


『はい、セリエさま』

「康代たちは、民の心を和ませるのが使命じゃから継続せよ。

ーーただな、康代・・・・・・

ーー今回はアトランティスとは比較にならないかもしれない」


『セリエさま、それは、何のことですか』


「アトランティスは前兆から沈没まで十年以上掛かったが、

ーー今回はもっと早くなる。

ーー負のエネルギー量がモンスタークラスじゃからな」


「アトランティスは人間の傲りが引き起こした悲劇じゃが、

ーー今回は違う・・・・・・。

ーー人間たちの汚れた魂の増大なんじゃから、

ーー負のレベルがまるで違う」


「今後一部のニュース配信は神のフィルターで受信出来なくなるだろう。

ーー康代たちには、見えるが関係者以外に口外してはならない」


「そこの者、くれぐれも喋るではないぞ」

「はい、分かりました」

田沼と若宮は、震えた小さな声で答えた。


「康代、じゃあ、何かあれば、いつでも連絡せ」

セリエは、康代にだけテレパシーを送った。


『セリエさま、ありがとうございます』

セリエは消えて光になった。


「毎回、美しい虹色の光でござるな」

『静女の変身も素敵よ』

「康代殿も、お世辞が上手くなったでござるよ」



『さて、みなさん、私の代わりに、

ーー神使のセリエさまがすべて説明して下さいました。

ーーニュースの制限フィルターも神さまの方でされることになりましたが、

ーー気を緩めずプラスエネルギー増大政策を推進しましょう』


「康代殿、秀美にお任せください」

『秀美はいるだけで、頼もしいですわね、信美』


「前世から変わらぬ性格です」

「信美さんは、お人が悪いですよ」


「そうかな、お互いさまではないかな」

『じゃあ、今夜の重要な案件は、終わりなので、

ーー学園寮に戻って解散しましょう』


 女子高生警備五名は、誰もいない校舎の中を康代たちを警護しながら送り届けた。



 徳田康代と織畑信美は、午前中の授業を終えて姫乃水景と和泉姫呼と大講堂の小ホールに向かった。

宝田劇団の団員とスタッフは、学園寮の横にある宿泊施設に滞在していた。


 到着すると宝田劇団の団員とスタッフが先に稽古をしている。

康代たちも三日目の稽古からは一日中の参加予定になっている。


「おはようございます」


 姫乃が元気よく挨拶して康代たちも続く。

天女の天宮静女は、側近なので康代と一緒にいた。


「みなさんは、二日目ね。今日は台本の流れを覚えてください。

ーー特に、ご自分の出演の間合いに注意ください」


「端役は、大スターへの初めの一歩ですから重要ですよ。

ーーどんな役であっても演じる人間で違うキャラになってしまいます」


「ご自分の役を自分なりにイメージして演じてみてください。

ーー台詞に注意が行き過ぎると動作がバラバラになりがちです」

ーー自然な動作に注意して演じてみてください」


 夜神紫依(やがみしより)舞台監督の注意を聞いた四名と静女は頷いていた。


 静女は、客席から、紫色の瞳をキラキラさせながら見学していた。

舞台稽古は非公開なため、静女以外の見学者はいない。


康代たちは、稽古着に着替えて舞台袖で待機している。

本番稽古でないので、あまり緊張感はなかった。


 康代たちは、出番のタイミングを学習していた。

姫乃は、さすがで康代たちとはレベルが違っていた。


「姫乃さん、和泉さん、いいわ。

ーーその間でお願いします。

ーー織畑さん、徳田さんは、気持ち早いから、

ーー頭の中でカウントしてください」


『はい、監督、ありがとうございます』



 夕方まで約半日のお稽古が何度も繰り返された。

 劇団員たちは、宿泊施設棟にある食堂を利用していた。

さすがに学園寮の食堂は、環境的に利用は出来ない。


 康代たちも劇団員と一緒に宿泊施設棟の食堂で夕食を取ることになる。

夕食時間は、夜神監督を中心としたミーティングになった。


「みなさん、明日の三日目から合わせ稽古を本番稽古でしましょう」

『本番ですか』


「本番設定で最初から最後まで流して稽古します。

ーー明日から、主役と助演も参加しますので厳しくなります」


 素人の康代たちには、厳しいと言う意味すら理解出来ていなかった。


『夜神監督、みなさん、明日もよろしくお願いします』

「徳田さん、織畑さん、姫乃さん、和泉さん、よく眠っておいてくださいね」


『ありがとうございます。失礼します』


 康代たちは、夜神監督と団員に挨拶して校舎経由の地下通路から学園寮に戻った。



 校舎の北側にある宿泊施設の地下通路は校舎の北西側のショッピングセンターと繋がっている。

校舎と宿泊施設間の地下通路は繋がっているが通行制限エリアだった。

校舎の東側にある学園寮とは常時繋がっている。


 ショッピングセンターと大講堂も地下通路で繋がっているが普段は通行が制限されていた。

学園都市は、ある意味で地下都市の迷路のようだった。

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